ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談、研究しています

雄大ですばらしい津軽海峡春景色(?)-じーじの2019東北の旅・2

2024年04月30日 | ひとり旅で考える

 2019年のブログです

     *

 昨日、4月30日は津軽半島の北端、竜飛崎に行ってきました。

 ここも前から来てみたかったところ、本州から北海道を眺めてみました。

 すばらしいです。

 雄大な眺め。

 北海道の渡島半島や百名山の駒ヶ岳、そして、函館山まで見えます。

 日本海には渡島大島と渡島小島。

 いずれも無人島ですが、なかなか立派です。

 小樽行きのフェリーから見たことはありましたが、本州から見るのは初めて。

 なかなか興味深いです。

 いずれも意外と近く感じます。

 小心者のじーじでさえ、行ってみたいな、と思ってしまいますので、昔の勇敢な縄文人はきっと丸木船で渡ったのではないでしょうか。

 北海道の黒曜石が三内丸山遺跡から出てきますので、おそらくそういう縄文人がいたのでしょう。

 あるいは、北海道のアイヌの人たちもそうだったのでしょうか。夢は広がります。

 そういえば、三内丸山遺跡からは新潟のヒスイも出てきますので、昔の新潟である古志のくにとも行き来があったに違いありません。

 縄文時代にもじーじのような旅好き(?)の縄文人がいたのかもしれません。

 そんなことを夢想すると、楽しいひとときが過ごせます。

 たまに旅に出ると、そんな大きな気持ちになれるところがいいですね。

 じーじの旅はもう少し続きます。    (2019.5 記)

 

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桜満開の青森にやってきました-じーじの2019東北の旅・1

2024年04月29日 | ひとり旅で考える

 2019年のブログです

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 10連休ということで、ボランティアもお休みなので、じーじも貧乏旅に出ることにしました。

 目的地は青森の三内丸山遺跡。

 去年、司馬遼太郎さんの『北のまほろば』(街道をゆく)を読んで、一度行きたいと思い、今回、実現しました。

 4月27日に新潟を出発、その日は秋田の道の駅で車中泊、そして、28日の午後、三内丸山遺跡に着きました。

 すごかったです。 

 5000年前の縄文の人たちの遺跡。

 特に、大きくて高い物見やぐら(?)、すごいのひと言です。

 5000年前にあんな大きな建物を造るなんて、感動です。

 現代人にも負けていません。

 人の営みというものに感動をします。

 実際に見てみて、本当によかったと思いました。

 29日はこちらも念願の本州最北端の大間崎。

 本州から北海道を見てみたいと思い、行ってみたのですが、こちらもなかなかの眺め。

 北海道が大きく見えて、縄文人も渡ってみたくなっただろうな、と思いました。

 なんとなく、夢が大きくなるような不思議な感覚を味わえて、幸せなひとときでした。

 青森は今が桜の満開でとてもきれい。

 今年の春は桜の満開が2回も見れて、ラッキーです。

 長生きをすると、こういうこともあるのですね。

 今日30日は竜飛崎から北海道を眺めようと思っています。     (2019.4 記)

 

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うんどうかいがあるのですね。見にいきたいなあ-じいじからのおてがみ・セレクト

2024年04月28日 | じいじの手紙を書く

2022年4月、小6と小3の孫娘たちへのおてがみです

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さーちゃん・あーちゃん、メールとしゃしんをどうもありがとう。

ふたりともあいかわらずびじんちゃんですね。

こころがうつくしい人は、おかおもうつくしいらしいです。よしよし!

うんどうかいがあるのですね。

見にいきたいなあ。

100メートルと80メートルとリレーも走るのですね。すごいなあ!

