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石油業界のナポレオン、デターディングと英国のユダヤ人、マーカス・サミュエル

2023-03-12 22:48:27 | 麻薬・阿片・石油

ロックフェラーが石油王として辣腕をふるっていた頃、後の石油業界のナポレオンと呼ばれた一オランダ青年は、悪捨てるダムのトウェンチェ・バンクの出納係として、月給60ドルを貰っていました。 6年の間、熱心に働き、1886年頃には、月給180ドルに昇給していました。

このオランダ青年こそ、後にその個人名義の財産だけで3億4っ千万ドルと言われるヘンリー・ウィルヘルム・オーガストデターディング(Henri・zzzwilhelm・August Deterding, 1866-1939) です。 船長の小として生まれたデターディングは、12歳にして父を失い、トウェンチェ・バンクの本店で数年働いた後、オランダ領東インド(インドネシア)の支店に派遣されました。

ここにいる時、トウェンチェ・バンクの所有するゾンデ島内の油井を見たのが、彼の石油に対する興味の始まりとなります。 その後、ビナン支店の支配人に昇進し、ロイヤル・ダッチ石油会社の社長ケスラーと会う機会に恵まれました。 

ケスラーはデターディングの才能を見込み、彼を自社に迎え入れて、重要な地位に据えました。 デターディング30歳の時です。 

彼の入社後、ロイヤル・ダッチは新たに50万フロリン(オランダの旧通貨)の株式組織となり、その翌年には数ケ所に墳油抗を獲得するに成功したために、従来の赤字続きがたちまち8%の配当をするまでに至ります。

この報を聞くや、当時世界のランプを支配していた金(money)の亡者ロックフェラーは、ロイヤル・ダッチの成長をみて、緒戦を開始し始まました。 ロイヤル・ダッチの株主達は、石油王の攻撃を恐れて、今のうちにスタンダード石油と提携することを主張しました。

しかし、デターディングは断固として株主たちの勧告を退けました。 その頃、社長のケスラーは死去し、遺言によってデターディングが社長の椅子に収まっていました。 

ロックフェラーの悪質な攻撃に、株主たちは戦々恐々としていました。そしてデターディングが敗退する日を待ってるのようなk状態でした。 しかし、「若造」と言われていたデターディングはよく闘いました。 わずか50万フロリンの資本で、ロックフェラーの数千万ドルに宣戦布告したのです。 

 

シェル輸送会社のマーカス・サミュエルとの出会い
このとき、デタ-ディングは有力な協力者を得ました。 シェル輸送会社の持ち主マーカス・サミュエルです。今日、英国の一大石油トラストが完成したのも、実にこの英国人サミュエルトデターディングの握手に他ないからです。 13万に上る大小の事務所が並ぶロンドン経済街の片ほとりに、小さな事務所を構えていたマーカス・サミュエルが、後に石油業界のライオンといわれる程の大物になると誰が思っていたでしょうか。

この人物こそが、デターディングと協力して、石油の英国覇権を樹立した男です。 彼が1927年になくなったときでも、経済人で彼の経歴を知っている者はほとんどいませんでした。 

 

 

石油業界のナポレオン:マーカス・サミュエル(Marcus Samuel,1853―1927)
サミュエルはロンドンユダヤ人町に生まれ,船会社の平事務員となったのが、経済人としての最初の一歩でした。 

彼は会社の船に便乗して、幾度が東洋に旅行し、国際貿易についての知識を獲得しました。 そして、彼はこつこつと貯めた金を資金として、独立してして輸出入業を始めたのです。 サミュエルは、まずボロ船を一艘を手に入れて、アジアの貝殻類や真珠を英国に輸入する仕事を始めました。

そして、その商品に因んで、会社名を『シェル輸送会社』としました。 会社は着々と利益を上げ、船の数も増加して。新式貨物船12艘の社船を持つにいたりました。彼の船は、アジアから英国に商品を運んでは、空っぽの船で、日本や中国に帰ってくるという有様で、極めて不経済でした。 ある時、サミュエルの船はアジアへの帰途、石油の輸送を依頼され、数個のタンクを積み込んで思わぬ儲けをしたことがありました。

機を見るに早い彼は、石油輸送が有望であることに着目し、パリのロスチャイルド家から資金の融通を受けて、石油輸送用の汽船の試作を開始しました。 これが、背愛の大洋に石油タンカーが出現した最初で、彼はこの建造を続けました。

こうなってくると、自然の成り行きとして、彼は石油生産について触手を動かし始めました。 ボルネオに採掘権を買収し、まもなく自分のタンカーを自分の石油で充たすようんりました。 各地の支店は、利益の薄い真珠貝の売買を行う必要はなく、より儲けの大きいランプと灯油を扱うようになりました。

 

 

(参考)

・独ガソリン・ディーゼルエンジンと仏プジョー、そしてロスチャイルドhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e16baece0ccf5acec5e58e26f8bdcd04
・ロックフェラーより早かった日本の石油の商用化https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7bf2a45203a4f71982dfdf7e53dd2c02 

・石油の発見と利用の人類史
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b555050c36935ad6e972408f0bae2c6b

・ロスチャイルド財閥-16 自動車産業
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f92d2d9e8b9e21aa5c5bb98624738254
・ロスチャイルド財閥-15 植民地アルジェリア
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2f12b3927faea268ab5c943d43187f17
・ロスチャイルド財閥-14 鉄道事業への参入
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d5a4e286ac7c0ae56bd9c0fc003f6e4f

 

 

