デュポン財閥の創始者 エルテール・イレーネ・デュポン(1771-1834)
・デュポン財閥ー4 火薬トラスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/07f92b3459f7715d44c1e0b82d049c4e
からの続き
デュポンは、今日までに何回か 「スキャンダル」 の対象として槍玉にあがっています。シャーマン反トラスト法違反のかどに問われたのもそうでした。
第二次世界大戦で、『利敵行為』 をしたのではないかと疑われ、上院のキルゴア調査委員会
から喚問を受けたのも、その一つです。
もう一つは、1930年の事件です。 デュポンが疑いをかけられたのは、第一次軍縮会議のさい、デュポンがこれを妨害したというものでした。
この事件の調査にあたったのは、上院のナイ議員のを委員長とする ナイ調査委員会 です。
ナイ調査委員会調査によると、このスキャンダルは驚くべき内容でした。
話は少しさかのぼります。ベルサイユ条約が世界平和を確立することに失敗して以来、国際連盟は、数年間ぶっ続けで毎年のように会議を命令により開き、広範な軍備縮小を実現しようと努力していました。
1925年、国際連盟は ドイツが秘密のうちに再軍備を進めているという情報に驚いて、第一回軍縮会議を開くことになりました。 この会議では、武器、弾薬、その他軍需品の国際的取引の制限の問題が取り上げられる筈でした。
この軍縮会議が開かれることになってから、デュポンその他の軍儒企業は、当時の商務長官で後に大統領となった共和党のハーバート・フーバーからワシントンへの召請電報を受けとりました。その電報は、
「きたるべきジュネーブ会議で討議されるはずのヴ期、弾薬、その他軍需品の国際的取引の制限に関して、商務省当局としては、関係業者の意見を聞きたいから、準備的な討議に代表を送って頂きたい、軍縮に関する草案は別に郵送したから、ご覧を願いたい、当局としては業者の利益を保証することに充分留意している」 というものでした。
そこで各方面の関係業者がワシントンに集まりました。 ナイ・ヴァンデンバーグ調査委員会の記録によると、「この会議は、商務長官フ-バーの命令により招集されたものであって商務長官は、各代表から口頭および書面で意見を出させた・・・軍需工業会の各代表は、協議の対象となった軍縮草案にたいしては、満場一致で反対した」といいます。
ジュネーブに派遣される政府代表の一人には、軍需曲次長ラッグルス将軍が極秘のうちに内定していました。 もちろん、この人事は秘密です。 しかし、ラモット・デュポンは早くもこのことを知り、シモンズ大佐をラッグルス将軍を訪ねさせました。
ジュネーブ会議にアメリカ代表が出発する18日前、1925年3月25日、デュポンはシモンズ大佐からの報告を読みました。 それは次の通りです。
「私はラッグルズ将軍を訪問した。将軍は、アメリカ政府はすでに軍縮の方式に関する草案に賛成し、これに協力することを決めている、と説明した。 また、政府から軍需品取引に関しては特許を取得することは可能であり、その場合、商務省から特許をとられたらよかろうと付言した」。
このようなことが会って後、ジュネーブ会議は開かれました。 その結果、軍需資本家たちは、ある程度の制限を受けましたが、にもかかわらず、それは国際的な軍需品の取引を不可能にするものではありませんでした。
ナイ委員長がラモント・デュポンに対して提示した証拠書類の一つに、シモンズ大佐の手紙があります。 それには次のように書いてあります。
「軍需品の国際的取引に関する会議の結果についていえば、その内容 は我々がおぜんそうあるべきだと考えていたものとは、ずいぶん違っている。 それは軍需品製造業者の国際的取引にとっては、かなりの不便はあるが、実質上、なんら妨げになるものではない」。
ナイ・ヴァンデンバーグ調査委員会が、その後あきらかにしたところによると、デュポン以下の軍需資本家たちの希望は、結局あらゆる条約の網の目をくぐるぬけて、ドイツをひそかに再武装させることによって、膨大な利益を引き出すことにあったといわれています。
「我々は、ドイツの再武装について語らねばならぬ。 我々はベルサイユにおける冒険の結果について、直接の責任を感じざるえおえない。 ・・・ もしも、ジュネーブにおける会議の目的が、よこしまな勢力の妨害によって失敗するとすれば、我々は直ちにこれから生じる脅威を防止しなければならない ・・・ 過去および現在に渡り、ドイツ自身を別とすればb、ドイツから利益を得ようとする人々には2つのグループがある。
一つはドイツとの間に普通の商取引を営む人々、もう一つはドイツの再武装から利益を引き出そうとする人々である」(ヴァンデンバーグ議員)
結局、ナイ・ヴァンデンバーグ調査委員会は、ヒトラーの政権獲得前後に、デュポンがぢつの再武装を援助した会社の一つであったという報告を行ったのです。
第一次大戦で天文学的数字の賠償金を払わされ、子供の餓死者まで出るボロボロになった超貧乏国・ドイツですが、時間も立たないうちに第二次大戦でヒトラー率いるナチス・ドイツが何故、いきなりヨーロッパ全土を支配できたのか?
敵国である筈のアメリカの共和党バックのロックフェラー財閥、デュポン財閥、などからの巨額の資金援助・技術援助のみならず、石油供給まであったからです。
・ロスチャイルド財閥-137 ナチスとIBM(共和党/ロックフェラー財閥がバック) https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/76b69d32ab6e5adc2990b18d2d9ba97c
・ロスチャイルド財閥-136 ナチスとスイスそしてBIS
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/e04839d8f1316145b4d0d12cef1c1150
・ロスチャイルド財閥-135 ナチスとシュローダー男爵そしてダレス兄弟 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/02f23c7c72529720e596a9e82a6801a5
・ロスチャイルド財閥-134 ナチスを支援したフォード社(共和党/ロックフェラーがバック) https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/9910d7ed08c81f2c94ee956703408712
・ロスチャイルド財閥-133 ナチスドイツを支援したロックフェラー財閥所有の「スタンダード石油」
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7a043b04c0ea425472e698aa2b8020ff
・ロスチャイルド財閥-125 サウンド オブ ミュージック https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/4247901bb716c22c6e307a39fd959079
・ロスチャイルド財閥-124 シュローダー家 と ナチス https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/fe5d4427abcd2f7c3c994679a322ea66
・ロスチャイルド財閥-123 ワイマール共和国、ナチス政権誕生 https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0ba488be1a990262dd02f3e407d92c57
・ロスチャイルド財閥-122 ヒトラーの幼少期(生い立ち) https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0a3cc64eb26fd0c4f213fb0b2f83f10e
ヒトラーとプーチンはよく似ています。 お世辞にも恵まれない家庭で。プーチンの両親は中卒と高卒で、プーチン自身も目立つことを避けるくらい小心な幼少期ですが、権力を手にした途端に豹変し、過去の黒歴史を隠すようにふるまい、セレブの振りして贅沢三昧と愛人の数々。
多分最後はヒトラーと同じ運命をたどるでしょう。
(関連情報)
・デュポン財閥-1 概要
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/5226329b578cb7902e701c57de715b54
・デュポン財閥-2 フランス革命とデュポン
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/7211f4344bd946895ce4ad7ebc3960b6
・デュポン財閥-3 大化学会社への成功
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/6f831974d28087140f9c05d7d2cef1ca
・デュポン財閥ー4 火薬トラスト
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/07f92b3459f7715d44c1e0b82d049c4e
・デュポン財閥-5 吊るしあげられたデュポンhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/a7f93c98d714c8a95aa4a0b750c568ac
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