ゲイツ氏はハリス氏支援のNPOに寄付したと報じられた(4月、リヤド)=ロイター
【シリコンバレー=山田遼太郎】
米マイクロソフト共同創業者ビル・ゲイツ氏が11月の米大統領選で、民主党候補のハリス副大統領の支持に回ったことが22日明らかになった。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が、ゲイツ氏はハリス氏を支援するNPOに5000万ドル(約75億円)を寄付したと報じた。
ゲイツ氏はこれまでハリス氏への支持を公に表明していない。政治に直接の関与を避け、過去の大統領選でも立場を明確にしないことが多かった。多額の献金はこうした従来の立場の転換となる。
NYTは関係者の話に基づき、ゲイツ氏が共和党候補のトランプ前大統領の当選を強く懸念していると伝えた。
ゲイツ氏は自身が率いる慈善団体や投資ファンドを通じ、気候変動対策や公衆衛生に資金を投じてきた。トランプ氏が再び大統領に就けば、こうした分野に逆風になると警戒しているという。
ゲイツ氏はNYTへの声明でハリス氏支持や寄付額に言及しなかった。「米国と世界におけるヘルスケアの改善、貧困削減、気候変動との闘いに明確なコミットメントを示す候補を支持する」と述べた。
一方で、ハリス氏とトランプ氏の接戦が続く今回の大統領選の重要性を強調した。「私は政治的立場を超えて指導者らと協力してきた。
ただ今回は、米国人と世界中の最も弱い立場の人々にとってかつてない重要性を持つ、これまでとは異なる選挙だ」とコメントした。
NYTによるとゲイツ氏の寄付先がNPOのため、献金者や金額は明かされない見通しだという。
ゲイツ氏は米テクノロジー界を代表する大富豪だ。米ブルームバーグ通信の長者番付によると資産は1620億ドルに上る。
米国ではトランプ氏を支持する起業家のイーロン・マスク氏らに続く5位だ。長年の慈善活動でも知られる。
今回の大統領選では、ゲイツ氏の元妻で慈善活動家のメリンダ・ゲイツ氏もハリス氏支持を表明した。
カマラ・ハリス副大統領に関する最新ニュースや発言・解説などをお届けします。2024年のアメリカ大統領選挙でバイデン大統領の出馬断念をうけ、民主党の候補者として出馬します。