ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや訪問カウンセリングなどをやっています。

大沢たかお『深夜特急』’96熱風アジア編・’97西へ!ユーラシア編・’98飛光よ!ヨーロッパ編

2024年11月24日 | 随筆を読む

 2022年11月のブログです

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 大沢たかおさんが主演をした『深夜特急』(1996~1998)をかなり久しぶりに観る。

 20数年ぶりだ。

 大沢さんがとても若くて、はつらつとしている(当然かもしれないが…)。

 きっかけは、先日、沢木耕太郎さんの『深夜特急』の感想文を再掲した時にいただいたある方からのコメント。

「ブログを読んで、大沢たかおさんの『深夜特急』の動画を観てみたらとても面白くて、本も読んでみたくなりました」とあった。

 なるほど、そういう観方もあるんだ、と目からうろこで、さっそく観てみたら、懐かしさもあって、不覚にも(?)はまってしまった。

 例によって、なんとなく雰囲気だけは、おぼろげながらところどころ記憶があったが、ストーリーや映像はまったく覚えておらず、新鮮に(?)楽しんでしまった。

 とてもいい映像で、今観ても色あせない素敵な番組ではないかと思う。

 大沢さんの魅力が全開ですごくいい。

 旅のエピソードも、なかなか素敵で、大部分は原作にもあったかどうか記憶が定かでなかったが(主人公が風邪でダウンした時のフランス女性とのエピソードだけはなぜか(?)しっかりと覚えていた)、楽しかった。

 改めて、原作と映像は別物だと思ったし、それぞれの良さが感じられて、面白かった。

 じーじの場合、映像を観てから原作を読んでもあまり失望をすることはないが、原作を読んでから映像を観るとどうも不満を感じることが多いが、良い作品はやはり両立するものらしい。

 昔の映像の楽しみ方を教えていただいたので、記憶に残っているドラマやドキュメンタリーを少しずつ楽しんでいきたいなあと思う。     (2022.11 記)

 

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沢木耕太郎『深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン』1994・新潮文庫-ひとり旅を読む

2024年11月23日 | 随筆を読む

 2018年のブログです

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 沢木耕太郎さんの『深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン』(1994・新潮文庫)を再読しました。

 とうとうゴール!といいたいところですが、なぜか、5、4、6巻と読んでしまいました。

 次は3巻を読むか、2巻を読むか、まだ決まっていませんし、1巻に至っては本棚の中で行方不明になっていて、お正月までに見つかるかどうかもわからない始末です。

 なんででしょう?

 昔から、おかずはおいしいものを最後に食べるタイプなんですが、本は面白そうなものからつい読んでしまうタイプなのです、エヘン(?)。

 もっとも、じーじのひとり旅も最近はそんな感じで、計画性も何もなく、行きたいところから行く、という感じになっていますね、ハイ。

 ということで、沢木さんの南ヨーロッパ、イタリア、スペイン、ポルトガルとロンドンの旅。

 だんだん都会が多くなって、自然が大好きなじーじには少し物足りないのですが、ポルトガルはすごく面白いです。

 人々に人情味がありますし、風景や食べ物も日本に近い印象を受けます。

 このことは、先日読んだ司馬遼太郎さんの『街道をゆく-南蛮のみち』でも同じような印象を受けました。

 ユーラシア大陸の東端と西端、何か関係があるのかもしれません。

 さて、ゴールはロンドン、と思いきや、沢木さんはさらにバスチケットを買います。

 どこを目指すかは、読んでからのお楽しみ。

 なお、巻末のゲスト対談は、なんと井上陽水さん。

 ひとり旅が好きだという井上さんとすごく面白い対談が展開します。

 こちらも一冊の本にできるくらいの分量で、読み応えがあります。

 できれば、年末年始にみかんを食べながら読みたかった、というのが、贅沢な反省です。

 明日からは、2巻のマレーシアでしょうか、3巻のインド・ネパールでしょうか。

 それは明日になってみないとじーじにもわかりません。         (2018.11 記)

 

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沢木耕太郎『深夜特急4-シルクロード』1994・新潮文庫-ひとり旅を読む

