住友化学は30日、2024年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が3120億円の赤字(前の期は69億円の黒字)になったと発表した。
従来は2450億円の最終赤字を見込んでいたが、赤字幅が670億円広がる。連結子会社である住友ファーマの医薬品の特許権などで減損損失を計上するため。過去最大の赤字幅となる。
住友ファーマでは販売が落ち込む子宮筋腫と子宮内膜症治療薬「マイフェンブリー」の特許権の一部を減損するなどし、医薬品関連で合計1808億円の減損を計上する。
中国の増産影響や景気悪化で採算が悪化している石油関連事業では、千葉工場(千葉県市原市)の設備や工場共用資産の回収可能価額を見直し、253億円の減損を計上する。
同日開かれた会見で、住友化学の岩田圭一社長は赤字幅の拡大について「非常に多額で危機的な状況と重く受け止めている。25年3月期のV字回復を果たすのが責務だ」と述べた。
25年3月期の通期連結業績については売上高にあたる売上収益で前期比9%増の2兆6700億円を見込む。本業のもうけを示すコア営業利益は1000億円(前期は1490億円の赤字)、最終損益は200億円と黒字転換を見込む。配当は1株あたり9円と24年3月期予想と同水準を維持する。