【千葉県でラーメン作りを生業とする職人達のストーリーP6】「らーめん専科海空土@都賀」飽くなき挑戦者店主楠田さん
2002年9月にオープンした煮干しラーメン専門店「らーめん専科海空土@都賀」
店主の楠田賢一さんは、永福町大勝軒系の柏の「大勝(だいかつ)」の味に惚れ込み弟子入り。
その後、2002年独立開業されました。
楠田さんがこだわるのは、開店以来、素材の味を生かした無化調の身体に優しい、小さいお子さんからお年寄りまでのお客さんが安心して食べられるラーメン。
そしてもうひとつのこだわりは、東池袋大勝軒の山岸さんのように「生涯現場主義」。オープンから16年経った今でも厨房では楠田さんのお弟子さんを叱咤激励する声が店内にこだまします。
2015年、断腸の思いで製麺所を永福町系の「草むら商店」から千葉県船橋市の「山田食品」香麺へ変更。2016年は5月に四街道吉岡に2号店をオープン。
創業16年、お弟子さんも独立して、もう老舗の域に達した「海空土」。ややもすると保守的になりがち。
しかし楠田さんは今でもチャレンジャー、攻めの姿勢は変わりません。
ただひとつこぼしておられたのが、人手不足。なかなか募集しても人が集まらないそうです。どこのラーメン店でも同じ悩みを抱えていますね。政治の力でなんとかしてもらいたいものです。
さて海空土ではレギュラーメニューは煮干しの効いた「らー麺」、「味噌ラーメン」、「つけ麺(細麺、太麺選択可)」。ここは不思議と、かいわれ大根トッピング(100円)がとっても良く合います。
店頭には本日の煮干しの紹介も。この日は千葉県産の真鰯、熊本産のウルメイワシ、広島産の片口鰯、の3種類。お客さんに解りやすい表示を心がけているのも楠田さんのお客さんに対する真摯な姿勢の表れ。
最近、美味しい出汁が取れると評判で、都内のミシュラン店も御用達の「パイウォーター(家庭用水改質活性浄化装置)」を導入。味の追求は貪欲です。
また新しいメニューの追求も貪欲で、「みぞれ麺(950円)」を開発。定番の煮干しスープに、大根おろしと梅干しで、さっぱりとした口当たりの美味しいラーメンに仕上がっています。2011年ごろから登場した夏の定番「冷やし味噌ラーメン」もかなりのレベルの高いラーメンだと思いますが、このみぞれ麺もまた、これから春にかけて美味しいラーメンです。
柏の「大勝(1978年創業)」の味は、千葉市に来て、楠田さんの手により、また新たな可能性を秘めた「煮干しワールド」を展開、地域の煮干しラーメン好きなお客さんに愛されています。都賀に海空土あり!
まだまだ楠田さんに注目ですね。