Renaissancejapan

哲学と宗教、財閥、国際政治、金融、科学技術、心霊現象など幅広いジャンルについて投稿しています

ロスチャイルド財閥-273 ネイサンの生まれ変わりと評判のジェイコブ

2023-12-01 22:09:19 | 国際政治・財閥

 

 

・ロスチャイルド財閥-271 ロンドン・ロスチャイルド家の分裂(1/2)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5af1c44d2906ae0a6780778dd870ab8b

・ロスチャイルド財閥-272 ロンドン・ロスチャイルド家の分裂(2/2)https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9c4bab4f831e6fed8004774219701c94

からの続き

 

 

 


ジェイコブ・ロスチャイルド
(Nathaniel Charles Jacob Rothschild、1936~)
第4代ロスチャイルド男爵。
ロンドン・ロスチャイルド家の現当主(6代目)として家全体を代表する1人。嫡流にあたりますが、分家のエヴェリンが経営権を握るN・M・ロスチャイルド&サンズから独立し、RIT・キャピタル・パートナーズを創設して独自の金融業を行っています。1990年にロスチャイルド男爵の爵位を継承し、1999年まで貴族院議員を務めました。

オックスフォード大学クライストチャーチ卒。

 

 

シティのロスチャイルド父子銀行(NM Rothdchild &sons5)を飛び出したジェイコブは、まずロスチャイルド家のシンボルである5本の矢を上に向けました。

父子銀行は下向きの5本の矢を使っていたのをジェイコブは逆にして上に向けたのです。パリ・ロスチャイルド家も上向きにしていますが、真似たというよりは、天を衝く上向きの事業の成功への祈りを込めたものです。

 

   

 

イヴリンは、ジェイコブがロスチャイルドの名称を使う事さえ反対しましたが、5本の矢の商標は登録していなかったので、その使用を抑えることは出来ませんでした。

自由な立場になったジェイコブは、大胆な投資活動に
乗り出します。 美術品のオークション会社サザビーや株式仲買会社にとうしるるなどは序の口で、別の投資信託銀行ノーザンの株を取得して、次は事務機器やリース業、保険関連の会社を吸収合併して、事業規模を拡大していきました。

1983年8月にはアメリカのウォール街に進出し、ニューヨーク・マーチャント銀行の株50%を取得、同年末にはチャーターハウス銀行グループと合併して、チャーターハウス・J・ロスチャイルド銀行を設立する離れ業を見せました。


1980年代に独立したときのRITの資本金は9940万ポンドでしたから、ジェイコブは4年間で4倍に増やしたことになります。 シティでは既に指折りのマーチャント・バンク(国際銀行)でした。

この荒業に、シティではジェしたのです。イコブはロンドン・ロスチャイルド家の創業者ネイサンの生まれ変わりではないかと噂されましたが、真価をみせたのはむしろこの後でした。 それまでに買収した企業の株を、今度は次々と切り売りして事業を縮小したのです。

もちろん買収したときよりは高値で売却し、そのころまでには名称をロスチャイルド・J・グループと変えてセント・ジェイムズ・スクエアのスペンサーハウスに拠点を構えていたジェイコブの会社の金庫を太らせました。

 

ジェイコブの目標はアメリカの巨大な金融会社に匹敵する総合金融王国を築くことでした。 その夢を突然、放棄したのは挫折なのか、あるいは勇気ある撤退なのかについてはシティで様々に語られました。

恐らく、その両方であったと思われますが、結果的にはこれ以上はないほどの絶妙な撤退のタイミングとなりました。 ヨーロッパ、とくにイギリスが冷戦の終焉と時を同じくして戦後最大級の景気後退に襲われたからです。

1990年からヨーロッパが不景気になった理由は単純ではありませんが、意義理宇の場合はサッチャー政権による新自由主義と呼ばれる過度な金融緩和の舞ねス面が表面化したのと民営化(実は一企業と癒着)です。 竹中平蔵率いるパソナと癒着し老ふぉうの非正規化を推進したアベノミクスと同じです。 日本では安倍派の議員が落選するとパソナの重役職で迎えられ、今度次の選挙で当選するとパソナへの恩返しという負のループ。 

