ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が公園カウンセリングやメールカウンセリングなどをやっています

初雪を眺めながらの公園カウンセリングは、こころも真っ白すがすがしくなります

2024年11月30日 | カウンセリングをする

 こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で,じーじ臨床心理士が公園カウンセリングや海岸カウンセリング,里山カウンセリングと訪問カウンセリングを新潟市と北海道東川町(夏期)でたまにやっています。

 また,メールカウンセリングや面会交流の相談・援助も時々やっています。

 公園カウンセリングは,屋外で行なう個人カウンセリングや親子・夫婦の家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,お近くの公園や自然の中で,ゆっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間は1回50分3,000円で,隔週1回,あるいは,月1回などで行ないます。

 訪問カウンセリングは,屋内で行なう個人カウンセリングや家族カウンセリング,子どもさんの遊戯療法などで,ご自宅やお近くの屋内施設で,じっくりとご自分やご家族のことなどを考えてみます。

 料金・時間などは公園カウンセリングと同じです。

 メールカウンセリングは,メールによるカウンセリングや心理相談で,2週間に1往信で行ない,1往信700円です。

 面会交流の相談・援助は,相談はご自宅などで行ない,1回50分3,000円,援助はお近くの公園や遊戯施設,あるいはご自宅などで行ない,1回60分6,000円です。

 カウンセリング,相談・援助とも土日祝日をのぞく平日の午前10時~午後3時に行なっています(すみません,年寄りなもので,夕方や週末のお仕事が難しくなってきました)。

 じーじのカウンセリングは,赤ちゃんや子どもさんがご一緒でもだいじょうぶなカウンセリングですので,お気軽にご利用ください。

 そういう意味では,深くはないけれども,現実の生活を大切にしたカウンセリングになるのではないかと考えています。

 料金は,低めに設定させていただいていますが,月収15万円未満のかたや特別なご事情のあるかたは,さらに相談をさせていただきますので,ご遠慮なくお問い合せください。

 ちなみに,消費税には反対なのと,計算がややこしいので,いただきません。

 お問い合わせ,ご予約は,メール yuwa0421family@gmail.com までご連絡ください。

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 すみません

 ブログあてに個人的なご質問をいただいたのですが、機械音痴のじーじには個人情報を秘匿しての返信の仕方がわかっていません。

 申し訳ないのですが、メール  yuwa0421family@gmail.com  のほうにお名前と返信先のメールアドレスをご連絡していただければ、個人情報を秘匿した形で、ご返事ができると思います。

 お手数をお掛けいたしますが、どうぞよろしくお願いします。

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 2024年11月30日の追記です

 最近、じーじの体力不足で、フォローさせていただいているかたがたのブログをじっくりと読めないことが多くなってきました。

 ブログの内容がどうのこうのということではなく、単にじーじの最近の体力不足で、長めのブログや写真の多いブログは、最後まで読み切れないことが多く、それではかえって失礼かと思い、申し訳ないのですが、一部の方々のブログの読者登録から外れることにしました。

 今後、体力増強に努め(?)、再びじーじの体力が回復して、長めのブログでも最後まで読んで、いいね、をつけたり、役に立った、などと、リアクションができるような状態になったあかつきには、またよろしくお願いしたいと思っております。

 もし、ご不快なご気分にさせてしまったようなことがありましたら、じーじの不徳のいたすところです。すみません。

 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 

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 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 1954年、北海道生まれ  

 1977年、家庭裁判所調査官として司法臨床に従事  

 2014年、放送大学大学院(臨床心理学プログラム)修了  

 2017年、臨床心理士

 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の相談・援助などを研究

 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006、『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011、『遊戯療法学研究』)ほか 

 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 連絡先 メール  yuwa0421family@gmail.com    

 

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じーじの孫娘たちはシルバニアが大好き!-遊ぶことのちから

2024年11月30日 | 遊ぶことのちからを考える

 2018年のブログです

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 週末、孫娘たちが遊びに来てくれました。

 上の孫娘の誕生日が11月、下の孫娘が12月で、しかし、下の孫娘はおそらく12月までは待てないので、一緒に誕生日プレゼントをあげることにしました。

 上の孫娘が8歳、下の孫娘が5歳になります。

 案の定、孫娘たちが到着をするやいなや、下の孫娘が、開口一番、誕生日プレゼントは?と元気いっぱいです。

 じーじが苦笑しながら、それぞれに誕生日プレゼントの袋を渡すと、大騒ぎとなりました。

 上の孫娘にはシルバニアのキッチンコンロセット(?)、下の孫娘にはシルバニアのオープンキッチンセット(?)です。(?)が付いているのは、じーじにはよくわからないからです。

