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十字路


僕がサスペンスを好きでいるのは
子供の頃に愛読していたポプラ社の少年探偵団シリーズの影響だと思う。
舞台は洋館、地下室、蔵..それだけでも子供がドキドキする場所だった。
怪人二十面相シリーズの中で「死の十字路」という作品があった。
特に記憶に残っているのは、シリーズでありながら異質な作品だったから..。
なんだかリアルで、子供心に江戸川乱歩らしくないと感じていた。
のちに江戸川乱歩賞選考委員「渡辺剣次」の未発表作品を
スランプに苦労していた乱歩がリメイクしたのだと知った..
少年探偵団シリーズが好きだったのに、一番好きな作品が
乱歩オリジナルではないこの作品だったことに、複雑な気持ちになった。

「死の十字路」は子供用に書き直した作品
オリジナルのタイトルは「十字路」
伊勢商事社長の伊勢省吾は宗教信者の妻を嫌い若い女秘書を愛していた。
ある日..彼女のアパートに二人でいる所に刃物で押しかけた妻を
省吾は絞殺してしまった。(浜村淳風)
妻の死体をどうするか..悩んでいた省吾にある思いがひらめいた。
春美とドライブした藤瀬ダムの古井戸に捨てよう..。
もうすぐあの村は湖水に沈む..
水入れ直前のダムの底に死体を隠す..
そうだ..あの古い井戸に彼女を捨てよう..。(浜村淳風)
もう子供の小説ではないでしょ?

藤瀬へ向かう省吾は新宿ガード下の十字路で突然の事故に会う。
いつの間にか車内にはもう1つの死体が..
その夜、神宮外苑の十字路で二つの運命が交錯するぅ...(浜村淳風)


★★★







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