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ロシア、4.8兆円増税 侵略長期化で財源確保

2024-07-11 22:04:35 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


ロシアのプーチン大統領はウクライナ侵略の長期化に向け、軍需産業への
支援を増やしている(8日、モスクワ)=AP

 

ロシア上下両院で10日、法人税の引き上げや個人所得税の累進課税などを盛り込んだ税制改正案が通過した。

ウクライナ侵略が長期化し、膨張する国防支出の財源とする狙い。増税に直面する民間企業には不満もくすぶる。

 

ロシア政府が5月末に税制改正案を承認し、10日に下院の第3読会で採決された。上院も同日に承認した。プーチン大統領の署名を経て成立し、2025年から適用される。

大幅な税制改正は約20年ぶりで、幅広い層への増税が柱となる。25年の歳入は2兆6000億ルーブル(約4兆8000億円)増える見通しで、国内総生産(GDP)の1.4%にあたる。

 

法人税率を20%から25%に引き上げる。ロシア財務省によると法人増税で1兆6000億ルーブルの歳入増を見込む。石炭や鉄鉱石、ダイヤモンドなど天然資源の採掘にかかる課税も強化する。

個人所得税では年収によって5段階(13〜22%)の累進課税を導入する。歳入を5300億ルーブル押し上げる。年収が240万ルーブル未満の場合は13%に据え置き、年収が5000万ルーブルを超える場合は22%となる。

 

ロシアは徴税率を引き上げるため、01年に所得税を一律13%に設定した。21年に年収500万ルーブルを超える場合に15%を課税する2段階の累進課税を取り入れたが、高所得者を優遇する税制が続いてきた。

改正法案の審議では保守主義に傾くプーチン政権の意向を色濃く反映した。離婚にかかる費用を現状の650ルーブルから5000ルーブルに引き上げる条文を盛り込んだ。出生率の低下に歯止めをかけるため、2人以上の子どもを持つ低所得家庭を対象に所得税の控除なども追加した。

 

ウクライナでの戦争が長引き、ロシアは財源不足に直面してきた。

ロシアの24年の国家予算では国防費が前年比6割増の10兆8000億ルーブルに膨らむ見通しで、歳出全体の3割を占める規模になる。軍需産業からの調達や契約兵への給与などが財政を圧迫している。

 

23年には大企業を対象に、超過利益に1回のみ課す追加課税を打ち出した。今回の増税により戦時経済の財源を安定して補い、企業や富裕層に負担分担を求めることで社会的な公平をアピールする狙いが浮かぶ。

企業収益は平均で6%落ち込むとの試算がある。最大の経済団体、ロシア産業企業家同盟のショーヒン会長は投資額に応じた法人税の控除拡大を主張したが、審議では反映されなかった。

 

税制の優遇は軍需関連など製造業に集中し、民需を中心とする民間企業に恩恵が及びにくい。

個人所得税を巡ってロシア政府は影響を受けるのは労働人口の3%(約250万人)にとどまるとの予測を発表したが、「熟練労働者やエンジニアなどの負担が過度に増える」(ショーヒン氏)との指摘がある。

 

ロシアでは人手不足を背景に平均給与も大幅に上昇している。税負担が増える労働者が想定を上回る可能性があり、社会的な不満につながりかねない。

 

 
 
ウクライナ侵略

2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。

 

 

日経記事2024.07.10より引用

 

 


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