 二人とも、最近はリカちゃんやメルちゃんで遊ぶことが多いので、かなり迷ったのですが、たまにシルバニアで遊んでいることもあり、今年が最後かなと思いながら、シルバニアにしました。

 すると、下の孫娘のキッチンには、たまごや牛乳、小麦粉などのおもちゃも入っていて、最近、新潟のばーばとスープなどを作っている二人は、大張り切り。

 さっそく、二人で一緒にホットケーキづくりを始めます。

 二人は下の孫娘のキッチンのホットプレートでケーキを焼いた後、さらに上の孫娘のキッチンに付いているオーブンで仕上げをする(?)という念の入れよう。

 とてもおいしそうなケーキが焼きあがりました。

 下の孫娘はもうすっかり料理名人気取りです。

 上の孫娘もお母さんのシルバニアを持って、うまくリードをしています。

 女の子は小さくても、料理が大好きなんだな、と改めて感心をしました。

 シルバニアでままごと遊びをする中で、いろいろなことを経験していくのだろうと思います。

 二人とも今年はまだまだシルバニアで楽しく遊べるようで、じーじもよかった、よかった、とひと安心の週末でした。      (2018.12 記)

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 2020年5月の追記です

 よく考えると、シルバニアファミリーはちょっと箱庭療法のお人形さんたちに似ていますね。

 見ているだけで、なんだか楽しくなってきます。

 孫娘たちはいつも空想の物語の中に自然と入っているようで、とても楽しそうです。        (2020.5 記)

 

 

  

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木田元・計見一雄『精神の哲学・肉体の哲学-形而上学的思考から自然的思考へ』2010・講談社

2024年11月29日 | 随筆を読む

 2015年のブログです

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 じーじが大好きで尊敬をしている哲学者・木田元さんの対談本『精神の哲学・肉体の哲学-形而上学的思考から自然的思考へ』(2010・講談社)』を読みました。

 木田さんはハイデガーさんを研究しながら,その著『存在と時間』の未完さを指摘し,従来のいわゆる西洋哲学全般の限界にも論及をして,「反哲学」を唱えた人。

 ギリシャ哲学からデカルトさんに至る西洋哲学をもっと広い視野から捉えなおした哲学者といえると思います。

 そして,本書でも紹介をしているニーチェさんやメルロ・ポンティさんなどの西洋哲学を超えようとした哲学者の考えを「肉体」の哲学として捉え,本書の中で紹介し,その本質に迫っていると思います(これで間違っていないと思うのですが…)。

 これは従来の心身二元論の限界から新しい総体的,総合的な一元論への見直しということになるのかもしれません(何を根源とするのかは議論がありそうですが…)。

 とにかく,これまでの哲学をいくつもの新しい視点から捉えなおしていて,とても知的刺激にあふれた内容になっています。

 また,対談者の計見さんも精神医学の立場から鋭い視点を提供していて,小気味よい本です。

 とはいえ,素人哲学ファンの悲しさ,読み込み不足は明らかで,これからも何回も読み込んで,考え,勉強をしていく必要がありそうです。       (2015.5 記)

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 2021年2月の追記です

 ここのところ、木田さんの哲学の本が気になっていて、年末からずっと読んできました。

 1冊くらいは感想文を書きたいと思っていたのですが、やはり理解不足らしく、なかなか書けずに本書にいたりました。

 6年ぶりの再読です。

 本書も、前のブログに書いた概要を超える感想は書けませんが、やはり大切なことが述べられているらしいということはわかる気がします。

 木田さんは、ご存じのかたもいらっしゃるかもしれませんが、海軍兵学校の時に間近で原子爆弾を体験、その後、「闇屋」になりそこねて(?)、ハイデガーさんを読みたくて東北大哲学科に入ったというかた。

 その経歴と同様、気さくで率直なかたで、専門書はともかく、エッセーなどは気軽に楽しく読めます。

 いずれご紹介できればな、と思っていますが、もう少し学びを深める必要がありそうです。         (2021.2 記)

 

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池永陽『コンビニ・ララバイ』2005・集英社文庫-「赦し」と「救い」を問う

