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蛇より行事@北辰妙見尊(東京稲城市百村)

2012-08-08 | 神社・仏閣
毎年8月7日に、東京は稲城市百村に鎮座する妙見寺の別当「北辰妙見尊」で、執り行われるその貴重さから東京都指定無形民族文化財に指定されている「蛇より行事」に、参加してきました。

■蛇より行事 以下「妙見寺」HPからの引用
稲城市百村の妙見尊で毎年8月7日に行われる伝統行事です。
寛文二年(1662)、諸国に疫病が流行した折に、百村地区の疫病退散・雨乞い・五穀豊穣などを祈るために始まりました。
当日の朝、北斗七星になぞらえた当番の村民7名が青カヤを刈り、小束にまとめたものを、午後2時頃から、参集した村民などにより、頭・胴体とより始め、完成した後に集まった人々が、尻尾から妙見尊山頂に向け担ぎ出し、最後に頭と胴体をつなぎ、妙見寺住職の魂入れによって行事は終了します。
より上げた胴体に触れると、一年間病気をしないという言い伝えがあります。
素朴な行事ですが、伝統があり、お宮(妙見尊)の行事をお寺(妙見寺)の住職が執り行う大変に珍しい行事で、平成4年に東京都の無形民族文化財に指定されました。



境内説明版

妙見山(妙見尊)へ至る参道

午前中に近くの茅場から刈り出された茅を一握りにまとめて、半日天日干しにします。

妙見山中腹にある茅場 ここから茅が刈られるそうです。(たまたま居合わせた長老からお聞きししました。)

妙見尊拝殿 造りはお宮ですが細部を見ると微妙に異なっています。

拝殿に掘られた亀の彫刻 北辰=北極星 守る四神は当然玄武

なかなか見事な手水谷舎の龍口

境内からは、新宿副都心の遠景が良く見えます。

真新しい狛犬ですが、尾を上げている姿は昔のタイプだそうで、親子対になっているのも珍しいそうです。

丸太を組み蛇の胴を茅を撚り合わせて造って行きます。

蛇より行事@北辰妙見尊(東京稲城市百村) part1




蛇の頭を茅を編むような感じで形にして行きます。最後に角をつけて完成です。
蛇より行事@北辰妙見尊(東京稲城市百村) part2

蛇より行事@北辰妙見尊(東京稲城市百村) part3



完成した蛇頭を昨年の物と入れ替えて二十三夜塔の前に供えます。

参拝者が尾の方を先頭に担ぎ上げて行きます。

蛇より行事@北辰妙見尊(東京稲城市百村) part4

妙見尊の参道階段下まで、参拝者達が担ぎ上げます。この際撚った茅で造られた蛇の胴に触ると一年無病息災の御利益があります。今年は、例年よりかなり短かった様です。昔は、妙見尊の周りを一週出来る程の長さだったとか。
昔の資料を掲載されているサイトがありました。

担ぎ上げられ茅で撚られた胴は参道脇に寄せられます。


蛇頭と胴体を合体させます。

僧侶の読経と御神酒をかけ蛇に妙見菩薩の依代が入ります。

全ての行事が滞りなく終了 参拝者には飲み物と菓子が振る舞われました。

御守りが授与されていたので受けてきました。

「蛇より行事」は、神仏混淆の昔ながらの神事が今でも守り伝えられて執り行われる貴重な神事です。
関係者の方から、近年ではなかなかこれらの伝承を伝えて行くのが難しくなっているとお聞きしました。確かにあまり若い方をお見受けしなかった様に感じます。蛇頭の作り方を知る人も少なくなっているようです。
やはりこれは早急に、行政が民族的文化財として保護して行かねばならないのではないかと感じます。
北辰妙見尊(妙心寺)
東京都稲城市百村1588
【地図】


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