このあいだ、こうえんであーちゃんとかけっこをしたら、あーちゃんがすごくはやくなっていて、びっくりしました。

さすがは3年生です。

こんどはさーちゃんともはしってみたいですね。

5月のれんきゅう、たのしみにしています。

にいがたのじいじより 

(2022.4 記)

 

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村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』2018・文春文庫

2024年04月27日 | 村上春樹さんを読む

 2018年のブログです

     *   

 村上春樹さんの『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』(2018・文春文庫)を読みました。

 2015年に単行本が出ていて、2回くらい読んでいたのですが、今回の文庫本には、その後にあった熊本地震の後に書かれた「熊本再訪」が収録されているとのことでしたので、さっそく買ってしまいました。

 やっぱりおもしろかったです。

 表題は、ラオスに行く途中に、飛行機の乗り継ぎで寄ったヴェトナムのハノイの人の言葉ですが、村上さんは、その何かを探すために旅をするのだと思う、と書いています。

 たしかに、団体旅行やパック旅行とは違って、自分の足で歩く旅というのは、そういうものかもしれません。

 今回の村上さんの旅は、ボストン、ニューヨーク、ギリシャ、イタリア、ラオス、アイスランド、フィンランド、熊本、などなど。

 アイスランドはじーじの大好きなシーナさんも訪れていて紀行文がありますが、なかなか興味深い国のようです。

 シーナさんも村上さんも、アイスランドの火山や生きもの、料理などをていねいに報告されていて、しかし、それぞれにお二人の人柄が出ている感じがあって、おもしろいです。

 特に、村上さんのパフィンの赤ちゃんのお話は、こころ温まるものでした。

 ギリシャとイタリアは、村上さんが昔、『ノルウェイの森』などを書いた思い出の地。

 当時、日本のバブル景気のバカ騒などから逃げて、静かな外国に出られた村上さんにとって、現在、現地の建物などは変わっても、人々の暮らしや人情などは、全然変わっていないことに安堵している姿が印象的です。

 ラオスでは、托鉢の僧侶と人々の姿を見て、「儀式の力」や「場の力」を考えます。

 また、ガムランの音楽を聴いて、「土着の底力」についても考えます。 

 いずれも、単なる理性だけでなく、無意識や宗教などについて深く考え、書いておられる村上さんならではの旅のように思われました。

 おもしろい旅の連続なのですが、そこには何か哀しみや慈しみが流れているような村上さんの旅行記は、読んでいてとても心地よいもので、読者もいい旅をしたような気分にさせられます。

 じーじも楽しく、そして、有意義な旅をさせていただいたように思います。    (2018.4 記)

     *

 2024年春の追記です

 追記が遅くなりましたが、シーナさんもラオスやベトナム、ミャンマーなどを旅しています。

 古き良き時代が残っていて、素敵な国々のようです。

 シーナさんものんびりといい旅をされています(今、ミャンマーは大変ですが、平和になることを祈っています)。    (2024.4 記)

 

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鳩沢佐美夫『コタンに死す-鳩沢佐美夫作品集』1973・新人物往来社-アイヌ民族からの叫びをきく

2024年04月26日 | 北海道を読む

 2020年4月のブログです

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 アイヌ民族の作家である鳩沢佐美夫さんの『コタンに死す-鳩沢佐美夫作品集』(1973・新人物往来社)を再読しました。

 この本は20年くらい前に帯広の古本屋さんで購入したもので、一度読んだきりだったのですが(鳩沢さん、ごめんなさい)、今回、すごく久しぶりに読みました。

 1973年、じーじが大学に入った年の本ですが、内容は全く古くありません。

 それどころか、アイヌの人々への差別問題だけでなく、最近、問題になった知的障碍者の避妊手術事件などがすでに描かれていて、作者の問題意識の深さにびっくりさせられます。