2024年11月29日 | 小説を読む

 2018年のブログです

     *

 池永陽さんの『コンビニ・ララバイ』(2005・集英社文庫)を読みました。

 いい小説です。

 おとなの小説です。

 実は読んでいる途中で、前に一度読んだことがあるような気がしてきて、既視感も確かに感じたりもしたのですが、しかし、あいかわらず記憶があいまいで(!)、もっとも、このすばらしいラストは本当に新鮮に読めましたので、やはり初めてなのかな、と思ったりしました。

 まあ、大切なことは、1回目か、2回目か、という事実はどうであれ(?)、いずれにせよ、今の64歳のじーじにとって、初めての(あるいは、初めてと同様の)いい小説に出会てよかった、ということが真実だということでいいのではないか、と思っていますが、どうなのでしょうか。

 事実と真実の問題というのは臨床心理学的にも大きな問題だと思うのですが、これを機にじーじもこの問題にチャレンジしていこう(?)と思っています。

 さて、例によって、あらすじはあえて書きません。

 池永ワールドを堪能したい人は本書を購入して、じっくり味わってくださいね。

 ただし、性的な場面も少し出てきますので(なんせ、おとなの小説ですからしかたありません)、20歳未満の人は遠慮してもらったほうがいいかもしれません。 

 さらには、内容や伝えたいことがらがおとなの世界のことなので、精神年齢が20歳、あるいは、30歳、ひょっとすると、40歳以上でないと、しっかりとは理解できない小説かもしれません。

 個人的には、主人公が亡くなった奥さんの言葉に救われる場面がいいなあと思ったのですが、人が精神的に救われるということも臨床心理学的に、さらには、宗教的にも、相当に大きな、難しい問題だろうと思います。

 このあたりは、50歳、60歳になっても、理解できたとはいえませんし、永遠の課題なのでしょう。

 池永ワールドに浸りながら、ゆるりゆるりと考えたいと思います。

 なお、北上次郎さんの解説によれば、本書は「本の雑誌」が選ぶ2002年上半期ベスト1に選ばれたということで、本当に秀作だと思います。        (2018.11 記)

     *

 2024年11月の追記です

 6年前の文章です。

 若気の至りで、なんか挑戦的な雰囲気が漂っていて(?)、今、読んでいて、少し恥ずかしくなりました。

 問題意識は今も変わりません。

 回答は当然、出ていません。

 わからないことに耐えることが大切ですからね(?)。

 わからないことに耐えることは長生きの秘訣かもしれません。        (2024.11 記)

 

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クリストファー・ボラス(館直彦訳)『終わりのない質問-臨床における無意識の作業』2011・誠信書房-自由連想の大切さを学ぶ

2024年11月28日 | 精神分析に学ぶ

 2012年のブログです

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 精神分析家クリストファー・ボラスさんの『終わりのない質問-臨床における無意識の作業』(館直彦訳・2011・誠信書房)を読みました。

 精神分析の初心者のじーじにとってはなかなか難しい本でしたが、著者が精神分析において解釈よりも自由連想を大切にしたいという思いは(それで間違っていないと思っているのですが…)、ひしひしと伝わってきました。

 これはひよっとすると全く的外れの感想かもしれませんが、じーじなりには、最近の精神分析が解釈よりも「もの想い」を大切にしていることとどこかでつながるのではないかなとも思いました(当たっているといいのですが…)。

 とはいえ、まだまだ理解できていない面も多いと思います。

 二度 三度と読み込んでいきたい本だと思いました。       (2012 記)

     * 

 2018年の追記です

 久しぶりに再読をしました。

 なんと6年ぶりです。

 しかし、やっぱりなかなか難しい本だと思いました。

 このような本は、臨床経験をていねいに重ねながら、何度も読み込んでいく必要があるようです。

 それでも、今回、気がついたことを一つだけあげると、自由連想は解釈と一体である、ということでしょうか。

 よい解釈、よい理解をするためには、フロイトさんがいったように無意識に開かれていなければならず、そのために自由連想やもの想いが大切になってくるのだろうということ。

 つまり、クライエントさんにより添いながらも、クライエントさんの論理、物語に流されずに、無意識に耳を傾けることが大切になるようです。

 ボラスさんは、ジャズの即興性との類似を指摘されていますが、確かにそんな感じがします。

 ケース検討などでも、つい、論理的な解釈に走りがちですが、無意識を大切にして、じっくりとそこにとどまり、わからないことに気づくことが大事になるのではないかなと思いました。

