厳戒下にあるウクライナ、首都キーウ(キエフ)の大統領府。会見室に姿を現したゼレンスキー大統領は、つかつかと記者団に近づいた。
「ようこそ!」。英語であいさつし、一人ずつと力強く握手を交わす。11月下旬、日本経済新聞などによる取材冒頭の一幕である。
ところが、ウクライナ語で応じたインタビューでは、苦境や無念の思いがほとばしり出た。「世界の関心が中東情勢に移り、支援の焦点がウクライナ以外にそれてしまった」。最後に、無念そうにこうつぶやいた。
「戦争に巻き込まれず、誰も奪われることがない人々には、戦争がもたらす本当の意味や結末を分かってもらえない」
ウクライナの戦況厳しく
ロシアへの反攻が不調に終わり、ウクライナをめぐる戦況は厳しい。ゼレンスキー氏にはロシアとの妥協を促す声が米国内から聞こえる。米政府のウクライナ支援予算は、枯渇寸前だ。
トランプ前大統領に近いというバンス米上院議員(共和党)は12月上旬、米CNNテレビで、ウクライナが領土割譲に応じるのが「米国の最善の利益だ」と言い放った。
西側諸国は1930年代当時の大失敗を改めて思い起こすときだ。38年、チェンバレン英首相らはナチスドイツに甘い態度をとり、チェコスロバキアの一部割譲を認めてしまう。足元を見透かしたドイツは翌年、ポーランドに侵攻し、第2次大戦が始まった。
世界は今、似たような岐路にある。ウクライナの一部領土をロシアに譲ったら、悪影響は欧州だけではすまない。力ずくで領土を奪っても構わない風潮が、世界にまん延する。ロシアと結束するイラン、中国はそれぞれ中東、アジアでより強気の行動に走るだろう。
きな臭さを増すアジア
23年11月上旬、アラブ首長国連邦(UAE)に中東や西側諸国の識者が集まり、「世界政策会議」が開かれた。イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突にイランが関与し、「米国を巻き込んだ大紛争」になることを恐れる声が相次いだ。
アジアもきな臭さを増す。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は11月、バイデン米大統領に台湾侵攻の具体的な計画はないと告げた。だが、必要なら武力行使を辞さない方針を、習氏はこれまで重ねて表明している。米軍機への接近など、中国軍が挑発の水準を上げ始めた形跡もある。
来年11月の米大統領選に向けトランプ氏は10月、「第3次大戦が近づいている。止められるのは自分しかいない」と豪語した。だが、ロシアのプーチン大統領に融和的で、「米国ファースト」路線のトランプ氏が当選すれば、「大戦への流れがさらに加速してしまう」と、欧州元高官は恐れる。
米国は世界の警察官の座から降り、米軍も一つの大紛争を戦う能力しかない。ならば、日本を含めた同盟国が平和への貢献を増やし、米国と連携して戦争のドミノを防ぐのが最善の道だ。
(本社コメンテーター 秋田浩之)
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日経記事 2023.12.25より引用
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・2008年、プーチンが語るウクライナはウクライナのモノ、ロシアの物ではない。https://www.youtube.com/watch?v=1__EPqhMrFQ
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プーチンがロシアの領土でないと自分で言っているのに、トランプはわざわざロシアにくれてやるのか? アホか??? いい加減にしろ!
【事実】2016年、トランプ・ブームはマケドニアの小さな町ヴェレスの若者たちのデマから始まった。https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/02dc2fa491e85b3d17884ebf16907127
・トランプとQアノンのデマを信じる阿呆たち-1 ~トランプはDSと戦っている? アホか
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/358b3a0253fd576b529d92a0057dca71
・トランプとQアノンのデマを信じる阿呆たち-2 ~トランプは平和主義者で暗殺も戦争もしない? アホかhttps://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/56dd7b8ead46e7304879c33ee5f4e10b
・【解説】 Qアノン陰謀論とは何か、どこから来たのか 米大統領選への影響は
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-53929442