
2014年/日本/103分
監督:米林宏昌
原作:ジョーン・G・ロビンソン
音楽:村松崇継
声の出演:高月彩良、有村架純、寺島進、根岸季衣
ストーリー:心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。~シネマトゥデイより
とにかく絵が美しい~

みずみずしい植物、刻々変わる入江の様子など、はっとさせられ、時に息をのむほど美しい。
お話はミステリアスで謎解きに満ちている。「マーニー」って誰?と杏奈と一緒に正体不明のマーニーを追いかけているうちに、最後に全てがくるんと一つながりの輪になっていた、と気付かされる。
私は写真の中で杏奈が抱いていた人形がマーニーだと思い込んでしまったのだけれど・・気持ちよくだまされました。
12歳の思春期の少女のとんがった気分、心がここで繊細に描かれる。
両親の死後、彼女を引き取って育てている義父母のことを含め、不安定な位置にいると自覚することで余計に自分を追い詰めてしまっていた杏奈。
彼女はマーニーに出会ったことで、自分自身を知りアイデンティティを手にすることができたのだ。確固としたそれを内なる自分に自覚することで杏奈は成長していく。
この作品の前に観たのが『ぼくを探しに』だったのだが、テイストは全く違うにもかかわらず、どちらも心のロード・ムービーと感じる。