 さらに学んでいきたいと思います。       (2018 記)

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 2020年5月の追記です  

 今、ボラスさんの『対象の影-対象関係論の最前線』(館直彦監訳・2009・岩崎学術出版社)を再読しています。

 この本もなかなか刺激的で、いい本です。       (2020.5 記)

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 2023年3月の追記です

 今ごろ気づきましたが、ここでも、わからないことに耐えること、がテーマの一つになっているようです。        (2023.3 記)

 

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美人姉妹の孫娘たちが,わたしも,わたしも,と大騒ぎになるシルバニアの魅力-遊ぶことのちから

2024年11月28日 | 遊ぶことのちからを考える

 最近、孫娘たちはリカちゃんやメルちゃんで遊ぶことが増えてきました。

 しかし、シルバニアの人気も健在です。

 2015年、上の孫娘が5歳、下の孫娘が2歳の時の誕生日プレゼントをめぐる光景をブログに書いていましたので、再録します。 (2017.10 記)

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 孫娘たちが遊びに来ましたので,少し早めでしたが,誕生日プレゼントを渡しました。

 上の孫娘にはシルバニアの給食セット,下の孫娘にはシルバニアの赤ちゃんセット。

 二人とも大喜びの大興奮ですが,下の孫娘はまだまだシルバニアより風船やお絵かきに夢中なようで,すぐにそちらのほうに興味しんしん。

 しかし,上の孫娘は給食セットに集中しています。

 そばにいたママに声をかけて,給食セットだけでなく,赤ちゃんセットにも取り組んでいます。

 じーじも遊びたいのですが,そんな余地はなさそう。

 少しさびしいですが,まずはママとじっくり楽しんでもらいましょう。

 給食セットは四つの机と椅子,そこにお皿やコップなどを並べて遊びます。

 赤ちゃんセットはすべり台と赤ちゃん用のテーブル,乳母車のセットです。

 ママと上の孫娘が楽しそうに遊んでいると,下の孫娘も,わたしも,わたしも,と割り込んできて,大騒ぎとなります。

 いつもと変わらない,賑やかで,楽しい光景が展開します。

 シルバニアの力は本当にすごいなあと思います。       (2015.11 記)

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 2017年10月の追記です

 お人形さんといえば、先日、「四季折々のお花達」さんのブログで紹介をされていたメルちゃんの手縫いの洋服がとってもかわいいので、孫娘たちが来たときに写真を見せたところ、かわいい!と大騒ぎ、女の子は小さくても女の子なんだな、と改めて感心をしました。      (2017.10 記)

 

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中井久夫『「つながり」の精神病理』2011・ちくま学芸文庫-ていねいな精神科治療のお手本に学ぶ

2024年11月27日 | 精神科臨床に学ぶ

 たぶん2016年ころのブログです

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 精神科医の中井久夫さんの『「つながり」の精神病理』(2011・ちくま学芸文庫)を再読しました。

 単行本の『個人とその家族』(1991・岩崎学術出版社)の時も含めるとたぶん5~6回目だと思いますが、もの忘れのせいか(?)、今回も全く新鮮な気持ち(!)で読めました。

 読んでいると、ところどころにアンダーラインや付箋の個所に出会うのですが、ほとんど内容を記憶していません。

 全く新しい本を読んでいるようで、なにか得をした気分のようでしたが、しかし、よく考えると、うれしいような、かなしいような、複雑な気分でした。

 そんな中で、今回、一番のインパクトがあったところ、それは精神病者の人格についての考察の文章でした。

 このところ、同じようなことを考えていたので(でも、ひょっとすると、以前、中井さんの本で読んだ内容が、今ごろ私の中で熟してきただけなのかもしれません)、とても参考になりました。

 例えば、多重人格の人は人格の分裂が過激、とか、境界例の人は人格の統合性が不十分、などと述べられ、一方、健康な人は人格が柔軟に分裂しているのではないか、と述べられています。

 そして、統合失調症の人は(昔は精神分裂病といわれましたが)、人格が分裂しているのではなく、適度な分裂ができずに、かえって解体の危機に直面をしているのではないか、という仮説を述べておられます。

 まさに卓見だと思います。

 中井さんが述べておられるように、精神的に健康な人とは、人格を状況に応じて柔軟に分裂できる人、人格の分裂に耐えられる人なのではないか、と思います。

 今後もさらに深く勉強を続けていきたいと思います。       (2016?記)

