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松木邦裕『精神科臨床での日常的冒険-限られた風景の中で』2001・金剛出版

2024年10月09日 | 精神科臨床に学ぶ

 たぶん2015年ころのブログです

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 精神科医で精神分析家の松木邦裕さんの『精神科臨床での日常的冒険-限られた風景の中で』(2001・金剛出版)を久しぶりに再読しました。

 何回目になるでしょうか。

 読みやすい本なので、家裁調査官の頃から精神科臨床のことを勉強するために読ませてもらっている本です。

 本は付箋でいっぱいですが、今回も勉強になったところが多くありました。

 一つめは、臨床家が生き残ることについて。

 松木さんは、とにかく、なんでも、持ちこたえなさい、といいます。

 まずはそれが大切なことのようです。

 二つめは、患者さんをおとな扱いすることの大切さ。

 さんづけで、患者さんの調子が悪い時でも、患者さんのおとなの部分と会話をすることの重要性を説きます。

 三つめは、患者さんも精神科臨床も10年以上のスパンで見ていくことの大切さ。

 ともすると、目の前のできごとに一喜一憂してしまいますが、患者さんも臨床も10年単位で見ていく大切さを述べています。

 その他にも、学ぶところが多くあって、やはりいい本です。

 読みやすい本ですが、中身は深く、経験を積めば積むほど、勉強になることが増えてくる本だと思います。

 さらに謙虚に経験を積み、学びを深めていきたいなと思いました。       (2015?記)

     *

 2022年5月の追記です

 10年以上のスパンで見ていくことの大切さ、ということは重要だと思います。

 統合失調症の患者さんに限らず、たとえば、パーソナリティ障害の患者さんなどもその治療は時間が必要なことが多いです。

 難しいことだとは思いますが、焦らないことが大切です。

 かりに一時的に症状が悪化しても、落胆する必要はありません。

 そして、症状が軽くなれば、その後は、治療とともに社会生活の中での成長が大切になると思います。       (2022.5 記)

 


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