サッチャーも政府の仕事をどんどん民営化していきました(実質は癒着)。 だから『ゆりかごから墓場まで』と言われたイギリスの社会福祉はガタガタとなり、見る影もありません。 またイスラム諸国から大量の難民や労働力を受け入れ社会不安が今のイギリスです。 ひどいケースではパキスタンの若者を大量に受け入れ、なんと彼らは与えられた施設を利用し120人以上のイギリス人尾娘さんをレイプし、売春させていた事件があり、日本では産経が報じています。なんでも喋れぼお前の母親も同じ目に会わすと脅していたそうです。

安倍政権下の二本も真面目に働く多くの20代の若者が突然解雇されホームレスになっていることも報じられました。 もっと悲惨なケースは、パートで交えに働き家計を支えるシングルマザーです。 突然解雇されホームレスか風俗に売りとばされる。 だから岸田政権で新しい資本主義としての経済政策の一つに新自由主義からの脱却とデカデカと初めから公言しているでしょうが。

話をロスチャイルドに戻します。

 

ヨーロッパでは、1992年末の単一市場の完成を見込んで、西ヨーロッパ諸国に訪れていた単一市場ブームが冷えこんだことと、東ドイツとの統一に巨額の金をかけすぎた優等生ドイツの景気が悪化したことが絡み合い、一段と深刻なものとなったのです。

 

ロンドン・ロスチャイルド家のネイサンは、あるとき証券市場で成功する秘訣を聞かれて「早すぎると思うほど早く売ってしまう事です」と答えています。 この点でも、ジェイコブはロンドン家・創業者ネイサンお似通ったセンスを持ち合わせていたことが分かります。

ゆとりある資金を得たジェイコブは1990年代に金融帝国を再び目指すことを宣言して、1993年までにRITキャピタル・パートナーという投資管理会社と、セント・ジェイコムズ・プレイス・キャピタルというベンチャー企投資会社を設立しました。

これらの投資会社の活動はシティだけに泊まりません。 ウォール街の投資銀行との合併で誕生した子会社の J・ロスチャイルド・ウォルフェン投資会社は、アメリカのみならず世界中に顧客をもっています。

旧ソ連が崩壊して、新生ロシアが誕生して自由市場化が始まったのを見届けると、1992年10月、ロシア・アメリカ投資銀行の設立に手を貸しています。

 

1994年には、ロスチャイルド・アセット・マネジメント投資会社を設立して、世界に1400もあるというバイオ関連会社から金の卵を産みそうな有望とみられる会社を探し出して投資を始めました。

21世紀はバイオ産業の時代になると見ての先行投資であることは間違いありません。 さらに同年、イギリスの生命保険業界のやり手として知られるマーク・ワインバーグと組んで、資本金1億ポンドの新しい生命保険会社ウィ設立しています。

ジェイコブのセント・ジェイムズ・プレイス・キャピタルとワインバーグのニューヨーク・ワールドワイド生命保険会社が、それぞれ30%出資して創設されたこの会社は、世界規模で生命保険業界の再編をうなgすといいます。

 

芸術の理解者でもあるジェイコブは、同時に世界を視野に入れて巨額の資本を動かす投機家でもあります。もちろんネイサンの再来と言われるジェイコブが自らを投機家と見ているわけではありません。

将来性のある事業を探し出して投資することは自分のためであると同時に、より繫栄する経済、より豊かな社会の建設のために欠かせないと信じて、生き馬の目を抜く国際金融業界の最先端を走っているのです。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

哲学・宗教・思想 ここまでの投稿記事一覧
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7da98797504886d8b9eaa2e5936655e6

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (1/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/1f87a836a42cfdcf5bc18c8a5e212fe5

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (2/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/40a30f12de3651f13810a90405370238

ロスチャイルド財閥 今まで投稿してきた記事リスト (3/3)
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/47e334f8ba710639aefdcc8d7824f9fa

ロスチャイルド財閥-163  ロスチャイルド財閥について今まで投稿してきた記事一覧https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fedeabe97fbe342e880f7195d00dabec

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界の財閥 ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/14d30c37bfae00d834c78d49da070029

日本の財閥 ここまでの投稿記事リスト 
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6958fc72746302160416dd6dad039f68

ゴールドマン・サックス ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0b4c5b8ba383a38e0af1df7b1a477ea3

Black Rock ここまでの投稿記事リスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/93ef8de49c1ff9039ce7446f1f3fb0e8

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
フリーメーソン・イルミナティ・秘密結社 ここまでのまとめ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/d52e37f7e9a7af44f93554ed333744b3
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 