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 2021年1月の追記です

 人格の分裂、というとちょっと過激な印象を受けますが、たとえば、人はたまに子どもっぽくならないと、こころのバランスが悪くなるのではないかと思うのです。

 子どもっぽくなって、甘えて、自由奔放になることで、こころの健康を保つようなところがありそうです。

 遊びが大切なことをウィニコットさんが述べましたが、遊びがないと創造性もなくなって、生き生きとしたところがなくなります。

 たまに子どもっぽくなることはこころにとても大切なことのように思われます。       (2021.1 記)

 

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高橋三千綱『九月の空』1978・河出書房新社-剣道に生きる高校男子を爽やかに描く

2024年11月27日 | 小説を読む

 2024年11月のブログです

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 高橋三千綱さんの『九月の空』(1978・河出書房新社)を読む。

 上の孫娘が中学校の部活で剣道をやっていて、何か参考になる小説はないかな?と考えていると、高橋さんの『九月の空』を思い出した。

 確か、高校男子が主人公の小説だったな、中学女子の孫娘にお薦めしても大丈夫かな?とチェックをしながら(?)読む。

 高校の剣道部で、ひたすら練習に励む主人公を描いていて、爽やかでいい小説だ。

 ただ、高校男子が主人公だけに、当然(?)、性のテーマも出てくる。

 それほど過激な描写はないが、やはり中学女子には少し早いか?と過保護なじーじ(?)はやや心配になり、お薦めは高校進学後にしようと決断する(?)。

 それにしても、おとなが読むには、とても素敵で爽やかな小説だ。

 高校男子の迷いや戸惑いなどがとてもよく描けていると思う。

 こんな時代があったよな、とおくてだった(?)じーじでも思う。

 男女交際の場面など、とても初々しくて、よい。

 さすが芥川賞受賞作品だ。

 孫娘が高校に入ったら、それとなくその辺に置いておいて、読んでもらえたらいいなあ、と思ったりしているじーじである。      (2024.11 記)

 

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パパがお泊りでも、大切なお仕事だから、けっしてさみしくはないリカちゃんファミリー-遊ぶことのちから

2024年11月26日 | 遊ぶことのちからを考える

 2015年、上の孫娘が4歳、下の孫娘が1歳の時のブログです

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 上の孫娘が誕生日のプレゼントにリカちゃん人形をいただいて、先日、我が家にも持ってきてくれて、じーじにも見せてくれました(下の孫娘はお昼寝中)。

 見せてくれたのは、リカちゃんとリカちゃんの妹とリカちゃんのママの3人。

 リカちゃんのパパは、孫娘たちの住む町のおもちゃ屋さんにはなかったようで、まだいません。

 上の孫娘は少しだけさみしそうに、「リカちゃんのパパはまだいないの」といいます。

 じーじが「リカちゃんのパパはお仕事でお泊りかな?」と話すと、上の孫娘はぱっと笑顔になって「そうか、お泊りだね」と明るい顔でいいます(じつは、孫娘たちのお父さんは、月に1回、宿直勤務があって、お泊りのお仕事をしています)。

 このように、子どもと遊ぶ時に、即興性と遊び心はとても大切だと思います。

 子どもが安心できるような物語をいかに提示できるかが子育てでは重要になりますし、同じことは遊戯療法や家族療法でも大切になります。

 ウィニコットさんのいう遊びと創造性の世界です。

 そういえば、最近のテレビコマーシャルで、子どもがいたずらをした時に、お母さんがそれをさらに大きな遊びに変えるというすてきなコマーシャルがあります。

 お母さんのゆとりと遊び心がうまく現わされていて、とってもいいコマーシャルだと思います。

 孫娘たちはシルバニアファミリーやリカちゃん人形で楽しく、自由に、存分に遊ぶことで、着実に成長しているようです。

 しかもそのスピードは驚異的です。

 じーじも置いていかれないように毎日が勉強です。       (2015 記)

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 2024年11月の追記です

 この時、父親の不在=お泊りの仕事、と結びついたのは、じーじも裁判所で月に1~2回の宿直勤務があって、子どもたちが小さい頃、晩ご飯を一緒に食べれなかったり、朝、保育園に送っていけなかったりした経験があったからだと、今では思います。

