http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140217-00000028-jij_afp-int
【AFP=時事】小粋なフレンチレストランで料理の写真を撮影すると、シェフが激怒してキッチンから飛び出してくるかも知れません──。
ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)にアップするため、客がスマートフォンで料理の写真を撮ることに、ミシュランガイド(Michelin Guide)に名を連ねる店のシェフたちは、いい加減うんざりしているようだ。このような料理の写真を撮影してSNSに投稿する行為は「フード・ポルノ」と呼ばれている。
フード・ブロガーはもとより、シェフの中にも無料の宣伝になるとして写真撮影を擁護する声も聞かれるが、最近では度が過ぎているという意見が多数派を占めている。
「何にでも時と場所というものがある」と苦言を呈するのは、仏北部の町、ラ・マドレーヌ・ス・モントルイユ(La Madelaine-sous-Montreuil)にあるラ・グルヌイエール(La Grenouillere)のシェフ、アレクサンドル・ゴーチエ(Alexandre Gauthier)氏。「私たちは客に安らげるひと時を提供しているのだ。そのためには携帯電話の電源を切ってもらう必要がある」
店内での写真撮影を止めさせるため、同氏のレストランのメニューにはカメラにバツ印を重ねたイラストが描かれている。「ツイートされて、コメントが書き込まれ、それに返信して…そんなことをしてる内に料理は冷めてしまう」
■「SNSは宣伝だ」
仏南部の町フォンジョンクーズ(Fontjoncouse)にある三ツ星レストラン、オーベルジュ ドゥ ビュ ピュイ(L'Auberge du Vieux Puits)のシェフ、ジル・グジョン(Gilles Goujon)氏も「アマチュア写真家」たちのマナーの悪さに憤慨している。同氏は、料理の写真は「(皿の上から)驚きを奪い、私の知的財産権を少しだけ侵している」とし、また「スマートフォンで撮影される写真の質がいいことなんてほとんどない。それは私たちの仕事を見せる最高のものではない」とコメントした。
怒りをあらわしているのは、フランスのシェフたちだけではない。米国の有名店でも料理の撮影を禁止しているところがある。
フランス人フード・ブロガーのステファン・リス(Stephane Riss)氏は、こうした反応を過剰だと語る。「シェフたちにとっては、話題になればなるほどいいはずだ。写真は宣伝にもなるし、売り上げアップにつながるはずだ」
リス氏はまた、写真による厳しい批判を恐れているシェフもいるはずと指摘する。出来の悪い料理の写真が出回れば、もう否定しようがないからだ。「シェフたちは毎日、最高の料理を出さなければならない。1度の失敗でもネットにアップされれば取り返しがつかなくなる」
他方、シェフの中にも「フード・ポルノ」を歓迎する声もある。パリ(Paris)のレストランのシェフ、ダビッド・トゥタン(David Toutain)氏は、ネットで話題になったことが自分のキャリアを助けたと述べ、「時代に合わせる必要がある。SNSは宣伝だ」とコメントした。【翻訳編集】 AFPBB News