 短編集ですが、じーじは作者の自伝的な小説である二つの小説が印象に残りました。

 一つはおばあちゃんとの思い出話を描いたもの。

 おばあちゃんのアイヌ民族の知恵がたくさん描かれていて、美しい小説です。

 もう一つは、戦時下での小学生の姿を描いた小説。

 アイヌ民族ゆえにだんだんと差別をされる主人公の憤りと哀しみが描かれます。

 哀しいことですが、この現実を忘れてはならないと強く思います。

 これを読んでじーじは、小学生の頃に、貧乏な子や頭の悪い子をみんなと一緒になって馬鹿にしていた自分を思い出し、申し訳なさと自分への怒りでこころがいっぱいになりました。

 鳩沢さんの文章はとても美しい日本語です。

 日本語教育を受けたのだから当然かもしれませんが、下手な日本人の作家さんより美しいです。ましてや、今の若い作家よりはずっとうまいです。

 アイヌ民族の人たちとのことだけでなく、じーじたち自らの内にあるすべての差別意識についても、深く考えていきたいと思いました。    (2020.4 記)

 

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あーちゃん、さくぶんがじょうずになりましたね!-じいじからのおてがみ・セレクト

2024年04月25日 | じいじの手紙を書く

 2022年4月、小6と小3の孫娘へのお手紙です

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 さーちゃん・あーちゃん、げんきですか。

 じいじはげんきです。

 ばあばはすごくげんきです。

 あーちゃんのアルバム、まいにちみています。

 あーちゃん、さくぶんがじょうずになりましたね。

 マラソンたいかいのさくぶん、とてもいいですね。

 あーちゃんが、はしりながらおもったことやかんがえたことが、すなおにかかれていて、とてもすてきです。

 よんでいるじいじまでげんきになります。

 1ねんせいのときに、ママとえにっきをがんばったおかげかな?

 こんどまた、あたらしいさくぶんをかいたら、よませてください。たのしみにしています。

 そして、さーちゃんのさくぶんもぜひよんでみたいです。

 にいがたのじいじより     

 (2022.4 記)

 

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坂本直行『山・原野・牧場-ある牧場の生活』1975・茗溪堂-直行さんの素敵な画文集です

2024年04月24日 | 北海道を読む

 2020年3月のブログです

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 先日、坂本直行さんの息子さんの坂本嵩さんの『開拓一家と動物たち』を読みましたので、こんどは直行さんご自身の『山・原野・牧場-ある牧場の生活』(1975・茗溪堂)を久しぶりに読みました。

 直行さんは何度もご紹介していますが、六花亭の包装紙の花の絵を描かれたかた。

 この本にもいくつかのきれいな草花の絵が描かれています。

 もっとも、直行さんが有名なのは花の絵だけではなく、山の絵もすばらしく、日高の山や利尻、大雪など数多くの山の絵を描かれていて、じーじの部屋にも直行さんの山の絵や花の絵が孫娘たちの絵と並んで(直行さん、ごめんなさい)、たくさん飾ってあります。

 本書は昭和初期に北海道の南十勝で開拓に従事した独身時代の直行さんと仲間の生活が描かれていますが、希望に燃えた若者の頑張りが読んでいて楽しいです。

 厳しい自然の中で、決して楽な開拓生活ではないのですが、青年らしい楽観的な生活が心地いいです。

 直行さんは北大の山岳部出身ですから、暇さえあれば山に行き、また、開拓地から見た美しい日高の山々の絵を描かれていて、本書は花の絵と山の絵、そして、開拓生活の絵が満載、カラーの絵もあって、直行さんファンにはまるで宝箱のような本です。

 本を読んでいると、また南十勝の農村や海岸を訪ねてみたくなります。

 今年の夏は、ぜひ南十勝の自然の中で、のんびりしたいな、と思いました。    (2020.3 記)

 

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坂本嵩『開拓一家と動物たち-北の大地に素手で立ち向かった開拓家族の生活誌』1996・朝文社-直行さん一家の開拓話

2024年04月23日 | 北海道を読む

 2020年3月のブログです

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 坂本嵩さんの『開拓一家と動物たち-北の大地に素手で立ち向かった開拓家族の生活誌』(1996・朝文社)を再読しました。