 じーじが思うほど、子どもたちは寂しがっていなかったようですが(?)、じーじには少し辛い日々でした。

 裁判所では、警察からの逮捕状の請求に備えて宿直勤務がありますが、小さい子どもたちにその仕事の内容を説明するのはなかなか難しいことです。

 しかし、人権を守るための大切なお仕事なので、今でも裁判所ではリカちゃんのパパたちが(?)、宿直勤務に頑張っています。

 ちなみに、孫娘たちのパパは病院勤務で、今でも、毎月、宿直勤務があるようです。        (2024.11 記)

 

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藤山直樹ほか監修『事例で学ぶアセスメントとマネジメント-こころを考える臨床実践』2014・岩崎学術出版社

2024年11月26日 | 藤山直樹さんを読む

 2015年のブログです

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 精神分析家の藤山直樹さんらが監修をされた『事例で学ぶアセスメントとマネジメント-こころを考える臨床実践』(2014・岩崎学術出版社)を再読しました。

 やはり勉強になる本です。 

 精神分析的心理療法の初学者がベテラン2名にスーパーヴィジョンを受ける形式ですが,分析的な理解がとてもわかりやすく書かれています。

 同じ現象をベテランはこんなに深く広く捉えられるんだと感動さえさせられます。

 毎年参加させてもらっている精神分析学会で,同じ資料から先生がたは本当に多様で幅広く,そして深い理解を示されて唖然とすることが多いのですが,その一端がこの本でも体験できると思います。

 もっともっと勉強をして,患者さんに役立つ理解を適切な形でうまく伝えられるようになりたいなと思いました。       (2015.5 記)

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 2020年3月の追記です

 久しぶりに読み返しました。やはり勉強になるいい本です。今回、印象に残ったことを一つ、二つ。

 一つめは、カウンセリングをしましょう、という時の、カウンセリング、という言葉の意味が、カウンセラーとクライエントさんの間で違っている場合があるので要注意ということ。

 これは、カウンセリングという言葉だけでなく、他の言葉、例えば、幸せ、とか、口うるさい、とか、厳しい、とかいった場合でも同様で、具体的に、細やかに、クライエントさんに話してもらい、理解をしていく必要があります。

 二つめは、困っている相談主体をはっきりさせること。 

 困っている人と問題行動を起こしている人が違っている場合がありますので、大切な点です。

 三つめは、クライエントさんを頑張りさせすぎないこと。

 無理は続きませんし、かえってクライエントさんを傷つける場合があります。

 背伸びをしたり、カウンセラーに気に入られようとして無理をしているような時には、クライエントさんの気持ちは尊重しつつ、無理をしようとしているクライエントさんの心理も検討をして、現実吟味をしっかりとしていくことが大切になるようです。

 まだまだ勉強しなければならないことがたくさんあって、さらに読みを深めていきたいと思いました。        (2020.3 記)

     *

 2023年秋の追記です

 同じ言葉でも、人によって意味するところが違うということは、家庭裁判所の仕事でもずいぶん経験しました。

 妻のいう「暴力」と夫のいう「暴力」、子どものいう「自由」と親のいう「自由」の違い。

 聴いてみると、中身がずいぶん違ったりします。

 それですれ違いになっている例が多くありました。

 このすれ違いを理解する方法を下坂幸三さんがわかりやすく教えてくださっています。

「なぞる」という方法で、各人の言葉に込められた細かいニュアンスを拾っていきます。

 ていないな臨床家は、おそらく、みなさん、同じような作業をされているのでしょう。

 もっともっと学んでいこうと思います。        (2023.9 記)

 

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下坂幸三『心理療法のひろがり』2007・金剛出版-ていねいな心理面接に学ぶ

2024年11月25日 | 心理療法に学ぶ

 2011年のブログです

     *   

 このところ、何だか自分の面接がやや雑になっていたような気がして、精神科医で家族療法家の下坂幸三さんの『精神療法の条件』(1988・金剛出版)や『心理療法の常識』(1998・金剛出版)、『フロイト再読』(2007・金剛出版)、『心理療法のひろがり』(2007・金剛出版)、そして、成田善弘さんの『新訂増補精神療法の第一歩』(2007・金剛出版)などを再読しました。

 少し修正ができたような感じがしています。

 やはり時々、振り返りが必要なようです。

 特に、下坂さんの「家族面接」の技法は参考になります。

 じーじも同席面接をする時には、下坂さんの技法を真似て実践をしているのですが、まだまだ上手にはできません。

 しかし、時々、手ごたえのある面接ができることもあるような気がしています。

 もっともっと面接の質を上げていきたいなと思っています。        (2011記)