2024年11月20日 | 随筆を読む

 2018年のブログです

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 沢木耕太郎さんの『深夜特急4-シルクロード』(1994・新潮文庫)を再読しました。

 予定では年末年始にかけて、ゆっくりと読むつもりだったのですが、なんせ老人なので、年末まで待てず、せっかちに、また読んでしまいました。

 若い時は、年を取ったら、のんびり、ゆったりと生きたい、と思っていたのですが、なぜかどんどんせっかちになってきて、困っています。 

 しかも、今回は『深夜特急4-シルクロード』。

 なぜか、じーじの旅は遡っていきます(?)。

 まあ、これも、老人のなせるわざ。

 老人は順番なんかにこだわらずに(?)、自由自在に面白そうなものから手をつけてしまうのです(先が短いですからね)。

 というのは半分冗談で、実は、次にどれを読もうかな、と本棚の『深夜特急』を眺めていたら、シルクロード、という文字に魅かれてしまい、読むことにしました。

 シルクロードという言葉は魅力的ですし、じーじの頭の中には、なぜかイスラムの美人ちゃんが踊りを踊っている光景(!)が浮かんでしまったのです。

 ということで、本書、沢木さんのパキスタン、アフガニスタン、イランの旅です。

 一番驚いたのは、当時(1970年代)のアフガニスタンの豊かさ。

 今、ニュースで見るアフガニスタンからは想像もできないくらい国土も人々も豊かです。

 戦争がいかに国土を荒廃させ、人々を苦しめるか、一目瞭然です。

 戦争は絶対によくありません。

 沢木さんは豊かな当時のアフガニスタンを堪能しています。

 また、イランでの時計商人との値段の駆け引きもとても面白く読めます。

 そして、じーじが一番印象的だったのは、イランの安宿で病気で伏しているイギリス人青年。

 最初は沢木さんの差し出すブドウを拒否しますが、徐々に打ち解けます。

 そして、沢木さんが出発をする日、イギリス人青年も、一緒に行こうかな、とまで言いますが、沢木さんは聞こえなかったふりをして出発します。

 それがひとり旅のルールだったにせよ、沢木さんの心中は複雑です。

 そして、つぶやきます。

 どうせ置き去りにするなら、初めから何もしてやらなければいい、と。

 ここは文学だと思いました。

 カウンセリングでも、最後まで付き合えないのなら、最初から引き受けるな、というルールがあります。     

 親切は、そして、人生は、本当に厳しいものだと思います。         (2018.11 記)

 

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大島亮吉『山-随想-』1978・中公文庫-大正時代の大雪山登山の記録です

2024年11月17日 | 随筆を読む

 2022年11月のブログです

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 大島亮吉さんの『山-随想-』(1978・中公文庫)を再読する。

 ここのところ、大雪山の動画を観ていて、その中にクワウンナイ川という沢を遡る動画をいくつか発見、その沢の美しさに感動したが、以前たしか大島亮吉さんという昔の登山家がクワウンナイ川を遡った本を読んだことがあるのを思い出した。

 それで読んでみようと探したが、例によって、本棚の中になかなか見つけることができず、半月くらい探して(?)ようやく発見、再読をした。

 大島さんは慶応大学の学生だった大正時代に大雪山の山々を登った人。

 当時、大雪山には登山道がなく、沢から登っていたようで、大島さんはその頃、大雪山を研究していた小泉秀雄さん(上川中学校(今の旭川東高)の先生)の登山記録などをもとに登山をする。

