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ビットコイン10万ドル「国策に売りなし」 投機に懸念も

2024-12-06 10:51:11 | 世界経済と金融


ビットコイン価格は8月の安値から2倍になった=ロイター

 

【ニューヨーク=斉藤雄太】

代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコイン価格が初めて10万ドル(約1500万円)の大台に乗せた。

米国の2024年初めの上場投資信託(ETF)解禁で投資家の裾野が広がったところにトランプ次期米大統領の業界振興策への期待が重なり、マネー流入に弾みがついた。

 

急ピッチの上昇による過熱感を伴いつつ、「国策に売りなし」とばかりに投資家の熱狂が続いている。

 

 

「10万ドルは始まりにすぎない」。米東部時間4日夜にビットコイン価格が節目を突破した後、仮想通貨交換大手ジェミニの共同創業者、タイラー・ウィンクルボス氏はX(旧ツイッター)にこう書き込んだ。

同氏は今回の大統領選でトランプ氏支持を表明し、ビットコインによる献金も公表した。「仮想通貨に宣戦布告をしてきた」という現在のバイデン政権の業界締め付けに反発し、次期政権での仮想通貨政策の大転換を期待する一人だ。

 

 

ビットコイン価格はここ2週間ほど10万ドルを目前にして一進一退を続けてきた。

突破口になったのは4日午後、トランプ氏が米証券取引委員会(SEC)の次期委員長に仮想通貨推進派のポール・アトキンス氏を起用するとした人事案だ。政策転換の本気度を感じ取った投資家の買いが再び勢いづき、大台超えとなった。

 

 

「冬の時代」からの復活

仮想通貨情報サイトのコインデスクによると、ビットコイン価格は5日午前に一時10万3000ドル台を付けた。

8月上旬には米景気不安で世界の金融市場が動揺した余波を受けて5万ドルを割り込んでいたが、4カ月間で2倍に跳ね上がった。大統領選後の1カ月だけでみても5割高だ。

 

情報サイトのコインマーケットキャップによると、ビットコインの時価総額は2兆ドルを超え、仮想通貨全体の55%を占める。

国家が発行・管理する法定通貨と異なり、ビットコインは世界中の利用者がデータを共有管理する「無国籍通貨」として09年ごろに登場した。

 

ただ投資先として普及したここ数年の価格変動をみると、現実には米国の経済政策や規制動向に大きな影響を受けてきた。

 

ビットコインが最初の大規模な投資ブームを迎えたのは21年前後だ。

新型コロナウイルス禍に対応した米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和とバイデン政権の積極財政がカネ余りを生み、コロナ禍で行動を制限された個人の「巣ごもり投資」が盛り上がった。

ビットコイン価格は21年3月までの半年間で5倍の6万ドルに急騰した。

 

その後に仮想通貨市場は「冬の時代」と呼ばれる低迷期に入った。

FRBは22年春以降、インフレ退治の急速利上げと国債保有などを減らし市中の余剰マネーを回収する量的引き締め(QT)に動いた。

同年11月には顧客資金の流用といった不正が発覚した仮想通貨交換大手FTXが破綻。SECはバイデン政権の指名したゲンスラー委員長のもとで業界の取り締まりを強化した。

 

 

ETF経由でマネー流入

24年に再びビットコインにマネーが向かうようになった転機は大きく2つある。

1つは米市場でのビットコインETFの上場だ。SECは実現に慎重だったが、運用会社との訴訟で敗訴したことを受け、1月に解禁に踏み切った。

 

ブラックロックといった運用大手がETFを相次ぎ投入し、個人がより手軽にビットコインに投資できるようになった。

デジタル資産運用の英コインシェアーズによると、24年はビットコインで運用するファンドへの資金流入額が累計でおよそ340億ドルに達した。

 


トランプ氏は7月の業界イベントでSEC委員長の解任を宣言した(ナッシュビル)=AP

 