     *   

 2019年2月の追記です

 ひさしぶりに下坂さんの『心理療法のひろがり』を再読をしました。 

 この間、1回くらいは読んでいるような気もしますが、例によって(?)記憶がはっきりしません。付箋は3種類くらいが貼られているのですが…。

 なお、上記の本のうち『フロイト再読』も再読をして、その感想は先日、ブログに書きましたので、よかったら読んでみてください(理論、言葉、心的現実などについて書きました)。

 今回、印象に残ったことを二つ、三つ。

 一つめは、どこかにも書きましたが、「なぞる」ことの大切さ。

 クライエントや家族の言うことを繰り返し、あるいは、要約をして返して、確認をすることの重要性です。

 じーじはこれがおろそかになりやすく、面接が上滑りしやすいなあ、と改めて反省をしました。

 二つめは、やはり言葉にこだわること。

 その人が使っている言葉の意味するところを徹底的に明らかにすることが心理療法に繋がると説きます。

 三つめが、少しの改善の積み重ねということ。

 心理療法では、ホームランを狙わずに、ヒットを繋げていくことが大切なようで、じーじはここでイチロー選手を思い浮かべました。

 いずれも、最近、じーじの面接で少し努力が不十分になっていたように思いましたので、さらに研鑽を深めていきたいと思いました。         (2019.2 記)

     *

 2022年2月の追記です

 今考えると、クライエントさんが話されることを「なぞる」ことがうまくいく時には、クライエントさんが使っている「言葉」に込められている意味が次第にわかってくることと重なっているような気がします。          (2022.2 記)

 

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村上春樹『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』1999・平凡社-村上夫妻のアイラ島・アイルランドのウィスキー紀行です

2024年11月25日 | 村上春樹さんを読む

 2024年11月のブログです

     *

 村上春樹さんの『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(1999・平凡社)を再読する。

 1999年の本なので、25年ぶり。

 この本は、じーじの部屋の本の山の一番下にあって、背表紙が見えてはいたが、なかなか読めずにいた本。

 読むとなると、本の山を崩さなければならず、躊躇して、日が過ぎていた。

 ところが、今年の能登半島地震で本の山が崩れ、なんとか救出できそうな状況が見えてきたので、このたび勇気をふるって(?)、救出作戦を敢行、ようやく読むことができた。

 これが期待どおりにとてもいい本。

 写真担当が村上陽子さん。そう、村上さんの奥さん!

 村上さんが奥さんと一緒に、ウィスキーの本場であるスコットランドのアイラ島とアイルランドを旅した紀行文だ。

 夫婦で本を作るなんて、すごい。

 二人で印税を稼ぐなんて、うらやましい(?)。

 冗談はともかく、村上さんが各地でウィスキーを楽しむ様子がとてもいい。

 アイラ島で牡蛎にウィスキーを垂らして食する場面などは、贅沢の極みだ。

 奥さんの写真も温かで、素敵。

 特に、羊さんへの愛情(?)がすごくうかがえて、楽しい。

 ということで、とても楽しくて、優しくて、いい本だ。

 本の山から苦労をして救出をした甲斐があった。

 明日からは、また本を積み直す作業が待っているじーじである。        (2024.11 記)

 

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河合隼雄『私が語り伝えたかったこと』2014・河出書房新社-河合隼雄さんの「熱い」思いに学ぶ

2024年11月24日 | 河合隼雄さんを読む

 2014年のブログです

     *

 河合隼雄さんの最新刊『私が語り伝えたかったこと』(2014・河出書房新社)を読みました。

 河合さんの晩年のインタビューや講演,論文などを集めた一冊です。

 一言で感想を述べると,「熱い」です。

 静かに,穏やかに,また,いつものようにユーモラスに語っていらっしゃいますが,中身はとても「熱い」です。

 その「熱さ」は熱いことで有名な山中康裕さんよりも「熱い」かもしれません(山中さん,すみません)。

 もっとも,河合さんは若い時から熱かったと思います。

 それでないとあんなに臨床心理学に命を懸けられないと思います。

 河合さんはそれで命を縮められたような気もしています。

 しかし,男の生き方としては最高なのかもかもしれないとも思います(勝手なことを言って,河合さん,すみません)。

 河合さんの渾身の語りを受けて,じーじも力不足な一年寄りながら,心して生きていきたいなと改めて思いました。      (2014.4 記)

