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[FT]カナダ、ウラン大国再び 原発回帰で需要が急増

2025-01-15 22:54:22 | 資源メジャー、環境エネルギー、資源・素材、

 

Financial Times

カナダがウラン生産量で世界トップに躍り出ようとしている。

発電過程では温暖化ガスを排出しない原子力発電の需要急拡大と、地政学的緊張による供給不安を背景にウラン価格は高騰が続く。

 


カナダのカメコのウラン生産量は2024年に3割ほど増加したという=ロイター

 

ウラン採掘でカナダ最大手のカメコは、主要産地であるサスカチワン州北部2鉱区での生産量が3割ほど増え、2024年には約1700万キログラムに達したとの見通しを明らかにした。

カナダのRBCキャピタル・マーケッツによると、35年までに同国のウラン生産量は倍増する可能性がある。

 

カナダのウィルキンソン天然資源相は、フィナンシャル・タイムズ(FT)に、「カナダは国内需要向けにとどまらず、主要7カ国(G7)で唯一、同盟国の原子炉の燃料向けにウランを供給できる国だ」と述べた。

カナダは08年まで、核燃料用のウラン産出でトップだった。だが11年の福島原発事故が西側諸国の原子力業界に打撃をもたらし、世界原子力協会によると、22年の世界生産量はカザフスタン43%、カナダ15%、ナミビア11%となっている。

 

ところが、時流はカナダに傾きかけている。31カ国が気候変動対策として50年までに原発の設備容量を3倍にするとしており、ウラン需要は大幅に膨らむ公算が大きい。

アマゾン・ドット・コム、グーグル、メタなど米IT(情報技術)大手も、大量の電力が必要なデータセンターの運営を原発に頼る動きを見せている。

 

カナダのBMOキャピタル・マーケッツは、IT大手が原発に関心を向けたことで「政府による積極的な政策に加え、巨額の民間投資にも扉が開かれ」、ウランへの注目度が「再び高まった」と分析する。

一方で、カザフ国営のウラン採掘企業カザトムプロムは24年、ウラン製錬に使う硫酸の不足により、生産が頭打ちとなった。22年のロシアのウクライナ全面侵略による地政学的緊張も、カザフから西側企業への供給を難しくしている。

 

カザフ産ウランの最大の輸出先は中国だ。米調査会社UxCのジョナサン・ヒンズ社長は、カザフ産の大半が中国をはじめとするアジアに流れる傾向が加速すれば「西側電力会社に対する警鐘」になるとみる。

カメコのグラント・アイザック最高財務責任者は「世界のウラン市場は二分化している。これまではありえなかった状況だ」と話している。

 

 

By Ilya Gridneff, Jamie Smyth and Camilla Hodgson

(2025年1月5日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

 

 

 

日経記事2025.1.15より引用

 

 



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