 本書の中の「石狩岳より石狩川に沿うて」という一文にその記録が記されているが、大島さんの大正9年夏の11日間にわたる山歩きの記録で、とても感動的だ。

 一行は4人で、まずは松山温泉(今の天人峡温泉)からトムラウシ山を目指してクワウンナイ川を遡る。

 クワウンナイ川の滝の瀬十三丁と呼ばれる川床の描写がとても美しい。

 トムラウシに登頂後、石狩川の源流から石狩岳に登頂、その後、石狩川を下る。

 当時、ここらあたりは奥山盆地と呼ばれ、旭川の近文アイヌの人々がイワナ釣りやクマ狩りに訪れていたようで、大島さんらと彼らとの交流がとても印象的だ。

 大島さんのアイヌへの尊敬の念がひしひしと伝わってきて、こういうすばらしい日本人もいたのだなあ、と感動する。

 その後、大箱・小箱の難所をなんとか通過し、層雲別(今の層雲峡)の温泉に到着する。

 読んでいると、登山や山歩きというよりは探検という感じだが、読んでいるととてもわくわくして面白い。

 こういう人たちの貴重な報告の積み重ねがあって、今があるのだなあ、と思うと、歴史の大切さを感じてしまう。

 なお、本書の中にある「北海道の夏の山」という一文も同時代の十勝川上流の山歩きと川歩きの記録で、こちらにもアイヌの人々が登場し、なかなか感動的である。

 山好きの人に限らず、地理好き、歴史好き、民俗好きの人にも、とてもよい本だと思う。        (2022.11 記)

 

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沢木耕太郎『深夜特急5-トルコ・ギリシャ・地中海』1994・新潮文庫-ひとり旅を読む

2024年11月16日 | 随筆を読む

 2018年のブログです

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 またまた本棚の隅に懐かしい本を見つけました。 

 沢木耕太郎『深夜特急』。

 本の帯に、大沢たかおさん主演のテレビ版『深夜特急97』の宣伝文がありますので、読んだのは1997年のようです。

 ようです、というのは、例のごとく、ほとんど記憶がないわけなのです。

 それでも、1~4巻の部分はところどころ、かすかに記憶があったり、読んでみると思い出すところもあったりしたのですが、この5巻のトルコとギリシャのところは全くといっていいほど記憶がなく、まるで新刊本を読むような感じで読んでしまいました。

 1997年、じーじが40代前半の頃、たしかに体調が悪くて、やや人生の危機的状況ではあったのですが、こんなに記憶がなくなるものなのでしょうかね?

 そういえば、同じ頃に読んだ吉本ばななさんの『キッチン』もほとんど記憶が飛んでいましたので、この頃は本当に大変だったのかもしれません。

 さて、本書、沢木さんらしく、ユーモアとガッツでかなりタフな旅をを進めています。

 トルコについては、以前、村上春樹さんの『雨天炎天』を読んでいて、なんとなく怖い国というイメージがありました。

 もっとも、村上さんの場合はトルコの兵隊さんとのやりとりが多かったせいかもしれず、一方、沢木さんはトルコの普通の人々との交流が多く、人懐っこいトルコの人々の姿が描かれています。

 ものごとというのはやはり一方向から見るだけでは不十分なようで、全体像を把握するためには多方向から見てみることが大切なんだな、と改めて考えさせられます。

 トルコもギリシャも、現地の人々と沢木さんの交流は素敵なお話が多く、楽しく読めます。

 沢木さんの風景描写や美術の描写も本書の魅力のひとつで、その文章力にはほれぼれします。

 あっという間に読み終わってしまいました。

 いい読後感で、続きを読みたくなりましたし、さらには、4巻のシルクロード編もじっくりと読み直してみたくなりました。

 年末年始は沢木さんの『深夜特急』シリーズを読んで過ごすことになるかもしれません。       (2018. 11 記)

 

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司馬遼太郎『南蛮のみちⅡ-街道をゆく23』1988・朝日文芸文庫-「街道をゆく」を読む

2024年11月08日 | 随筆を読む

 2018年のブログです

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 司馬遼太郎さんの『南蛮のみちⅡ-街道をゆく23』(1988・朝日文芸文庫)を再読しました。

 司馬さんの本の感想文を書くのはたぶん初めて。

 実はじーじは大の司馬さんフアンで、「街道をゆく」の北海道編などはそれこそ何回読んだかわからないくらいなのですが、なぜか今までブログは書かずにきました。

 しかし、じーじは電車に乗る時や病院の待合室などでは、必ずと言っていいほど、司馬さんの本を読んでいます。

 面白いですし、かといって、人前でプッと笑ってしまうような危険(?)もなく、安心して読めて、見た目もちょっと賢そうに見えそうな(?)、安全な本ではないかと思います(一方、じーじの経験では、川上弘美さんや椎名誠さん、村上春樹さんの一部のエッセイなどはやや危険(?)です)。