 坂本嵩さんは六花亭の包装紙の草花の絵で有名な坂本直行さんの二男さん。

 その6人兄妹の二男坊の目から見た直行さん一家の北海道十勝での開拓生活がとても魅力的に描かれます。

 魅力的といっても開拓地のこと、その生活はいろいろと我慢と苦労の多いものですが、一方で、大自然の中での素敵な生活でもあります。

 馬や牛、羊、豚、鶏などとの生活、じゃがいもやとうもろこし、ビートなどの畑作、そして、熊の恐怖。

 今から70年から80年前の十勝です。

 当然、電気もない生活。

 しかし、一家は厳しい自然の中で協力をして、開拓の生活を進めます。

 そして、豊かな自然の中で子どもたちは伸び伸びと育ちます。

 嵩少年は料理がうまかったことから、一家の料理当番をすることが多かったようで、当時の開拓地での、質素だけれども、今から見るととても豪華な数々の料理が紹介されます。

 鮭や鱒、じゃがいもやとうもろこし、そして、牛乳などで作るシチューや石狩鍋などの料理。

 栄養満点で、おいしそうです。

 その開拓地も今は大規模農家に統合されて、昔の面影はないとのこと。

 自然豊かな開拓地がなくなってしまったのは残念なことです。

 今年の夏は久しぶりに十勝の開拓地跡を訪ねてみたくなりました。    (2020.3  記)

 

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朝ドラ「虎に翼」を観て-じーじのじいじ日記(2024.4.22)

2024年04月22日 | じいじ日記を書く

 2024年4月22日の日記です

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 朝ドラ「虎に翼」を観る。

 じーじは朝ドラはあまり観ないほうだが、今回は裁判所が舞台なので、観ている。

 主人公の寅子さんが元気いっぱいでいい。

 寅子さんのモデルは三淵嘉子さん。

 女性初の弁護士で、後に裁判官になり、さらには、女性初の裁判所長になったという方だ。

 じつは、じーじが50年くらい前に浦和の家庭裁判所(今のさいたま家裁ですね)に採用になった時の所長さんが三淵さん。

 びっくり、ぽん!だ(古いなあ)。

 三淵さんから採用辞令をいただいたはずなのだが、全然記憶がない(三淵さん、ごめんなさい)。

 じーじが緊張していて、記憶がないのかもしれない(じーじにもそういう時代があったんだなあー)。

 当時は、そんなにすごい経歴の方とはまったく知らずに、おばさんの裁判官が所長さんなんだ、と思っていた(三淵さん、再びごめんなさい)。

 三淵さんとはあまりお話をする機会はなかったが(なにせ所長さんですからね)、一回だけ、仕事をご一緒させていただいたことがあった。

 窃盗(たぶん)をして鑑別所に収容された少年の審判事件。

 当時、新米調査官補だったじーじが、少年自身や保護者から話を聞いて書いた拙い報告書をもとに、三淵さんが審判をされた。

 豊かな経験を活かされての、テンポのいい、厳しくも、優しい審判だったことを覚えている。

 少年が鑑別所に収容されて反省が深まっていたこともあって、少年院送致にはならずに、保護観察という在宅処遇となり、じーじもほっとした。

 少年非行はなかなか難しい問題で、単なる同情や叱責では解決できず、専門的な訓練が必要だが、裁判官もたいへんだと思う。

 三淵さんの経験はすばらしいものがあるし、じーじももう少しだけがんばりたい。

 毎朝のドラマから元気をいただいて、いい一日を過ごしたいと思う。    (2024.4 記)

 

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辻仁成『函館物語』1998・集英社文庫-辻仁成さんの青春時代の函館と今の函館を歩く

2024年04月21日 | 北海道を読む

 2021年2月のブログです

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 辻仁成さんの『函館物語』(1998・集英社文庫)をすごく久しぶりに読みました。