もう1つがトランプ氏の後押しだ。

仮想通貨業界からの献金や支持を期待した同氏は選挙戦で「米国をビットコインの超大国にする」と訴え、業界に有利な規制の整備やマイニング(採掘)産業の振興、国家的な備蓄といった具体策を披露した。業界に厳しいゲンスラー氏をSEC委員長から解任するとも宣言した。

 

11月の選挙で大統領職と米議会の上下両院を共和党が押さえる「トリプルレッド」が決まり、トランプ氏の掲げた政策の実現期待が高まった。

ゲンスラー氏はトランプ氏が大統領に返り咲く25年1月20日付で退任すると表明。アトキンス氏への委員長交代が実現すれば、仮想通貨への締め付け姿勢は大きく変わることになる。

 

 

レバレッジ投資の逆回転にリスク

仮想通貨の投資家が総じて強気に傾くなか、過熱ぶりを警戒する声もある。

「仮想通貨コミュニティーにはレバレッジ(負債によるテコ)がかかっており、(相場の)調整が起きるだろう」。仮想通貨取引や関連サービスを手がける米ギャラクシー・デジタル・ホールディングスのマイク・ノボグラッツ最高経営責任者(CEO)は11月、米CNBCで語った。

 

ビットコイン投資のカリスマとされるマイケル・セイラー会長が率いる米ソフトウエア開発会社マイクロストラテジーは、新株予約権付社債(転換社債)の発行で調達した資金をビットコインの買い増しに充てている。

同社は11月17日時点で約330億ドル相当のビットコインを保有する。

 

セイラー氏のような熱心な信奉者は数年から数十年単位でビットコイン価格がさらに桁違いの上昇を演じると予想し、「安い」うちに保有を増やそうと積極的に動く。

こうした大口の買いがビットコイン価格を押し上げているが、相場が反転した際には財務の悪化で借り入れの返済を迫られ、マネーが逆回転するリスクも高まっている。

 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

田中道昭のアバター
田中道昭
立教大学ビジネススクール 教授

ひとこと解説

ビットコインが10万ドルを超える新たな局面に突入した背景には、トランプ氏の暗号資産業界支援策と、イーロン・マスク氏のテクノロジー推進姿勢が強い影響を及ぼしている。

SEC委員長にも推進派が起用される。トランプ氏の政策は、規制緩和やマイニング産業振興を軸に市場の期待を高めており、過熱状況を作り出している。

一方、マスク氏が市場の信頼を支えているが、両者の政策が過剰な期待を招くリスクも否定できない。

過熱感の中でのレバレッジ投資増加は、政策失敗や市場環境の変化で一気に反転する可能性をもつ。

特にトランプ政権下で金利上昇や経済不安等が新たに発生した場合、暗号資産市場は急激な調整を迫られるリスクを抱えている。

 (更新)
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日経記事2024.12.06より引用
 
 

 


ビットコイン10万ドル超え 米トランプ次期政権の光と影

2024-12-05 15:31:14 | 世界経済と金融


ビットコインの価格が初めて10万ドルを突破した(ロイター)

 

【NQNシンガポール=秋山文人】

暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が史上初めて10万ドルを突破した。昨年末から2.5倍になり、世界中のあらゆる資産のなかでも高いパフォーマンスを示している。

米トランプ次期政権の「親仮想通貨」政策への期待が相場を押し上げているが、米財政への不信感も根底にある。

 

とりわけトランプ氏が11月の米大統領選で勝利してからの上昇が目覚ましく、約1カ月間の上昇率はおよそ50%に達する。

いかにトランプ新政権の発足がビットコイン投資家にとって「待たれていたイベント」だったかが分かる。

 

米新政権のもとで仮想通貨の市場が成長する――。そんな期待がビットコイン上昇をあおるが、なぜここまで上昇を導いているのかについては背景を理解する必要がある。

2022年に相次いで発生した仮想通貨を巡る企業破綻などで、米政治や社会は仮想通貨に規制色を濃くしてきた。

 