 さて、本書、1983年に『週刊朝日』に連載されたもの。

 じーじはこの文庫本を1997年に購入して読んでいるようなのですが、それにしても今読んでも全く色褪せていません。

 ちなみに、じーじは1973年に大学に入学して、新聞配達のアルバイトをしながら大学に通っていたのですが、その頃、新聞販売店に置いてあった『週刊朝日』に連載されていた司馬さんの「街道をゆく」シリーズを読むのを毎週、楽しみにしていたことを思い出します。

 本書は「街道をゆく」シリーズでも数少ない海外取材編ですが、司馬さんの豊富な知識と旺盛な好奇心と多少のユーモアから、とても質の高い旅行記兼エッセイになっています。

 スペインとポルトガル、スペインの落日を考え、ポルトガルと日本の関係などを冷静に、かつ、公平に、考察しています。

 挿し絵を描いている画家の須田剋太さんとのやり取りも絶妙で楽しめます。

 ポルトガルの描写などを読んでいると、日本との類似性も強く感じられ、親近感も湧いてきます。

 じーじのようなじいじいでも、一度くらい行ってみたいな、と思えるような感じがします。

 今後も、司馬さんの「街道をゆく」シリーズを読みながら、日本と海外の上質な旅を追体験したいな、と思いました。      (2018. 11 記)
 
 

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加藤博二『森林官が語る山の不思議-飛騨の山小屋から』2017・河出書房新社-山の不思議な物語です

2024年11月05日 | 随筆を読む

 2017年のブログです

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 加藤博二さんの『森林官が語る山の不思議-飛騨の山小屋から』(2017・河出書房新社)を読みました。

 といっても、戦後まもなくに出された『飛騨の山小屋』(1948・真実新聞社)という本の再刊ですので、昔の雰囲気が漂います。

 加藤さんには他に、『深山の棲息者たち』(1937・日本公論社)や『密林の怪女』(1940・日本公論社)という本があるらしいですが、題名からして少し怪しげな雰囲気ですし、また、戦時中にこのような本を書くというのもすごい感じがします。

 そして、この本も不思議な本です。

 なんといえばいいのでしょうか、山に暮らす人々の素朴な生活、貧しいゆえの哀しい話、昔の差別による辛い話、そのような中での一服の清涼剤のような物語、などなど、一口では表わせない山の人々のさまざまな生活、お話が描かれます。

 けっして幸せとはいえないのですが、しかし、そこにはなぜか落ち着きがあります。

 現代は便利ですが、なにかもの足りない感じがして、人々はなんとなく不安げでいるという時代ですが、漱石さんがいうまでもなく、どこかが間違っている気もします。

 再び、戦争や支配、侵略などの大きな失敗をする前に、もっともっと、人やこころを大切にするすべを真剣に考えてもいいころなのかもしれません。

 そんなことを考えさせられる、不思議だけれども、いい本です。          (2017. 11 記)

 

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渡辺一枝『チベットを馬で行く』2003・文春文庫-シーナさんの奥さんが馬でゆっくり巡るチベット紀行です

2024年11月04日 | 随筆を読む

 2021年11月のブログです

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 渡辺一枝さんの『チベットを馬で行く』(2003・文春文庫)を久しぶりに読む。

 一枝さんは、ご存じのかたもいらっしゃるだろうが、シーナさんの奥さん。

 シーナさんが世界中をズンガズンガと歩くのと対照的に、一枝さんはチベットを集中的に旅する。

 子育てに一段落してからの一技さんの熱狂的なチベット訪問は、シーナさんのエッセイを読んでいてもよくわかる。

 そんな一技さんが半年をかけて広大なチベットをテント生活で旅した記録だ。

 荷物や食料を同行する1台のトラックにサポートしてもらうが、案内人と馬や徒歩でのキャンプ旅行である。

 すごい!の一言。

 本当に好きでないとできないことだ。

 わざわざ馬で旅行をすることについて一技さんは、車の移動では気がつかないチベットの自然や人々の生活を知りたいため、という。

 たしかにそうだな、と思う。

 速いだけだけではわからないこと、ゆっくりゆえにわかることが世の中にはたくさんある。

 そして、ゆっくりの旅の中で、人は内省的になる。

 一技さんも、娘さんや息子さん、そして、シーナさんのことを想い、さらには母親や父親のことを想う。

 忙しい現代に貴重な紀行である。       (2021. 11 記)