米大統領選、波乱の「第3候補」 バイデン氏に不利

2023-12-01 21:58:41 | トランプ政権

【ワシントン=坂口幸裕】

2024年11月の米大統領選で二大政党に所属しない「第3候補」の動向が波乱要因になってきた。

政策面で民主党支持層に近い候補が相次ぎ出馬すれば票の分散を促し、再選を狙うバイデン大統領に不利になる可能性がある。共和党の有力候補であるトランプ前大統領にとっては好都合な展開だ。

「国のためにできることは何でもする。すべての米国人は国を救うのを助ける立場にあれば検討すべきだ」。
民主中道派のジョー・マンチン上院議員は11月15日、米NBCテレビのインタビューで大統領選出馬を検討するかと問われ「間違いなくする」とも答えた。

 

 

マンチン氏は保守的な考えを持つ民主議員で、バイデン政権の財政拡大路線に反対してきた。

気候変動対策を重視するエネルギー政策や寛容な移民政策を挙げ、バイデン氏を「極左に寄りすぎだ」と批判。一方、前大統領の再選も「恐れている。民主主義が失われる」と指摘。「穏健な中間層を結集するため全力を尽くす」と訴える。


ほかにも、急進左派の黒人活動家コーネル・ウェスト氏や医師の活動家ジル・スタイン氏も第3政党から大統領選に立候補する意向を表明した。民主内には支持層が重なる候補の乱立はバイデン氏にとって打撃になるとの懸念が広がる。

バイデン氏が勝利した20年大統領選や民主が善戦した22年中間選挙では民主支持層だけでなく、無党派の若年層の存在が大きかった。選挙ごとに勝利政党が変わる「スイングステート(揺れる州)」を中心に激戦州では僅かな票差が勝敗を左右しかねない。

20年大統領選にかかわった民主関係者によると、バイデン陣営はマンチン氏らに出馬の見送りを働きかけている。

「接戦になれば第3候補の存在はトランプ前大統領が優位になる。スポイラー(妨害者)にならずトランプ復権阻止へ結束すべきだ」などと説得しているという。


「世代交代」を掲げる民主のディーン・フィリップス下院議員は党候補者指名争いに加わる方針だ。

現時点でバイデン氏に勝てる見込みはないものの、本選に無所属や第3政党で出馬すれば民主支持層の票がさらに割れるリスクがある。支持率が低迷するバイデン氏にとっては痛手になる。

バイデン陣営が第3候補に神経をとがらせるのは過去の苦い経験がある。2000年選挙は緑の党のラルフ・ネーダー氏が参戦し、民主のゴア氏の敗因のひとつになった。前大統領が当選した16年はスタイン氏が緑の党から出た結果、激戦州で民主のヒラリー・クリントン氏が僅差で敗れたとの分析がある。


故ジョン・F・ケネディ元大統領のおいにあたるロバート・ケネディ・ジュニア氏も10月に無所属で出馬すると発表した。

民主の候補指名争いからは撤退したものの、バイデン政権が推進した新型コロナウイルス対策のワクチン接種に反対するなど主張の一部は共和に近い。前大統領と競合するとの見方が出ている。

米調査会社リアル・クリア・ポリティクスが世論調査の平均支持率を集計したところ、24年大統領選がバイデン氏と前大統領の一騎打ちとなった場合、11月30日時点で前大統領の支持が1.7ポイント上回る。2人にケネディ氏とウェスト氏が加わった4人での戦いになると、前大統領のリードは2.8ポイントに広がる。

民主、共和両党以外から出馬の動きが続出する背景には現在81歳で米史上最高齢の現職大統領であるバイデン氏に対する有権者の不安や不満が浮かび上がる。米CNNが8月下旬に実施した世論調査では民主支持層の7割近くがバイデン氏以外の候補を選ぶべきだと回答した。


【関連記事】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

同盟国に日本としては、この2人のお爺ちゃんたちは、引退してゆっくりゃ澄んで欲しいですね。ご苦労様と言いたい。

もっと若くて、反中露のリアル保守を期待します。

 

 


オムロンの新規事業創出 「どうあるべきか」から考える

2023-12-01 21:19:29 | 日本・天皇・神道・文化・思想・地理・歴史・伝承


オムロンの諏訪正樹執行役員兼技術・知財本部長=山本尚侍撮影

 