その間、日本を含むアジア各国・地域や新興国では、仮想通貨の技術であるブロックチェーン(分散型台帳)を使ったビジネスが加速していた。

米国をよそ目に政府が支援する格好で新しいインターネット「ウェブ3」ビジネスが拡大。とりわけ法定通貨と連動する「ステーブルコイン」は送金手段として一段と世界でユースケースが広がっていった。

 

米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は米仮想通貨産業の停滞の象徴とみなされていた。交代人事は仮想通貨政策の転換を意味するとともに、米国が仮想通貨市場で再び中心的な存在になるのを目指すという「宣言」でもある。

力を持つ米企業が米当局の後押しのもとで復権し、ウェブ3の世界的な競争が激化、その先に仮想通貨市場の発展が促される――。そんな思惑がビットコイン高の「通奏低音」としてある。

 

トランプ氏の勝利をきっかけにしたビットコイン高の背景の一端はここにある。だが、別の理由もあるのではないか。注目すべきはトランプ新政権の「負の側面」だ。

 

 

それは米国の膨張する政府債務だ。米連邦債務は24年9月末で35兆4640億ドル(約5300兆円)に達する。

この10年間で倍増しているのだ。新型コロナウイルスの感染対策に伴う財政出動を加味しても急拡大している。

 

積極的な財政出動を志向する次期政権のもとで一段と政府債務が膨らむのではないか。そんな思惑が市場で広がっている。

米財政の悪化が止まらないのであれば、米ドルの信認に響くことになる。ドル建て資産から離れたいという投資家がビットコインをはじめとする仮想通貨に手を伸ばしている可能性がある。

 

ビットコインの現物上場投資信託(ETF)という、仮想通貨になじみのなかった投資家でもアクセスしやすい手段が登場したことで、その流れが加速したとも取れる。

「米政府債務が膨大しており、富裕層の投資家の守りの姿勢は強い」。シンガポールの運用会社は指摘する。地政学リスクなどが広がるなかで安全資産へのこだわりは残るが、果たして資金を置いておく先がドルなのか。そんな疑念がビットコイン高をもたらしているのかもしれない。

 

ビットコイン高は、トランプ次期政権が新しい技術の発展という光を映す半面、影の側面も市場に示している。

 

 

 


 
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SBI、サウジで初の日本株投信 中東の個人マネー呼ぶ

2024-12-05 13:02:28 | 世界経済と金融


SBIはサウジ最大のETF運用会社アルビラド・キャピタルとETFや投信の組成・販売で合意した

 

SBIホールディングスはサウジアラビア最大の上場投資信託(ETF)運用会社のアルビラド・キャピタルと投資信託の相互提供で基本合意した。

SBIは子会社を通じて2025年度前半にサウジ国内で初の日本株ファンドをつくる。中東の個人マネーを国内に呼び込む。

 

運用子会社のSBIアセットマネジメントはサウジでつくる日本株投信としてゲーム・エンタメ関連株に特化したものを検討している。

任天堂カプコンなど、サウジの政府系ファンドであるパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が投資する銘柄も含める予定だ。

 

ほかにもオフィスや住宅などで運用する不動産投資信託(REIT)、グロース株ファンド、指数連動型ファンドといった投信も候補になっている。環境が整ったものから投入する方向だ。

指数連動型ファンドはETFとしてサウジ証券取引所に上場させる方針だ。現状ではサウジに日本株投信はないという。

 

一方でSBIアセットは10月にサウジの株式市場に投資するETFを東京証券取引所に上場させ、日本の個人投資家がサウジ株に直接アクセスできる仕組みを整えた。

アルビラドが運用するサウジの株や債券、REITの投信、ETFも日本で販売する。25年度内に1000億円の残高を目指し、主にSBI証券やSBI新生銀行、住信SBIネット銀行で日本の個人、機関投資家に販売する。

 

アルビラドはサウジ大手銀行の傘下にあり、08年に設立された。足元の運用残高は73億ドルある。サウジには11本のETFがあるが、同社が過半の6本を運用している。

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サウジによる海外への投資余力はなお大きい。投資省によると海外直接投資は24年に300億ドルと、過去3年間で3倍に増え、30年には1040億ドルに達すると見込む。

