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ラトビア大統領「隣国ロシアの暴力工作が激化」

2024-10-19 08:34:12 | NATO・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


エドガルス・リンケービッチ大統領=ILMARS ZNOTINS撮影、ラトビア大統領府提供

 

ロシアと隣接するバルト3国のラトビアのエドガルス・リンケービッチ大統領は、大統領府で日本経済新聞の取材に応じ、ロシアから欧州への「ハイブリッド攻撃」が激しさを増していると指摘した。

ロシアに侵略されるウクライナの安全を保障するには、北大西洋条約機構(NATO)への加盟が不可欠だとも強調した。

 

 

テロ行為にSNS、移民も「武器化」

ハイブリッド攻撃とは暗殺やテロ、情報操作、サイバー攻撃を組み合わせた作戦だ。軍事力の行使には至らないものの、暴力や破壊工作によって相手国を傷つけ、社会を混乱させることを狙っている。

リンケービッチ氏は「ハイブリッド戦争は今後、必ず激化する。実際にそうなっている」と警告し、「すでに多くの事例が報告されている」と語った。

 

具体例として、暗殺を実行したロシア工作員がドイツで捕まり、有罪になったほか、欧州内でも爆破テロなどの脅威が出ていることなどを挙げた。

さらに、SNSと人工知能(AI)を使った偽情報のキャンペーンも勢いづいているとした。

 

最近では移民を「武器」のように使うハイブリッド攻撃も深刻だ。リンケービッチ氏によれば、ロシアの同盟国である「ベラルーシは移民を雇い、ラトビアやリトアニア、ポーランドの領土に流入させようとしている」。

一連のハイブリッド攻撃への対抗策としては、NATO、欧州連合(EU)と日本、韓国、オーストラリアといった有志国が司法・情報機関などの連携を急ぐ必要があると訴えた。

 

 

ウクライナのNATO加盟は「不可欠」

ウクライナとロシアによる停戦交渉の見通しについては「現時点で、そうした問題を議論するのは時期尚早だ」と述べるにとどめた。理由の一つとして、11月の米大統領選が交渉の行方を左右するとの認識を示した。

そのうえで、ロシアはこれまでウクライナとの停戦合意に繰り返し違反してきたと指摘し、「NATO加盟こそが、ウクライナにとって唯一の安全保障だ」と主張した。時期はともかく、最終的にウクライナをNATOに入れなければ、ロシアによる再侵略の脅威がくすぶり続けるとの立場だ。

 

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NATOのルッテ事務総長㊨と記者会見で握手するウクライナのゼレンスキー大統領
(17日、ブリュッセル)=ロイター

 

ドイツやデンマークの国防相は今年に入り、数年以内にロシアがNATOを攻撃する危険があると警告している。この見方について、リンケービッチ氏は「現時点でいえば、ロシアはウクライナとの戦いで完全に手いっぱいだ。NATOを直接、攻撃する力はない」と断定した。

通常戦力でみれば、ロシアはNATOの総戦力に到底、太刀打ちできない。プーチン・ロシア大統領はそれでも米欧に強気な言動を続けているが、その脅しを真に受けるべきではないとの思いが発言の裏にある。

 

 

もっとも、プーチン政権が時間をかけて軍や経済の態勢を立て直した際、NATOがぜい弱に映れば「ロシアは攻撃の誘惑にかられるだろう」とも語り、NATOは防衛力の増強をさらに急ぐべきだと呼びかけた。

 

 

国防予算増が米国との「結束」に

ラトビアは現在、国内総生産(GDP)の3%超を国防予算に充てており、NATO目標の2%を上回る。ロシアに隣接し、深刻な脅威にさらされているためだ。それだけにリンケービッチ氏は、なお2%を達成していないNATOメンバー国が少なくないことに強い危機感を示した。

その本音があらわになったのが、トランプ氏が米大統領選で当選する可能性について聞いたときだ。欧州内には米政権がロシアの態度に理解を示すシナリオを恐れる空気があることを念頭に、彼はこう力説した。

 

 

「誰が次の米大統領になろうとも、NATO加盟国は少なくともGDPの2%を(国防費に)支出しなければならない。米国と強い協力関係を望むなら、NATOの欧州側がより強固になる必要がある」

(リガにて、本社コメンテーター 秋田浩之)

 
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秋田 浩之

長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点に北京とワシントンの駐在経験も。国際情勢の分析、論評コラムなどで2018年度ボーン・上田記念国際記者賞。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。

 

 

 

日経記事2024.10.19より引用

 

 

 

 

 


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