 

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野田知佑『北極海へ』1995・文春文庫-野田さんのカナダ・マッケンジー川のカヌー単独行です

2024年11月03日 | 随筆を読む

 2021年11月のブログです

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 野田知佑さんの『北極海へ』(1995・文春文庫)をかなり久しぶりに読む。

 野田さんはジーナさんや立松和平さんのカヌーの師匠。

 シーナさんや太田和彦さんらと一緒にあやしい探検隊の中年部である「いやはや隊」のメンバーとして、世界各地でカヌーに乗ったり、キャンプ生活を楽しむ。

 また、カヌー犬「ガク」を育ってたことでも有名。

 本書は、その野田さんが1985年夏に、カナダ北部のマッケンジー川をカヌーで単独行した71日間の記録。

 マッケンジー川はカナダ北部から北極海までを流れる全長4240キロの川で、その流域はインデアンやイヌイットがポツポツと住む地域。

 そのマッケンジー川をキャンプをしながらカヌーの単独行で下るという、旅行というよりは冒険だ。

 テントのそばにはクマをはじめとして、いろんな動物が顔を出す。

 野田さんは護身用にライフルを所持するが、不思議とクマは野田さんが怒鳴るだけで退散する。

 まるで、知床の大瀬初三郎さんみたいだ。

 そのおおらかさが本書の魅力だ。

 インデアンやイヌイットの問題も出てくるが、カナダの自然の大きさと厳しさを感じると、人間のちっぽけさも自覚させられる。

 いろいろと疲れた時に読むと、いい本だと思う。       (2021.11 記)

 

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さとうち藍・文/関戸勇・写真『じいちゃんの自然教室』「月刊たくさんのふしぎ」2002年8月号・福音館書店

2024年11月02日 | 随筆を読む

 2017年のブログです

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 精神科デイケアのコラージュ用の絵本の本棚を眺めていたら、背表紙に「じいちゃん」という五文字が見えて、思わず手にしてしました(最近、じいちゃん、とか、じーじ、とかいう言葉に出合うとすぐ反応してしまいます!)。

 福音館書店の幼児用の「月刊たくさんのふしぎ」という雑誌(うちの子どもたちの時は読んでいなかったような気がします)の2002年8月号の『じいちゃんの自然教室』という本。

 高知県の農家のおじいちゃんが孫たちに川の魚や山の食べ物などの自然の恵みをいろいろと教えるという内容です。

 フムフムと読んでいるうちに気づいたのですが、著者がなんと、さとうち藍さんの文章と関戸勇さんの写真という豪華な組み合わせでした。

 このお二人の本は、今年8月のブログでご紹介させていただきましたが、『アイヌ式エコロジー生活-治造エカシに学ぶ、自然の知恵』(2008・小学館)という本と『武市の夢の庭』(2007・小学館)という本の二冊を読んだことがあります。

 どちらもいい本で、写真もすばらしく、お薦めの本です。

 そのお二人が、2002年当時、福音館の雑誌で仕事をしていたことを知り、なんだかうれしくなりました。

 当時の幼稚園児や保育園児もそろそろおとなの世代。

 自然の中で遊んだり、自然を大切にするおとなになっているか、知りたいところです。

 この間、2011年にはご存知のように福島の原発事故があり、自然は人間が守らないと未来にきちんと残せないことも再認識させられました。

 いろいろなことを考えさせられる2002年の福音館「たくさんのふしぎ」シリーズの一冊です。       (2017. 10 記)

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 2018年12月の追記です

 先日、再読をした沢木耕太郎さんの『246』に、沢木さんが「たくさんのふしぎ」1987年5月号『ハチヤさんの旅』を書いた時の取材記が載っています。

 沢木さんの娘さんの大活躍(?)も含めて、とても面白いです。

 それにしても、「たくさんのふしぎ」はすごい執筆陣ですね。        (2018. 12 記)

 

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