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独ガソリン・ディーゼルエンジンと仏プジョー、そしてロスチャイルド

2023-03-12 14:39:29 | 麻薬・阿片・石油

 

ジークフリート・ザムエル・マルクス

自働車開発の先駆者に、ドイツ生まれのオーストリア発明家、ジークフリート・ザムエル・マルクス(Siegfried (Samuel Marcus,1831年-1898年)がいます。

ドイツの片田舎でささやかな鍛冶屋を営んでいたジークフリード・マルクスが、世界最初の内燃機関(エンジン)開発に熱中し、最初に出来上がった機械は、一本のシリンダーを持っていて、約ニ十分間回転し続けました。 1875年ウィーンの博覧会に出品した時には、マルクスの機械は三時間にわたって回転し続けました。

 

ゴットリープ・ヴィルヘルム・ダイムラー

そして、当時世界の科学技術の先端を行くドイツでは、ゴットリープ・ヴィルヘルム・ダイムラー(Gottlieb Wilhelm Daimler, 1834年 - 1900年)が1885年に二輪車に取り付けたガソリンエンジンの特許を取得し、それは現代の内燃機関(エンジン)の先駆けといえるものでした。その二輪車は世界初のオートバイと見なされ、翌年には駅馬車とボートにそのエンジンが取り付けられました。

 

カール・フリードリヒ・ベンツ

カール・フリードリヒ・ベンツ(Karl Friedrich Benz、1844年 - 1929年)が、1886年1月29日に、世界で最初のガソリンを動力とする自動車の特許を出願しました。

1926年にダイムラーとベンツは合弁し、ダイムラー・ベンツ(Daimler-Benz AG)となります。lこのAGは、ドイツ語で株式会社の意味です。

 

 

仏プジョ

1889年、仏プジョー(Peugeot S.A. )は、蒸気エンジンを搭載した三輪のプジョー初の自動車を制作した後、ガソリンエンジンに興味を持ちます。S.Aはフランス語で株式会社の意味。

 

仏プジョーがガソリンエンジンの特許を購入し、世界の自動車産業スタート

近代的な大馬力のエンジンを持った自動車が、ドイツ人のベンツとダイムラーによって開発された後、ダイムラーの特許をフランス人のパナールとプジョーが買い取ってから、世界の自動車産業はスタートしました。

時代は、映画の開発と同じ19世紀末のことでした。 フランスの大工業家プジョー一族の、ピエール・アルマン・プジョーは鉄工所などの長い経験から、直ちに実用的な自動車生産に突入していきました。

ところが、まだ高級品という世界だったので、この時代に技術者が求めたのは、金に糸目を付けずに開発費をポンと与えてくれるパトロンでした。 

 

パトロン及び購入者としてのロスチャイルド


そこで、ロスチャイルド一族が「買い手」として、また「パトロン」として、両方の面で自動車業界を創り出していきました。

フランスのプジョー工場で製造された自動車が、海を渡ってイギリスに着いたのはさらにそのあとのことで、ロールス・ロイス創業者のひとり、チャールズ・ロールスが1895年に、プジョーの3.75馬力の自動車を購入したとき、イギリスで自働車を持っていたのは、わずか3人でした。

その一人が「ウェストミンスター銀行」の創立者のデイヴィッド・サロモンズ、つまりネイサン・ロスチャイルドの甥でした。

こうして、イギリスでは王室オートモビル・クラブの母体となる自動車協会を、ネイサンの孫レオポルド・ロスチャイルドが創立しました。

現代でも、ロールス・ロイスが航空エンジン部門と自動車部門に分割されてからは、この自動車部門のオーナーが、ロスチャイルド財閥の兵器会社ヴィッカースとなり、航空部門は「ロスチャイルド銀行」重役のトゥ-ムズが、ロールス・ロイスの会長を務め、もうひとりの会長キンダースレー卿がラザール・ブラザーズの会長を兼務してきました。


フランスでは、石油王アンリ・ドイッチと共に、オランダ出身の名門貴族ヴァン・ズイレン男爵が、オートモビル・クラブを創立しました。

彼の結婚相手は、「ブリオッシュ」というあだ名の女性でした。 卵とバターをたっぷり使って丸々と焼き上げたパンの事です。

美食家のブリオッシュのは、エレーヌ・ベティー・ルイーズ・キャロリーヌ・ド・という名前でした。
鉄道王パリ家のジェームズ・ロスチャイルドの孫娘で、今度は自動車王ロスチャイルドの時代を迎えていました。

1990年代の西ヨーロッパの自動車業界は、トップがフォルクスワーゲン(VW)、に僅差で続くフィアット、3位プジョー、4位フォード、5位是練らrモーターズ(GM)、6位ルノーまで販売シェアではほとんど変わらないデッドヒートを展開していました。

このうち、VWとGMを除けば、すべてが「赤い盾」の傘下で走っていることが家系図をみれば分かります。


(参考)

・ロスチャイルド財閥-16 自動車産業
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/f92d2d9e8b9e21aa5c5bb98624738254
・ロスチャイルド財閥-15 植民地アルジェリア
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/2f12b3927faea268ab5c943d43187f17
・ロスチャイルド財閥-14 鉄道事業への参入
 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d5a4e286ac7c0ae56bd9c0fc003f6e4f

・石油の発見と利用の人類史
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/b555050c36935ad6e972408f0bae2c6b

・ロックフェラーより早かった日本の石油の商用化https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7bf2a45203a4f71982dfdf7e53dd2c02 

 

 

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