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「明日への神話」~岡本太郎

2006-07-16 | 徒然
15日の日テレの特番で紹介されていた「岡本太郎」氏の幻の作品が、このたび修復完了して日テレ広場に展示されているというので早速見に行きました。今回の修復までのいきさつは、けっこうドラマチックなので、紹介させてもらいます。

1967年メキシコのとあるホテルオーナーから新築ホテルのロビーへ壁画絵製作を依頼され製作に取り掛かるのですが、依頼者側の経営状況が悪化しホテルは未完成のまま放置されてしまい、その後ホテルは、人手に渡り壁画も取り外され各地を転々とするうちに行方不明になっていたそうです。ちょうど日本で万博が開催される前の話です。

 2003年に岡本太郎氏のパートナーであり、長年作品を探し続けてきた故岡本敏子氏がメキシコシティ郊外の資材置き場にひっそりと保管されていたこの作品を探し訪ねあてて発見に至ってそうです。
 壁画は、長年にわたって劣悪な環境に置かれていたようで大きなダメージがあり、岡本敏子氏は、「岡本太郎の最大・最高の傑作をこのまま朽ち果てさせるわけにはいかない」と、作品を日本に移送、修復した後に、広く一般公開を目指すプロジェクトを立ち上げました。
その後2005年にメキシコから日本へ移送し着々と修復作業が続けられこのたびの公開となったそうです。

 作品は原爆の炸裂する瞬間をモチーフとしているそうで、未来に対するメッセージを描いたものだそうです。炸裂の瞬間は残酷な悲劇を内包しながら、その瞬間誇らかに「明日の神話」が生まれると信じた、岡本太郎の痛切なメッセージを伝えているんだそうです。(写真:日テレ広場前に展示された壁画)

岡本太郎「明日の神話プロジェクト」


壁画中央に描かれた抽象的な人物像は、その瞬間を表現したものといえるでしょう。

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