バイデン氏は側近に「数日以内に世論を納得させられなければ候補者として挽回できない
かもしれない」と語ったという=AP
【ワシントン=坂口幸裕】
米紙ニューヨーク・タイムズは3日、11月の大統領選で再選をめざしてきた民主党のバイデン米大統領が選挙戦を継続する可否を検討していると側近に伝えたと報じた。
共和党のトランプ前大統領と参加した6月27日のテレビ討論会で精彩を欠き、民主党内で撤退論が出ている。
ニューヨーク・タイムズは、バイデン氏がトランプ氏との討論会を受けて側近に「数日以内に世論を納得させられなければ候補者として挽回できないかもしれない」と語ったと伝えた。
バイデン氏は3日、民主党の知事らと会談し、大統領選に向けて協議する。週内に予定する米メディアとのインタビューや支持者との集会なども踏まえて予定通り立候補するかどうかを最終判断する見通しだ。
バイデン氏のアドバイザーは「バイデン氏は自身が直面している政治的試練を十分に認識している」と唱えたという。
ホワイトハウスの報道担当者はニューヨーク・タイムズの報道について「全くの虚偽だ」とコメントしたとも記した。
民主党内からはバイデン氏の撤退論が公然とあがり始めた。
ロイド・ドゲット下院議員は2日の声明で「バイデン氏が撤退という苦渋の決断をするよう望む」と提起した。AP通信によると、現職議員として初めて公の場で選挙戦から退くよう求めた。
バイデン氏は討論会で言葉に詰まったりトランプ氏の虚偽の主張にうまく反論できなかったりしたとして酷評された。
ただ、討論会後も「この選挙に勝利するつもりだ」などと選挙戦を継続する意向を表明してきた。
ホワイトハウスのジャンピエール大統領報道官は2日の記者会見で「バイデン氏は一度打ちのめされても立ち上がる」と話し、撤退論を打ち消した。
米CNNが6月28〜30日に実施した調査によると、75%がバイデン氏以外の人物を民主党の候補にした方が大統領選で勝利できると答えた。同氏のままの方が勝率が高いとの回答は25%だった。

2024年に実施されるアメリカ大統領選挙に向け、現職のバイデン大統領やトランプ氏などの候補者、各政党がどのような動きをしているかについてのニュースを一覧できます。データや分析に基づいて米国の政治、経済、社会などに走る分断の実相に迫りつつ、大統領選の行方を追いかけます。
続きを読む
日経記事2024.07.04より引用