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サリヴァン(中井久夫ほか訳)『精神医学的面接』1986・みすず書房-妄想・仮説・要約

2024年06月13日 | 精神科臨床に学ぶ

 2019年のブログです

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 アメリカの精神科医サリヴァンさんの『精神医学的面接』(中井久夫ほか訳・1986・みすず書房)を再読しました。

 すごく久しぶりで、たぶんようやく2回目くらいの再読です(サリヴァンさん、ごめんなさい)。

 結構厚い本で、真面目な勉強が大の苦手なじーじとしては、なんとなく再読が遅くなってしまいました。

 面接について、たまにはじっくりと勉強をしてみようと思って再読をしたのですが、まったくの偶然ですが、タイムリーなことに、精神科デイケアで妄想について考える必要があって、結果的にとても勉強になりました(こういうことがたまにあるので、読書はやめられません)。

 例によって、今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、複数の仮説について。

 以前にもどこかで出てきましたが、仮説を多く持つことの大切さです。

 おそらく視野が広く、深くなるのだと思います。

 反対に、一つの仮説では信仰になってしまう、とサリヴァンさんは警告します。

 二つめは、面接の要約の大切さ。

 これは下坂幸三さんも強調されていますが、面接の内容を再確認することで、クライエントさんの発言を客観化されることになり、さらに面接が深めるきっかけになるようです。

 三つめは、妄想への対応。

 サリヴァンさんは、妄想に暗黙の承認も否定もしないことが大切、と述べます。

 中井久夫さんは、加えて、ちょっと不思議がるのがいい、といわれます。

 いずれもなかなか難しいことですが、大切な実践であり、今後、経験を重ねていきたいと思います。     (2019.7 記)

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 2023年春の追記です

 一つの仮説では信仰になってしまう、というサリヴァンさんの言葉はいいですね。

 


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