日本の金融界は潤沢な投資マネーを抱えるサウジとの関係強化に動いている

 

みずほフィナンシャルグループは10月にサウジの株式市場に投資するETFの東証への上場に向けPIFと業務提携で合意した。今後、取り扱いを始める予定だ。

みずほ銀行は8月にサウジの首都リヤドに中東・アフリカ地域統括会社を設立し、11月に業務を始めた。地域統括会社の設立は邦銀で初めてだ。

 

サウジ政府はリヤドへの海外金融機関の誘致を進めており、統括会社の設立により政府案件に関与しやすくなるとみられている。

日本とサウジの首脳交流は近年活発で、5月に産業・金融協力の包括的な枠組みを立ち上げた。両国とも自国の経済が抱える構造的な課題の改善に連携を強める必要があるとみている。

 

サウジ政府は30年までの「サウジ・ビジョン2030」で、石油に依存する産業構造の転換に向けて外資マネーを誘致している。日本の金融機関がサウジでビジネスを拡大することなどに期待している。

日本は原油のほとんどを中東から輸入している。地政学リスクから依存度を下げる必要がある一方、安定的な輸入には中東とビジネス面でも良好な関係を築くのがプラスに働く。

 

SBIは近年、サウジとの協力関係を急速に深め、24年2月にリヤドに中東拠点の現地法人を設立した。25年前半にもサウジでバイオテクノロジーに特化した初の投資ファンドを設立する。

サウジの国営石油会社サウジアラムコとも提携し、日本のスタートアップのサウジ進出支援にも取り組んでいる。SBIなど民間企業による現地企業との協力は日サウジ関係を下支えしている側面もある。

 

 

日経記事2024.12.05より引用

 

ビットコイン初の10万ドル トランプ政権にらみ資金流入

2024-12-05 12:49:36 | 世界経済と金融


ビットコイン価格は米大統領選後に急騰=ロイター

 

代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインの価格が5日午前、初めて10万ドル(約1500万円)の大台に到達した。

米国のトランプ次期政権による規制緩和期待が強く、5日の大統領選後に4割強上昇した。トランプ氏の政策の影響を織り込む「トランプトレード」の中で資金流入が際立っている。

 

情報サイトの米コインマーケットキャップによると、5日午前11時50分時点のビットコイン価格は10万1000ドル台と24時間前比で約6%高い水準で推移している。

米大統領選直後に約8カ月ぶりに最高値を更新して以来、相場の騰勢が強まる。11月13日には初めて9万ドル台に乗せたばかりだ。

 

材料になったのは、米証券取引委員会(SEC)の委員長人事だ。トランプ次期米大統領が4日にSECの次期委員長に元SEC委員のポール・アトキンス氏を指名した。

アトキンス氏は過度な金融規制に否定的な規制緩和論者として知られ、仮想通貨に対しても同様の姿勢をとる。

 

トランプ氏は選挙戦で仮想通貨業界に寄り添った規制環境の整備や業界振興を訴え、業界の不正摘発に注力した米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は解任すると公言してきた。

これを受け、SECは11月21日、ゲンスラー氏の2025年1月の退任を発表していた。

 

 

 
 
 
 
 
トランプ次期政権

ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領に関する最新ニュースを紹介します。11月の米大統領選挙でハリス副大統領と対決し、勝利しました。次期政権の行方などを解説します。 

 

 

続きを読む

 

 

日経記事2024.12.05より引用

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(関連情報)

 

・ビットコインの生みの親、謎のサトシ・ナカモトは、本名が大分県別府市出身の「中本哲史」、アメリカでコンピューター・サイエンスを学び、アメリカ財務省に附属するシークレット・サービスに属する人物と推定します 

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/eab8a5df3480e2ad4ce33706e320de83

 

・シークレット・サービスは、もともと偽造通貨を取り締まるために組織された機関

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/3ebccc292ee91d80c464606b83db0271

 


仮想通貨交換業の再編加速 DMMビットコイン廃業へ

2024-12-02 16:50:23 | 世界経済と金融


廃業方針が決まったDMMビットコインの看板。仮想通貨交換業界では再編の動きが相次ぐ

 