 20年ぶりくらいでしょうか。

 本棚の上のほうに重ねてあったのですが、偶然、目にとまりました。

 おもしろかったです。

 2日間で一気に読んでしまいました。

 辻さんは青春時代の4年間を函館で過ごされたそうですが、その思い出の地を散策する旅行記です。

 じつは、じーじは函館の生まれ。

 母の実家が函館にあって、そこで生まれました。

 1年ほどで旭川に引っ越したので、育った記憶はないのですが、時々、函館のじーじとばーばのところに遊びに行ったので、函館の記憶は少しだけあります。

 親戚がお寿司屋さんをやっていたので、遊びに行くと、お寿司をお腹いっぱい食べさせてもらった楽しい記憶があります。

 さて、本書、辻さんの青春時代の函館と今の(といっても、1996年当時の)函館を旅します。

 いい町ですね、函館は。

 素敵なお店や素敵な建物、素敵な風景が目白押しです。

 それらが辻さんの青春時代の思い出とあいまって、ノスタルジックな印象を残します。

 歴史のある町ですが、少しの寂寥感があるような感じもします。

 それらも含めて、いい町なのではないでしょうか。

 今年の夏は久しぶりに函館にも足をのばしたいなと思いました。    (2021.2 記)

 

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宮下奈都『羊と鋼の森』2018・文春文庫-調律師の青年のこころと魂の成長を描く

2024年04月20日 | 北海道を読む

 2018年のブログです

     *

 宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(2018・文春文庫)を読みました。

 2016年の本屋大賞受賞作で、読むのを楽しみにしていましたが、ようやく文庫本で出ましたので、さっそく読みました。

 期待にたがわず、とてもいい小説です。

 17歳の秋、たまたますばらしい調律師と出会い、その感動のあまり、自分もそんな存在になりたいと調律師になった青年のこころと魂の成長をていねいに描いた小説です。

 あこがれの調律師だけでなく、職場の先輩調律師や女性事務員さんも、それぞれがひとくせもふたくせもありながら、主人公の純粋さと真剣に向き合ってくれます。

 主人公は、ひとことでいうと、ねくらで奥手な青年。

 北海道の山奥で育った田舎者の青年で、不安や焦りや少しの希望で胸がはち切れそうな状態。

 そんなナイーブな青年が少しずつ周囲に助けられて成長していきます。

 じーじが一番好きだった場面は、主人公のおばあちゃんが亡くなったお葬式の場面。

 大学生となって家を離れた弟が悲しみと不安に耐え切れずに森で泣き出すと、主人公も初めて大声でこころから悲しみの感情を爆発させます。

 哀しい時にこころから泣けてよかったな、とつくづく思います。

 そんなふうな、若者や人びとの人生や生き様に大切なことがらがぽつりぽつりとちりばめられていて、まるでこころの宝石箱のような小説です。

 けっして明るいだけの小説ではないですが、読む価値はあります。

 読んで考える価値もありそうです。

 いい小説に出会えたことに感謝します。    (2018.2 記) 

     *  

 同日の追記です

 2018年2月20日の「ケサランパサラン読書記-私の本棚-」さんのブログでも本書が取り上げられていて、いい文章です。ぜひご一読を。

     *

 2018年9月の追記です

 この小説は今年夏に映画が公開されましたが、撮影地が東川町など大雪山周辺で、地元ではおおいに盛り上がっていました。

 映像がとても美しいようで、ぜひ一度、観てみたいと思っています。    (2018.9 記)

 

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村上春樹『街とその不確かな壁』2023・新潮社-喪失・疎外・魂

2024年04月19日 | 村上春樹さんを読む

 2023年4月のブログです

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 村上春樹さんの『街とその不確かな壁』(2023・新潮社)を読む。

