日仏経済交流委員会のドミニク・レスティノ会頭
日仏経済交流委員会のドミニク・レスティノ会長は9日、日本経済新聞の取材に応じた。日仏の経済関係について「欧州とアジアにおける連携の模範にしたい」と語った。2024年に開催するパリ五輪についても日本政府や企業との連携を一段と深める意欲を示した。
レスティノ氏は緊迫化する中東情勢やロシアのウクライナ侵攻などを念頭に「世界は緊張状態にある。より良いビジネスをするには相手国との友好関係の構築が重要だ」と強調した。ビジネスパートナーの条件として信頼性が求められるとの考えを示した。
そのうえで「日仏は多くの価値観を共有できると確信している」と述べ、ビジネスのほか教育などの分野でも人材交流を発展させたいとした。また「将来を見通せるという意味では日本が信頼できるパートナーだ」とし、パリ五輪は「経済協力関係を構築し、発展させる絶好の機会だ」と述べた。
「日本はアジア経済への扉だ」と話し、日本との関係を起点に韓国をはじめとするその他アジア諸国ともビジネス面での関係を深化したいとした。
アジアで覇権主義的な動きを活発化している中国については「長年の関係を築いている」と説明し、経済面での協調を継続する考えを示した。
レスティノ氏はパリ・イルドフランス商工会議所会頭と、同商工会議所が創立した日仏経済交流委員会の会長を兼任する。レスティノ氏は今回の来日で、東京や大阪で約50の会合を開き、同行したフランス企業と共に日仏ビジネス連携について話し合った。