日経BP総研

オムロンは、創業者の立石一真氏が実践していた未来の社会ニーズを先取りし新規事業を創出するプロセスを組織知として落とし込むことに挑戦し続けている。

2018年に立ち上げたイノベーション推進本部(IXI)はそのプラットフォームの構築と展開を担い、同年に設立した研究子会社のオムロンサイニックエックス(OSX、東京・文京)は、科学の視点からの「近未来デザイン」の創出を担う。

IXIとOSXの設立から5年、IXIでは具体的な新規事業が、OSXでは非連続な技術革新によるユニークな近未来デザインが形になり始めた。オムロン執行役員兼技術・知財本部長でもある、OSXの諏訪正樹社長に、近未来デザインのポイントを聞いた。



新規事業創出の「型」

――オムロンにおける新規事業を創出するポイントは何ですか。

「創業者である立石一真の新規事業創出ノウハウを組織知として組織実装することです。

創業者は、SINIC(サイニック)理論という未来予測理論を提唱したように、近未来を予見する目をもって、近未来に現れるであろう社会ニーズから新規事業を考えました。

きっちり事業にまで落とし込むというのが未来学の研究者とは大きく異なる点です。その時にオムロンが持っている資産や技術に引っ張られることなく、あくまでも将来的に社会が求めるであろうものを事業化していきました」

「創業者が亡くなった後、オムロンには創業者が行ってきたような新規事業創出プロセスを持続的に組織的に実行するのが難しいという経営課題がありました。

しかし、15年のCTO(最高技術責任者)設置以降、IXIという新規事業創出のプラットフォームをはじめ、SINIC理論と創業者が実践してきたことをベースとした組織の設立や組織強化を行いました。


創業者のプロセスを再現するための挑戦といっても過言ではありません。

まだこの挑戦は道半ばではありますが、一つの型のようなものが確立できつつある実感を私自身持っています。
今後も、トライ&ラーンを繰り返しながら、時代の変化に合わせて修正を加え、型をブラッシュアップしていきます」

――IXIから生まれた事業はありますか。

「例えば、23年度から、IXI傘下の社内スタートアップ第1号として、製造現場におけるデータ活用支援のサービスが、事業活動を本格化させています。また他にも、介護を支援するのではなく『介護そのものを予防する』ことに着目した高齢者の自立支援ソリューション事業、非熟練者であっても熟練者と同様に付加価値の高い食生産を実現できるアグリオートメーション事業が事業化検証の最終ステージに進んでいます」

「さらに、人生100年時代を迎え人々が健康に働き続けられる社会が求められる中、企業の健康保険組合の財政適正化や医療費抑制などの課題が顕在化しています。こうした社会的課題を解決するデータヘルスケアの未来像の具現化に向け、健康経営アライアンスの立ち上げや、23年10月に子会社化したJMDCとの新価値創造をIXIが中心となり進めています。このような取り組みは、IXIがあればこそです。従来のフォーキャスト視点だけでは生まれませんでした」

「どうあるべきか」を考える

――新規事業創出におけるOSXの役割は何でしょうか。

「科学の視点から技術の非連続な進化が社会にどう影響するかを予測し、未来がどうなって、どういうニーズが生まれるのかを示すこと、そして本当にそのようなニーズに応えるテクノロジーは存在するのか?を実証することです。これをオムロンでは近未来デザインと呼んでいます。単に未来像を描くだけでなく、その中で肝となる技術が何かを見極めて、それが社会実装につながる道筋を示した上で自ら創り出すこともOSXの役割です。この時、創業者が実践したプロセスと同様に、今のオムロンの技術や強みに縛られずに発想していきます」

――近未来デザインの方法を教えてください。

「近未来デザインで大事なことは、世の中に出てきたものが、今後どうなっていくかという発想で考えるのではなく、近未来に『どうあるべきか』からのバックキャストで考えることです。そして、それを考えるときに我々が最も重視しているのが人間中心の考えです。これは、創業者の『機械にできることは機械に任せ、人間はより創造的な分野での活動を楽しむべきである』という経営哲学から来るものです。30年度に向けた長期ビジョン『Shaping the Future 2030(SF2030)』においても、『人が活きるオートメーションで、ソーシャルニーズを創造し続ける』を掲げオートメーション技術の飛躍的な進化を目指しています」

「そう考えると、今までのアーキテクチャーとは全く異なるものが必要になります。例えば、工場内のロボットを考える時、従来の価値基準である動作スピードや精度は横に置いて、そもそも工場内のロボットはどうあるべきかを考えます。指示一つをとっても、キーボードからの入力よりも声で伝えたほうが楽になると発想します。今ある姿から考えるのではなく、本来どうあるべきかを考えるのです」