巨額の暗号資産(仮想通貨)を不正流出させたDMMビットコイン(東京・中央)が経営再建を断念した。

SBIグループの同業者に資産を移管し、廃業する道を選んだ。業界では今年に入って買収の動きが出ているが、安全対策の負担が企業再編を加速させる可能性がある。

 

DMMビットコインは5月末に482億円相当のビットコインを不正流出させた。

流出直後からサービスを制限しており、顧客は新たな仮想通貨の購入や、保有する仮想通貨の他業者への移動ができない状態が続いている。

 

金融庁は9月、仮想通貨の管理に欠陥があったとして同社に業務改善命令を出し、流出リスクに適切に対応する態勢の構築を求めた。

金融庁幹部は「サービス再開には流出原因を踏まえて再発防止策が講じられていることが条件」との姿勢を示していた。DMMビットコインの2日の発表では、不正流出の調査状況に関しては「調査を続けている」との記載にとどまった。

 

顧客への影響の長期化を避けるため、預かり資産を同業のSBIVCトレードへ移管する。SBIVCトレードは70万程度の口座を持つ中堅業者だ。

DMMビットコインの24年3月期の事業報告によると保有口座数は45万で、移管後のSBIVCトレードの口座は100万を超える見込みだ。

 

 

国内交換業界では再編の動きが相次ぐ。

国内大手のビットフライヤーホールディングス(HD、東京・港)は7月、経営破綻した米同業大手FTXトレーディングの日本法人、FTXジャパンを買収した。

 

中核事業として仮想通貨の資産管理(カストディー)事業を展開する構想だ。

ビットフライヤーHDの加納裕三社長は6月の日本経済新聞の取材に「顧客資産の保護には莫大なお金がかかる」とした上で、「こうした投資ができない交換業者が簡単にカストディー事業にアクセスできるようにして、業界のインフラとなることには社会的意義もある」と語った。

 

ソニーグループは23年8月、子会社を通じて仮想通貨交換業のアンバージャパン(東京・港、現エスブロックス)を買収した。

次世代インターネットのウェブ3サービスを展開していくにあたり、同社のビジネスを役立てたい考えだ。香港の仮想通貨取引所のOSLグループは11月上旬、仮想通貨交換業のコインベスト(同・中央)の買収を発表した。

 

国内外で繰り返されてきた不正流出を受け、交換業者に対する規制は厳しくなってきた。

17年に交換業者の登録制が導入され、20年にはインターネット環境に接続しない「コールドウォレット」などでの顧客資産の管理を義務付けた。

 

 

交換業界ではコールドウォレットで管理していれば不正流出が発生する可能性は低いとの認識もあり、今回のDMMビットコインの事案で「安全神話が崩壊した」(業界関係者)との指摘も出ている。

交換業の経営にとって、ハッキングなどによる不正流出やマネーロンダリング(資金洗浄)の対策の負担感は重い。犯罪者集団の手口も巧妙になっており、交換業者は安全性の向上を絶えず求められている。

 

 

仮想通貨交換業者は国内に約30ある。近年の国内取引量は低調で、日本暗号資産等取引業協会の統計によると9月の現物取引高は9097億円だった。

ピーク時の21年5月の5兆円超と比べれば5分の1以下の水準にとどまる。

 

 

業界内からは「取引規模の割に業者の数が多い。市況の影響を受けやすく、経営が厳しいところも多い」との指摘が複数ある。

金融庁幹部は「経営が厳しかろうと、安全対策を万全にできないのであれば、業界から退場してもらうしかない」と顧客保護を最優先とする姿勢を貫く。

 

 

ひとたび不正流出を起こせば、再建への道のりは容易ではない。交換業者の幹部の一人は「得られる利益よりも、交換業が背負うリスクの方が大きいとの見方もある。

再編の動きが今後も続いてもおかしくない」と指摘する。

 

 

 
 
 
 
日経記事2024.12.02より引用
 
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