 重厚な物語だと思う。

 まだ一回読んだだけなので、今後、印象は変わるかもしれないが、一回読んだところで連想したことは、喪失、疎外、魂、という言葉。

 激しい喪失が何度も描かれる。

 読んでいても胸が痛くなるようないくつかの喪失。

 そして、喪失による哀しみ。

 人生は喪失と哀しみの繰り返しなんだなあ、と思う。

 次に、疎外。

 現実社会でも、壁の「街」でも、人々は疎外されている。

 疎外されて、生き生きと生きられず、なかば死んだように生きる。

 何かを恐れるように、生きる。

 個性は潰され、人々は平板な人生を生きる。

 そこに魂はない。

 一方、信ずることの大切さが述べられる。

 何を信ずるかにもよるのだろうが、信ずることと魂の復権は関係するのかもしれない。

 重厚で重層な物語が進行する。

 続きは各人のこころの中で進めていくのだろうと思う。     (2023.4 記)

     *

 同日の追記です

 哀しみを十分に哀しまないと、明るくても虚ろな生きかたになる(精神分析では、躁的防衛という)。

 虚ろいには影がない。

 影がなければ、魂は十全にはならないのかもしれない。

 

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西園昌久『精神療法の現場から-実践力動的精神療法-西園精神療法ゼミナール3』2011・中山書店

2024年04月18日 | 精神療法に学ぶ

 2019年5月のブログです

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 精神科医で精神分析家の西園昌久さんの『精神療法の現場から-実践力動的精神療法-西園精神療法ゼミナール3』(2011・中山書店)を読みました。

 おもしろかったです。

 先日、同じ西園さんの『精神療法入門-西園精神療法ゼミナール1』(2010、中山書店)を久しぶりに再読して、勉強になるところが多かったので、同じシリーズの本書を買って読みました。

 この本も比較的小さな本なのですが、症例がいっぱいで、勉強になります。

 西園さんのていねいで、親切で、的を得た精神療法の実際が読めて、すごいです。

 例によって、特に印象に残ったことを一つ、二つ。

 まずは、このところずっと書いているような気がしますが、今、ここでの体験によって、過去の記憶が書き換えられるということ。

 治療者と患者さんの今、ここでの関係で、過去の記憶が書き換えられる、ということで、心理療法の意味が強調されます。

 そして、そのために治療者に求められることは、耐えること、生き残ること、などになります(ちなみに、親も子どもとの関係で同じようなことが必要で、耐えられないで、子どもの攻撃に報復をすると虐待になってしまいます)。

 さらに、ここで重要になるのが、ユーモアや遊び。

 遊ぶことは生きることと同じで、親も子どもにとっても大切なことになります。

 二つめは、投影同一化という難しい概念。

 自分の中の悪や不安を認められないとそれを周囲に投影して、自分が攻撃されると錯覚してしまいます。

 また、そういう人たちが集まると、一人の人をスケープゴートにして排除することで、なんとか不安を減少させようとします。

 現代のいじめや戦争に通じようなお話でもあります。

 三つめが、うつと対象喪失の問題。

 うつの人はやはり対象喪失が大きなテーマであり、この視点をそらさずに見ていくことの重要性が指摘されます。

 他にも、大切なことが目白押し。

 さらに勉強をしていこうと思いました。        (2019.5 記)

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 2020年12月の追記です

 投影同一化という概念、とても難しいですが、大切だと思います。

 自分の中の不安や攻撃性を認められないと、それを周囲に投影して、被害的になってしまう、そういう人は多いようです。

 周囲を攻撃する前に、自分のこころの中の見たくない部分を直視することが大切になってくるようです。        (2020. 12 記)

    *

 2022年春の追記です

 今のロシアの政権を見ていると、投影同一化という概念がわかるような気がします。

 自らの内にある攻撃性や不安を自覚できずに、それを周囲の国々に投影してしまい、被害的になって、自分の国を守るためには周囲を攻撃しても当然だ、という考えに陥ってしまっている、と理解することが可能ではないかと思います。