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 2024年11月の追記です

 日本の臨床心理士の制度は河合さん抜きには語れないでしょう。

 スクールカウンセラーの制度もそうですね。

 その後、公認心理師の制度も政府主導で発足しましたが、独立性と質の高さの担保という観点からみると、臨床心理士にはかなわないでしょう。

 河合さんの貢献にはすごいものがあると思います。        (2024.11 記)

 

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大沢たかお『深夜特急』’96熱風アジア編・’97西へ!ユーラシア編・’98飛光よ!ヨーロッパ編

2024年11月24日 | 随筆を読む

 2022年11月のブログです

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 大沢たかおさんが主演をした『深夜特急』(1996~1998)をかなり久しぶりに観る。

 20数年ぶりだ。

 大沢さんがとても若くて、はつらつとしている(当然かもしれないが…)。

 きっかけは、先日、沢木耕太郎さんの『深夜特急』の感想文を再掲した時にいただいたある方からのコメント。

「ブログを読んで、大沢たかおさんの『深夜特急』の動画を観てみたらとても面白くて、本も読んでみたくなりました」とあった。

 なるほど、そういう観方もあるんだ、と目からうろこで、さっそく観てみたら、懐かしさもあって、不覚にも(?)はまってしまった。

 例によって、なんとなく雰囲気だけは、おぼろげながらところどころ記憶があったが、ストーリーや映像はまったく覚えておらず、新鮮に(?)楽しんでしまった。

 とてもいい映像で、今観ても色あせない素敵な番組ではないかと思う。

 大沢さんの魅力が全開ですごくいい。

 旅のエピソードも、なかなか素敵で、大部分は原作にもあったかどうか記憶が定かでなかったが(主人公が風邪でダウンした時のフランス女性とのエピソードだけはなぜか(?)しっかりと覚えていた)、楽しかった。

 改めて、原作と映像は別物だと思ったし、それぞれの良さが感じられて、面白かった。

 じーじの場合、映像を観てから原作を読んでもあまり失望をすることはないが、原作を読んでから映像を観るとどうも不満を感じることが多いが、良い作品はやはり両立するものらしい。

 昔の映像の楽しみ方を教えていただいたので、記憶に残っているドラマやドキュメンタリーを少しずつ楽しんでいきたいなあと思う。     (2022.11 記)

 

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統合失調症のひろば編集部編『こころの科学・中井久夫の臨床作法』2015・日本評論社

2024年11月23日 | 中井久夫さんを読む

 2016年のブログです

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 なぜか読みそびれていた雑誌「こころの科学」の特集号『中井久夫の臨床作法』を読みました。

 精神科デイケアでボランティアをしながら読んでいたのですが、久しぶりに、雑誌を読みながら、笑いそうになったり、涙ぐみそうになったりして、困りました。

 いい本です。

 それほど厚い雑誌ではないですし、値段もそれほど高くはないですが(ちなみに値段は1,800円です)、中身がすごいです。

 中井さんと一緒に仕事をしていた精神科医のみなさん(それぞれのかたがたが今では一流の先生たちです)が中井さんを囲んで行なった座談会と、中井さんの仕事ぶりをよく知る臨床家の先生がたの思い出話、それと中井さんの主要論文の三本立てですが、いずれも読みごたえがあります。

 特に、じーじは、村瀬嘉代子さんと青木省三さんの思い出話を読んだ時には涙が出そうになりました。

 座談会でも貴重なお話がたくさん出てきて、ひとつひとつが勉強になります。

 一貫しているのは、中井さんの、患者さんの側に立つ、患者さんを尊敬する、という姿勢。

 すごいです。

 本当の意味で(同じ人間どうしとして)患者さんと対等なんだなと思います。

 じーじも精神科デイケアではメンバーさんのすごさや純粋さを実感する毎日ですが、さらに、みなさんといっしょに深く学び、経験を積み重ねたいと思います。             (2016 記)

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 2024年11月の追記です

 中井さんは、『ハムレット』の、世の中には人間の力ではわからないものがある、という言葉を引いて、わからないことに耐えることの大切さを述べます。

 人間の限界と、それに耐えて考え続けることや生き続けることの大切さを教えられています。

 そして、その上で、祈ることの大切さにも触れます。

 すごい人だな、と本当に思います。        (2024.11 記)

 

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