「技術の非連続な進化を予測し、社会にどう実装されるのかを考察することは、システマチックにできることではありません。個々のOSXのリサーチャーの思考力、視点に委ねる要素も大きいでしょう。OSXは、人間を中心とした未来が『どうあるべきか』を考えることに共感してくれた人の集団なのです」

「近未来デザインを考える時に気を付けたいことは、一人で閉じないことです。OSXのリサーチャーは、OSXやオムロン内はもちろん社外でも、とにかく多くの人と意見を交わします。それは、テーマを実行するための条件の一つとして、多様な仲間を募り大きなスケールで構想しないと実現できないものとしているからです。OSXでは、大小約100テーマが同時並行で走っています。いつでもどこでも議論が交わされていて、そうした人と人の化学反応が新しい価値を生み出します」

他社と事業化しても構わない

――OSXでオムロンでの事業化を考えるのは、どのタイミングですか。

「これはOSXだけで決める話ではないですが、未来のニーズから事業のアーキテクチャーが定まり、使われる技術、生まれる価値、ビジネスモデルの仮説がクリアになったときが一つのタイミングになるでしょう。この仮説の中にはオムロンのみならず多くのステークホルダーが存在するはずです。この段階で、ようやくオムロンはどのポジションを取れるか検討します。オムロンが最適な事業主体であれば、オムロンでの事業化を考えます」

「オムロンが事業者として最適でなければ、他社と事業化することになっても構わないと思っています。近未来デザインで大事なことは『枠にとらわれずに、なるべく視点を増やす』ことです。これはOSXがオムロン内の一部門ではなく、研究子会社としてある程度の自律性・独立性をもっている理由の一つになります」

「そして、研究のための研究にせず、必ず描いた未来は具体的な社会実装まで考えるようにしています。創業者がそうでした。未来を描くだけでなく、社会実装までの道筋を見据えていました。既存事業に関係ない領域であっても、将来の事業になることは見抜いていたわけです」

ビジョナリーを探すアンテナを大切に

――今後のOSXの目指すものは何ですか。

「OSXからスタートアップ企業が生まれてもよいと考えています。近未来をデザインし、実際に事業化してスピンアウトするような人も出てきてほしいと考えています」

「もう一つ、さらに国際ネットワークをつくっていきたいです。ただ、OSXを見ていて思うのですが、こういう組織は人の数が多すぎてもよくない。あまり多いと情報の伝達スピードが遅くなり、効率が落ちます。ですから今のOSXをこれ以上大きい組織にするのではなく、OSXのような組織が世界中にあって、それらが連携して新しい価値を生み出せれば、面白いことができて社会を変えることができるのではないかと夢見ています」

「近未来デザインは未来へのビジョンを持った人と出会い語り合うことがスタートです。そのためのアンテナを張ることが大切です。最近、日本企業で新規事業が生まれにくいのは、1社で製品を作れば事業になった時代が終わったからです。社会実装に向けて大事なのは、失敗してもいいので、失敗の後の回復力を上げて社会実装まで粘ることでしょう」

(聞き手は日経BP総合研究所 菊池珠夫)




EY新日本、宇宙ビジネスを支援 資金集めなど助言 スタートアップ

2023-12-01 21:04:23 | 日本・天皇・神道・文化・思想・地理・歴史・伝承


衛星が収集した地図情報などのデータは防災や農業、自動運転など幅広い利用ニーズがある=共同

 

EY新日本監査法人は宇宙関連の事業を支援するサービスを始める。国内で宇宙関連の業務に携わった人材を集めた組織を立ち上げて、12月にも本格的に業務を始める。

資金調達に関する助言や、企業が活用する衛星データの信頼性保証など様々な取り組みを通じて企業活動を支える。

「宇宙ビジネス支援オフィス」を新設する。15人程度でスタートし、支援窓口を一本化する。EY新日本は民間ロケットの発射場に関するアドバイザリー業務を手掛けるなど、宇宙関連事業について民間から投資資金を募る知見を持つ。

宇宙スタートアップ企業の新規上場を支援した実績もある。こうしたノウハウを生かす。

国内では大学発の企業を中心に宇宙事業を手掛ける企業が増えている。4月に上場したispaceや12月に上場予定のQPS研究所など株式上場で資金を調達する企業も少なくない。

