トランプ氏は2017年に故宮博物院で習近平氏の接待を受けた=ロイター
嫌な予感がする。20日に就任したトランプ米大統領があからさまに中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席に近づいている。
日本の頭越しに米中が手を結ぶ事態は、なんとしても避けなければならない。
驚いたのは、就任式の前日に飛び出した次の発言だ。「私はTikTok(ティックトック)が好きだ」。
中国発の動画共有アプリであるTikTokは、米国での運用を規制する法律の発効で一時、サービスの停止に追い込まれた。トランプ氏は大統領に就くなりそれを覆し、TikTokに75日間の「猶予」を与えた。
振り返れば、そもそも最初にTikTokの規制に乗り出したのはトランプ氏自身である。
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2020年の夏、1期目の大統領職にあったトランプ氏は、中国側にTikTokを米企業に売却するよう迫った。新型コロナを「チャイナ・ウイルス」と呼び、中国を目の敵にしていたころである。
そのトランプ氏が、手のひらを返すようにTikTokに救いの手を差し伸べた。相手から譲歩を引き出さない限り、絶対に引かないのがトランプ流だ。中国側と何らかのディールがあったとしか思えない。
伏線は、17日に実施した習氏との電話協議だった。電話はトランプ氏から習氏にかけたという。
「われわれは多くの問題を共に解決し、すぐにでも始めることができると期待している」。トランプ氏は自らのSNSで、TikTokの問題も話し合ったと明らかにした。
電話協議の直後に、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはトランプ氏が「100日以内の訪中に関心を示している」という側近の話を伝えた。
中国の官製メディアはトランプ氏が電話協議で次のように語ったと報じている。「できるだけ早く習主席に会いたい」。おそらく自分から「中国に行く」とほのめかしたのだろう。
トランプ氏が前回、北京を訪問したのは大統領だった2017年11月だ。
習氏はこのとき、かつて皇帝の住まいだった故宮博物院(紫禁城)を「貸し切り」にし、トランプ氏とメラニア夫人に茶会や京劇の鑑賞など至れり尽くせりの接待をした。
「習近平国家主席と彭麗媛夫人へ、故宮での忘れられない午後をありがとう」。トランプ氏はすぐさまツイッター(現・X)にこう記した。
トランプ氏が習氏に好意を持ったのはまちがいない。前例や外交儀礼を気にしないトランプ氏にとって、大統領に再登板してすぐ「友人に会いに行く」のは自然な流れなのだろう。
トランプ氏が真っ先に中国を訪れれば、習氏には大きな得点になる。本来なら、こんどは習氏がワシントンに行く番だ。それなのに米大統領がわざわざ会いにくれば、習氏は自らの権威をアピールできる
逆に、トランプ氏にはリスクがある。「敵国」である中国になぜ出向くのかと、米国内で批判を浴びかねないからだ。それを冒してまで中国を訪問するのは、リスクを上回る成果を得られると判断したときだけにちがいない。
「成果」とは何か。17日の習氏との電話協議のあと、トランプ氏は「世界をより平和で安全にするために習氏と可能な限りのことをする」とSNSに書き込んだ。ウクライナやパレスチナの問題についても話し合ったのだ。
習氏の手を借りてロシアのプーチン大統領を説得し、世界に向けて公約してきたウクライナ戦争の停戦を実現する。それこそが、トランプ氏の望みに思える。
習氏はトランプ氏が就任式を終えた直後の21日、北京の人民大会堂でプーチン氏とのオンライン協議に臨んだ。「安定した中ロ関係」を確認したうえで、習氏がトランプ氏の考えをプーチン氏に伝えた可能性は十分にある。
トランプ氏は21日の記者会見で中国製品に10%の追加関税を課す時期に関し「2月1日が候補日だろう」と語った。習氏から譲歩を引き出すために、硬軟織り交ぜてくせ球を放っているとみるべきだ。電撃的な訪中もあるかもしれない。
日本にとって最悪のシナリオがささやかれる。トランプ氏が北京に飛び、習氏を挟んでプーチン氏と握手する。日本に立ち寄って石破茂首相に会う時間はない。米大統領が日本より先に中国を訪れる歴史的な「ジャパン・パッシング」である。
石破首相はトランプ氏とまだ電話で5分話しただけだ。とにかく、一刻も早く会った方がいい。
[日経ヴェリタス2025年1月26日号]
日経記事2025.1.25より引用
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アホボン・トランプとお馬鹿国民で、アメリカ終わりの始まり。
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*文化人放送局、ダイレクト出版のアホ爺たち、まだ生きとるか? 息しとるか?
最初からわかっとるだろうが、ドアホらが!!