Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

わたし流 3/4 (金)

2005-03-05 14:23:53 | リュウガクジダイ
小学校1年生のクラスで授業をしたあと、それを見ていた担任の先生が私の英語のアクセントがとても好きだと言いました。
「まるで何かオンガクを聞いているみたい」と。

「英語」と言っても、アメリカではいろんな人が本当にいろんな英語を喋っています。スタンダードイングリッシュというものはもちろんあるけど、ヨーロッパ系(西欧と東欧でも違うし)、アフリカ系、ラテン系、アジア系(中国人の英語、韓国人の英語、日本人、タイ人、インド人、それぞれ違う)・・・などなど、それぞれが独特のアクセントで英語を喋っています。

アメリカに来れば自然にネイティブの英語が身に付くというのは、大きな間違い。リサーチでも証明されているように、「何歳の時に渡米したか」がカギとなります。「何年居たか」ではないのです。

Syntax(統語論)の面では30~40歳でも努力しだいでほぼネイティブ並みの英語を獲得することができますが、Phonology(音韻論)の面では11歳~15歳の間に渡米した人でも、母国語のアクセントは抜けないという結果が出ています(古いけれどSusan Oyama,1976のリサーチによる)。

キッシンジャー外交で知られ、私の大学の学長でもあるHenry A. Kissingerは、ドイツで生まれ、15歳の時に渡米しましたが、今も残るドイツ語アクセントの英語が有名です。

そんなことを思うと、純・ジャパニーズで20代後半に渡米した自分の英語から日本語アクセントが消えるはずもなく、今はむしろ自分流の英語でいこう!と思っているしだい。

実習で、クラスでの指示や生徒の前で何かを「教える」となると、まず声が大きくなる。ジェスチャーも大活躍し、生徒とのやりとり、アイコンタクトを取りながら、何より授業のテンポを大切にしたいと思っていた今日この頃。あなたの英語はオンガクみたいと言われてなんだか嬉しかった。

---

ここに書いてあるリサーチの出どころはIn Other Wordsという本。第2言語習得のいろんなヒミツがわかります。おもしろい。