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2012年/フランス・ドイツ・オーストリア/127分
原題:Amour
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リバ、イザベル・ユペール、アレクサンドル・タロー、ウィリアム・シメル
ストーリー:パリの高級アパルトマンで悠々自適の老後を送る音楽家の夫婦、ジョルジュとアンヌ。ところがある朝、アンヌが突然の発作に見舞われ、夫婦の穏やかな日々は終わりを迎える。検査の結果、病気が発覚したアンヌは手術の失敗で半身に麻痺が残る事態に。“二度と病院には戻りたくない”とのアンヌの願いを聞き入れ、ジョルジュは自宅での介護を決意する。自らも老いた身でありながら、これまで通りの生活を貫こうとする妻を献身的に支えていくジョルジュだったが…。~allcinemaより
観たいと思っていたのだけれど上映館が意外に少ない気がするこの作品、なんとかバウスシアターで観ることができた。
最初の音楽会場での華やかな雰囲気から淡々としかし現実的に残酷にジョルジュとアンヌの否応なく変化していく日々が綴られる。ピアノの音以外の無駄な音が一切排除されていて、どこか「しん」とした印象なのだが、それが作品の進行とともに観ている側に重くのしかかってくる。これも一つの現実、だけど現実はもっと過酷だと告げられているような、突き放された残酷さとある種の意地悪さを感じて辛くなる。題名である「愛」は、「愛とは?」という問いかけなのだろうか。