 まずは自らの中にうごめいている攻撃性や不安を認めることが、平和へのためには重要になりそうです。          (2022.5 記)

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ  

    1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する  

    2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了 

    2017年、臨床心理士になる

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

 mail  yuwa0421family@gmail.com    

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椎名誠『おなかがすいた ハラペコだ。』(2019・集英社文庫)-シーナさん・たき火・ハラペコ

2024年04月18日 | 随筆を読む

 2019年のブログです

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 シーナさんの椎名誠『おなかがすいた ハラペコだ。』(2019・集英社文庫)を読む。

 シーナさんの久しぶりの文庫本新刊、すごくおもしろい。

 本書は雑誌「女性のひろば」に連載をされたエッセイで、食についての文章が並ぶ。

 世界中を旅行して、いろいろな食べ物を食べてきているシーナさんだけに、その文章はすごい。

 シーナさんは辺境の旅が多いので、そこでの食べ物も決して高価なものではないが、新鮮、素朴で、うなずけるものがたくさん出てくる。

 一方で、子どもたちが独立し、愛妻との二人の食事や、その愛妻も旅に出て、一人っきりでの食事も描かれる。

 ここではシーナさんはシーナじいじいになってしまうが(じーじと同じだ)、これはこれで楽しそうだ。

 総じて、シーナさんの場合、高価なものに背中を向け、身近なものの良さを再発見して、伝えてくれるが、こういうところにじーじは共感できる。

 こころの豊かさとは、こういうところにもあるということを、声高でなく、朴訥に語ってくれるいい本だ。    (2019.4 記)

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 2023年春の追記です

 その後、コロナの流行があり、さすがのシーナさんもコロナに罹り、ダウンをするが、それを本にしてしまうところがシーナさんらしい。

 ちなみに、じーじはまだコロナに罹っていない(と思う。検査をまったく受けたことがないのでわからないが…)。

 じーじはコロナの予防接種を受けていない。さらには、なんと、インフルエンザの予防接種も受けたことがない(たんに注射がきらいなだけだけど…)。

 こんなことを書いたとたんにコロナやインフルエンザに罹ることはよくあることなので、あまり書かないが、罹ったらゆっくり休めばいいと思っている。

 こういうじーじのところにはコロナも寄ってこないのかもしれない(そういえば、きれいな女子も寄ってこないなーあ、困ったもんだ)。    (2023.4 記)

 

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チューリップを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもカラフル明るくなります

2024年04月18日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや里山カウンセリング,海岸カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市で時々やっています。

 また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助もたまにやっています。

 公園カウンセリングや里山カウンセリング,海岸カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回,50分,3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間・間隔は,公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回,50分,3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回,60分,6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時にやっています(すみません、年寄りなもので、夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 駅の近くに部屋を借りるなどして,本格的にカウンセリングルームを運営するような臨床心理士さんとは違って、じーじは貧乏なので,近くの公園や広場,河川敷,海岸,里山などの自然の中やさらには,ご自宅や近くの児童公園,屋内施設,遊戯施設などでカウンセリングをしています。 

 子どもさんや赤ちゃんを遊ばせながら、ちょっとだけ悩みごとを聞いてもらえればいいんですー、というお母さんや悩み多き若者(?)などがじーじのクライエントさんには多いです(じいじいやばあばあのみなさんもお断りはしませんが(?)、尊敬すべき先輩たちのみなさんですから、できるだけご自分で解決しましょうね)。

 そういうことですので、お気軽にご利用ください。

 どちらかというと,こころのストレッチ(!)をするような感じではないかな、と思ったりしています。

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 チューリップを眺めながらの公園カウンセリングは、こころもカラフル明るくなりますよ。

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ  

    1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する  

    2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了 

    2017年、臨床心理士になる

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区

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