先日に続きオーストラリアの医療システムについてです。
この国にはメディケアという日本で言う国民健康保険みたいなものがあって
永住している人は、必ずこのメディケアに加入しています。
日本の国民健康保険は世帯ごとに保険料を納付しないといけませんが、
オーストラリアのメディケアの場合は、保険料納付は必要ありません。
このメディケアだけで診療、治療をまかなうのであれば、無料
お金がかからな~い
診察費も、検査費も、入院費も、手術代も た・だ
これだけ素敵なメディケアのシステムがあるのに、
国民の約半数は民間の医療保険に入っています。
決して安くないこの民間の医療保険、なぜ、入る必要が
メディケアでカバーされるのは、公立病院での医療行為のみ です。
ただ、公立の病院の専門医はとにかく忙しい!そして病院も飽和状態なのです。
なので、緊急以外で、初診の予約をとるには、
すご~く待たなきゃいけないし、下手すりゃ数ヶ月待ち。
手術なんていったら、1年待ちなんて軽くあります。
私の知り合いで皮膚がんの手術まで、1年半待った人がいます。
癌ですよ。。癌。。
そして医師を選ぶ事ができません。
とにかくGPに言われた病院の医師の時間が空くのを待つ、待つ、待つ・・・・・
で、待ってめでたく初診
先生、会いたかった~と喜ぶのもつかの間・・・・・
治療は他の先生がしたりします。ひえ~また待つのぉ
いっぽう、、民間の医療保険に入っていると。。。
自分がつきたい専門医を指名できる それをGPにリクエストでき、紹介してもらえるのです。
だから、早く治療したい人は時間の空いてる専門医を探せるし、
評判の腕のいい先生にみてもらいたい人は、その先生の所にも予約ができるのです。
こういった先生方は、私立病院を基点に働いていて、
初診から治療まで、責任をもって診てもらうことができます。
入院した場合は入院費は、民間医療保険で多くはカバーされますが、
こういったお医者様たちは、診察料も高いので、ある程度、自腹で払う部分もでてきます。
そのほか、メディケアは、救急車や歯科の治療費カバーは含まれてません。
もし、交通事故で、重症な人がいたとします。助けなきゃ!と思います。
日本だったらまず救急車ですよね。でも。。。
もし、その人が「救急車は呼ばないで~、保険入ってないから、救急車代払えないよ。
君の車で病院連れてって~お願いだよ~」なんて言われたら、呼べません。
責任もって連れてってあげましょう メルボルンは6~7万しますから、大金です。
でも、鼻血で救急車で病院にくる人は日本のように多くはないし、
タクシー代わりに救急車を使う人はまずいません。
あたりまえ、タクシーのほうが安い!
そして、歯が痛くて痛くて仕方がない時でも、歯の治療費は自腹で払うしかありません。
大きな虫歯なら8~15万ほどかかります。ひえ~。
普段からのお手入れはかなり大切です。歯磨きは必ずしましょう。
というふうに、メディケア、不便なところもあるのです。
私は、民間保険、一応入ってます。
そして、今、入院してますが、やっぱり入っててよかったと思ってます。
もちろん損か得かで言ったらわかりませんが、安心を買っているというつもりでいます。
お昼ご飯用の$10の買い食いをやめれば、ありがたい事に1年間の保険料は払えますし、
もし、腕なんか折ったり、突然耳が聞こえにくくなってきたりしたら、仕事にかかわるし、
とにかく早く先生に見てもらいたいので。。。
医療は平等に行われるべき。
しかし、世界中の多くの国で医療財政の危機は共通の悩みです。
オーストラリアの医療システムはメディケアという平等性のシステムを前面に出しながら、
民間医療保険の加入を勧め、差別化をはかり、
国の医療、財政負担を軽減させているんですね~。
そして、日本の国民皆保険制度の素晴らしさが身にしみますが、
医療機関で働く皆様の健康や負担はどうなのか、平等とはなんなのか。
難しい問題です。