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2009年/79分/デンマーク・フィンランド・スウェーデン・イタリア
監督:マイケル・マドセン
出演:T・アイカス、C・R・ブロケンハイム、M・イェンセン
これは22世紀の完成を目指してフィンランドで建設中のウラン燃料のゴミ捨て場、それはヘルシンキから西に241kmの島、オルキルト島に作られているフィンランド語で「隠れた場所」を意味する「オンカロ」と呼ばれる放射性廃棄物処理場についてのドキュメンタリー作品だ。実際にオンカロが完成すればもうその姿をこのように見られる機会は永久になくなり、地下深く放射性廃棄物はその放射能の半減期100,000年眠り続けるのだ。映像は淡々と関係者の話とオンカロの映像を積み重ねていく。放射能の扱いの大変さ、怖さを改めて考えるとともに、その徹底した情報公開のあり方に、福島原発事故が起こっている今、改めて求めているのはきちんとした情報なのだと、「大丈夫」としか言わない日本の政府、東電そしてそれをただ伝えるだけの報道にオンカロとの際立った違いに愕然とする。