イザベル・ヒルトン著、三浦順子訳、世界文化社刊
ダライ・ラマ法王によって、パンチェン・ラマの転生者と認定された
ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年は、中国共産党によって政治犯とされ、
行方不明のままだ。
いまチベットというと、ダライ・ラマ法王のお人柄によって、
この世の理想郷のように思う人もいれば、
不便できたなく、文化がない落ちこぼれの地方と思う人もいる。
この本は、チベットの近代史を、
パンチェン・ラマという高僧を軸にまとめたノンフィクションだ。
チベットは、仏教の国とはいえ、
人が住んでいるところなわけだから、権力闘争もあれば、生臭な坊主もいる。
そして、中国による侵略は、いまも加速しながら続いている。
パンチェン・ラマは、ダライ・ラマに継ぐ高位の僧で、
ダライ・ラマの転生者の認定にはパンチェン・ラマが、
そして、パンチェン・ラマの転生者の認定にはダライ・ラマが
大きく関わってきた歴史がある。
だから、チベット人の心の支えであるダライ・ラマを徹底的に排除し、
中国共産党の支配を盤石なものにしたい中国にとって、
パンチェン・ラマの掌握は、非常に政治的な意味をもっている。
何が起きているのかは、この本やダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイト、
また多くのチベットサポーターが書いていることなので、ここでは割愛しようと思う。
この本を読みながら、改めて、
よくまあ中国は、過去にあった「周知の事実」すら、堂々と改ざんするよな、と思った。
みんなが知らないようなことを、勝手にでっち上げるなら、まだわかる。
学生時代によくあった話に似ていて、つまり、
「彼に告白されちゃった」と、妄想から言いふらす同級生のようなものだ。
でも、中共がやっていることには、
その人には付き合っている人がいて、
しかも仲のよさをみんなが認めているカップルなのに、
「でもね、彼は本当は私が好きなのよ」と言い張るむなしさのようなものを伴う。
単なる妄想によるストーカー行為だ。
中国と関わりをもつと、同じような「なぜ」によく出会う。
勝手に直近の事実をねじ曲げてくる。
私は、この現象を中国人の大好きな歴史から、
勝手にこれを解釈するようにしている。
中国は、史書がしっかりとまとめられている国だ。
そして、各王朝の歴史は、リアルタイムで記されたものを、
必ず次の王朝が、「これは本当にあった歴史です」と認定することによって、
受け継がれてきている。
その際には当然、勝てば官軍の論理が大きく働いているだろう。
「前の王朝は、こんなことをやりました。
そして最終的に人心が離れてしまったので、私たちが世をただし、
人民を統べる役割を仰せつかることになったのです」と言うために、
史書は最終的にまとめられるからだ。
つまり、いまのオレさまが認めるかどうか、が問題なわけなので、
それは、いろいろな論証が出てきたり、消えたりするだろう。
ダライ・ラマ法王の後継者になりたい中共は、
これから、また、いろいろなことをやってくるだろう。
小さい力だけど、私はここから「否」と言いつづけよう。
ダライ・ラマ法王によって、パンチェン・ラマの転生者と認定された
ゲンドゥン・チューキ・ニマ少年は、中国共産党によって政治犯とされ、
行方不明のままだ。
いまチベットというと、ダライ・ラマ法王のお人柄によって、
この世の理想郷のように思う人もいれば、
不便できたなく、文化がない落ちこぼれの地方と思う人もいる。
この本は、チベットの近代史を、
パンチェン・ラマという高僧を軸にまとめたノンフィクションだ。
チベットは、仏教の国とはいえ、
人が住んでいるところなわけだから、権力闘争もあれば、生臭な坊主もいる。
そして、中国による侵略は、いまも加速しながら続いている。
パンチェン・ラマは、ダライ・ラマに継ぐ高位の僧で、
ダライ・ラマの転生者の認定にはパンチェン・ラマが、
そして、パンチェン・ラマの転生者の認定にはダライ・ラマが
大きく関わってきた歴史がある。
だから、チベット人の心の支えであるダライ・ラマを徹底的に排除し、
中国共産党の支配を盤石なものにしたい中国にとって、
パンチェン・ラマの掌握は、非常に政治的な意味をもっている。
何が起きているのかは、この本やダライ・ラマ法王日本代表部事務所のサイト、
また多くのチベットサポーターが書いていることなので、ここでは割愛しようと思う。
この本を読みながら、改めて、
よくまあ中国は、過去にあった「周知の事実」すら、堂々と改ざんするよな、と思った。
みんなが知らないようなことを、勝手にでっち上げるなら、まだわかる。
学生時代によくあった話に似ていて、つまり、
「彼に告白されちゃった」と、妄想から言いふらす同級生のようなものだ。
でも、中共がやっていることには、
その人には付き合っている人がいて、
しかも仲のよさをみんなが認めているカップルなのに、
「でもね、彼は本当は私が好きなのよ」と言い張るむなしさのようなものを伴う。
単なる妄想によるストーカー行為だ。
中国と関わりをもつと、同じような「なぜ」によく出会う。
勝手に直近の事実をねじ曲げてくる。
私は、この現象を中国人の大好きな歴史から、
勝手にこれを解釈するようにしている。
中国は、史書がしっかりとまとめられている国だ。
そして、各王朝の歴史は、リアルタイムで記されたものを、
必ず次の王朝が、「これは本当にあった歴史です」と認定することによって、
受け継がれてきている。
その際には当然、勝てば官軍の論理が大きく働いているだろう。
「前の王朝は、こんなことをやりました。
そして最終的に人心が離れてしまったので、私たちが世をただし、
人民を統べる役割を仰せつかることになったのです」と言うために、
史書は最終的にまとめられるからだ。
つまり、いまのオレさまが認めるかどうか、が問題なわけなので、
それは、いろいろな論証が出てきたり、消えたりするだろう。
ダライ・ラマ法王の後継者になりたい中共は、
これから、また、いろいろなことをやってくるだろう。
小さい力だけど、私はここから「否」と言いつづけよう。