金融や農業、防災、自動運転など衛星データ活用の需要は大きく、EY新日本では衛星データの信頼性も保証する。どの衛星から取得した画像なのか検証するほか、データ改ざん防止といったセキュリティー面などを評価する。

 

 

日経記事 2023.11.30より引用

 


米カリフォルニア大バークレー校、起業支援で日本進出 北米

2023-12-01 20:54:29 | 日本・天皇・神道・文化・思想・地理・歴史・伝承


スカイデッキでエグゼクティブディレクターを務めるキャロライン・ウィネット氏

 

【シリコンバレー=奥平和行】

全米有数の有力大学である米カリフォルニア大学バークレー校が起業支援プログラムを日本で始める。

日本の起業家を支援するほか、海外のスタートアップ企業の日本進出を後押しする。起業を重視する流れが米シリコンバレーから各地に広がっていることを受け、プログラムの基盤強化につなげる。

「以前は多くのスタートアップが米国に来ることを望んでいたが、他の市場でも起業の受容性が高まり状況が変化してきた」。バークレー校の起業支援プログラムであるスカイデッキの責任者を務めるキャロライン・ウィネット氏が取材に応じ、「日本進出」の背景をこう説明した。

スカイデッキは2012年に発足し、バークレー校のキャンパスに構えた共有オフィスで学生や卒業生などを対象とした起業支援プログラムを運営してきた。22年に欧州に進出し、日本は米国外で展開する第2弾となる。日本進出の支援を得ることなどを目的として日本貿易振興機構(JETRO)と覚書を交わした。

スカイデッキは関連ファンドを通じて1社あたり20万ドル(約3000万円)を投資し、外部からの資金調達を支援するアクセラレータープログラムに加え、出資を伴わないインキュベーションプログラムを運営している。

日本ではいずれかをモデルとしたプログラムを始める予定だ。インキュベーション型とした場合でも米国で運営するアクセラレーター型に参加する道を開き、関連ファンドが将来性が高いスタートアップに出資できるようにする。詳細はJETROと協議して詰めるとしている。

ウィネット氏によると日本進出に先立ち、米国で運営するプログラムに日本発のスタートアップを受け入れた。日本について「生命科学やロボットなどといったディープテクノロジーの分野で非常に興味深い知見がある」と指摘し、こうした分野はバークレー校の得意分野とも相性がいいとみている。

スカイデッキは公立大学であるバークレー校の一部門との位置づけで、スタートアップに直接出資するのが難しい。そのため、外部から出資を募って独立したファンドを設立し、このファンドがアクセラレータープログラムに加わったスタートアップに出資する形態を採用した。ファンドは収益の一部をバークレー校に還元する。

18年に2300万ドルの1号ファンドを設立し、22年には6000万ドルの2号ファンドを立ち上げている。日本では東京大学や京都大学、大阪大学といった国立大学との連携も視野に入れている。ウィネット氏は「スカイデッキがどのようにファンドと連携しているかなどについて知見を共有し、日本の大学と関係を深めたい」としている。





米ピッチブックが23年1〜9月にベンチャーキャピタル(VC)から出資を受けたスタートアップの創業者1万5000人超の出身大学を調べたところ、バークレー校は1433人で米スタンフォード大学(1435人)に次ぐ2位だった。

調達金額は475億ドルだった。スカイデッキの「輩出企業」による資金調達も10年あまりで17億ドルに達している。


 

 

日系記事 2023.11.29より引用

 

 

<picture class="picture_p1joxgt6"><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=525&h=336&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=456d3cba5c96d776f347fcb872b8e517 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1050&h=672&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=d7801307141496dfca838cca24bf5428 2x" media="(min-width: 1232px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=525&h=336&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=456d3cba5c96d776f347fcb872b8e517 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1050&h=672&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=d7801307141496dfca838cca24bf5428 2x" media="(min-width: 992px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=525&h=336&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=456d3cba5c96d776f347fcb872b8e517 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1050&h=672&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=d7801307141496dfca838cca24bf5428 2x" media="(min-width: 752px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=525&h=336&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=456d3cba5c96d776f347fcb872b8e517 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1050&h=672&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=d7801307141496dfca838cca24bf5428 2x" media="(min-width: 316px)" /><source srcset="https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=525&h=336&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=456d3cba5c96d776f347fcb872b8e517 1x, https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO4140933028112023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=1050&h=672&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=d7801307141496dfca838cca24bf5428 2x" media="(min-width: 0px)" /></picture>