八王子市夢美術館にて、9月14日より開催された『王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメができるまで』を先週末拝観して参りました。
「王立宇宙軍オネアミスの翼」は、今から31年(1987)も前に作られた劇場用SFアニメです。
当時自分は、YMOを良く聞いていてそのメンバーでもある教授(坂本龍一)が手がけた音楽ということで「オネアミスの翼」を、知りました。
ただ、公開当時は教授が手がけたと言う音楽にだけ興味があって、本編の内容自体にはさほど興味はなく映画館にも足を運ぶこともなく結局本編を見たのは、ビデオ化されてからだったと記憶しています。
坂本 龍一作曲 映画「オネアミスの翼」よりオープニングテーマ
映画の物語としては、簡単に言ってしまうと
「自堕落だった主人公がとあるきっかけから改心し宇宙飛行士となり人類初の有人宇宙ロケットを打ち上げる」
と、言った結構ベタな物語です。
(何となく設定自体は、宇宙兄弟に似て無くもない?って、宇宙兄弟がパクっていると、言うことか!?)
残念ながら当時は、劇場用の名作アニメが目白押しに公開されていた時期と重なりナウシカに始まり、本作前年度にはラピュタ。その後トトロが大ヒット。
結局本作の興行収益は散々たるものだったそうです。
ただ、その映像のクォリティに関しては、非常に高い評価を得ていました。
まだCGなどで描かれることが無かった時代。昔からのアナログな手法を用いているにもかかわらず緻密で繊細なその描画とリアリティを求めた設定。どこかで見覚えがあるようで無い世界観など…。
自分もビデオで初めて観た時は、その映像の凄さに驚いたことを覚えています。
さて本展。
当時24歳だった山賀博之監督(現ガイナックス代表取締役)と、まだ無名だった多くのクリエーター達が集まり初めて製作したのが本作
その制作過程でのいろいろな設定資料やイメージイラスト。ボツネタなど良くもまぁこれだけの膨大な資料が30年もの間紛失もせず残っていたなぁと、思ったのと当時の若きクリエーターたちの物凄い独創性と想像力に感服してしまいました。
今までこの様な設定資料がメインの展示会など無かっただけに、なかなか興味深く拝観する事が出来ました。
以下の写真は、会場での展示を撮影したスナップです。
※写真は自由に撮影可能でしたが著作権はそれぞれの作者にありますので転載はお控えください。
※それぞれの写真上でカーソルが変わるものは、クリックして写真が拡大できます。
エントランス
展示会場風景
山賀監督ご自身による手書きメモ
イメージイラスト すでに完成した世界観が感じられます。
当時はまだ映像関連のコンテンツを展開されていない「バンダイ」へのプレゼン用パイロットフィルム用資料展示
リイクニの顔がどこかで観たような顔に…。山賀監督曰くわざと画風を「ジプリ」に寄せたんだとか。
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パイロットフィルム用の設定資料
本編に登場する食べ物や飲み物の設定資料
リイクニの聖典
驚いたのがコレ。作品の中に登場す異体文字。なんと!コレ 一文字づつフォントを作成されています。また縦横を組み合わせて意味を持つ字になっています。何だか神代文字みたいですね。
宇宙軍本部
衛星シミュレーター
街の看板や町並み
リイクニの部屋
ロケット発射場 ロケットの発射シーケンスなどを描いたのはこだわりのあの!!庵野さんだそう。
シロツグ キャラデザを手がけるのは、あの!!貞本義行さん
リイクニ
キャラ 身長対比
主要登場人物
宇宙旅行協会の「おトシをめした方々」wほか
笑ってしまったのがそれぞれのキャラデザに添えられている人物イメージ
宇宙軍礼服
膨大な、いわゆるボツネタの数々
完成したセル画
本作のオープニングに流れる独特のタッチのイメージイラストを手がけられている画家の大西信之氏の作品
実はコレ 山賀監督の自室からわざわざ持って来られたものだとか。オープニングのカットにも使われています。
山賀監督自ら描かれた襖絵 「かろうじていきている」オネアミスの翼の続編とも言われている次回作「蒼きウル」のイメージ襖絵(縮小複製)
当日午後3時からは、山賀監督自らのギャラリートークがあり製作秘話や面白いエピソードなど興味深いお話をたくさんお聞きしました。
なかなか気合の入っている図録 買いです!!
出来うるならば、展示物を見る前に本編の映画が定刻で上映されていますので、そちらを先に鑑賞する事をお勧めします。鑑賞してから展示物を見ると感慨ひとしおです。
また、山賀監督自らによるギャリートークも今後定期的に行われる様ですので関連ホームページをチエックしてからお出かけください。
会期は11月11日(日)まで。
関連リンクページ
・八王子市夢美術館
・「王立宇宙軍 オネアミスの翼展 SFアニメができるまで」開催のお知らせ
(9/27)一部記事内容加筆及び訂正
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