ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

スナップエンドウ

2009-03-05 22:30:18 | Weblog
野菜の塩ゆではおいしい。
塩は命の源だから、おいしい塩味は身体が喜ぶと思う。
濃すぎるとノドがかわくし、薄すぎると非常にみじめな感じがする。
塩加減は難しい。

先日、友人宅でスナップエンドウを塩ゆでした。
スナップエンドウはもともと甘みがあるので、塩ゆですると香りもたつし、
ますます美味しくなると思う。
扱いやすい豆だと思う。

スナップエンドウを初めて食べたのは、かれこれ10年以上前。
和歌山出身の友人が、ご実家でとれたものだと言って食べさせてくれた。
スナックみたいに手軽に食べられるから「スナックえんどう」って言うねん。
みたいなことを友人は言っていた。
とても美味しかった。

当時スナップエンドウは、うちのまわりのスーパーで売られてなかった。
数年前から売られるようになったけど、スナップエンドウを手に取るたびに、
初めて食べた、あの友人との時間を思い出す。

食事は、雰囲気が大切。
質素でも、大切な人と一緒に味わって食べることが幸せ。

話は変わるけど、今日、21時30分くらいに新宿南口を通ったとき、
いつもよりも人が少ない気がした。
なぜだろう、と考え・・・、もしかしてWBCが始まったから?と思った。
土曜日は、友人宅でWBCをテレビ観戦する予定。
シンプルだけど、心があたたまるような美味しい料理を作ろう。

バッハ 無伴奏チェロ組曲

2009-03-04 22:56:10 | Weblog
カザルス演奏、バッハ作曲

これまであまりバッハを聴くことはなかった。
どうもキリスト教のカトリック・・・、というイメージが強くて、
なんだか門外漢が聴いてはいけないような気がしていた。

少し前に、ピアノ弾きの友人が「最近はバッハを弾いている」と言っていた。
私が「バッハはなんとなく敬遠してるんだ」と言うと、
ふっと笑って、確か、「バッハの曲はすごく精密に構築されていて、
この音の重なりじゃなきゃダメなんだ、って思うよ」というようなことを言っていた。

それで、何かバッハの曲を聴いてみようと思って、チェロ組曲のCDを買ってみた。
私にはまだ、ある意味必然性を伴った音の構成、というところまで、
聞きとることができない。
自分で弾いている訳ではないから、理解も友人に比べたら浅いだろうし、しょうがない。

でも何となく音のイメージとして、
部屋の中に射し込む光の帯が、きらきらと煌めいているような感じがした。
そう、屋内。
少しとまっているけど、澄んだ空気。
そんな印象だった。

ピアノ曲も今度聴いてみるか。

話は変わって、私の携帯電話の話。
通話したくても、耳の部分のスピーカーが壊れていて会話が出来ないことがわかってから、
かれこれ1週間以上もそのままなんだけど、それでもぜんぜん不自由しないことを知った。

用途は、メールが9割、目覚ましが1割だったから、
そもそも携帯では話さない。
昨日、自宅の固定電話で久しぶりに話したら、
やはり、携帯よりも固定電話の方が、話しやすいと実感した。
音もいいし、受話器を持っている手も疲れにくい。

携帯はメール用だ。まだ、買い替えなくていいや。

死にいたる病

2009-03-02 23:01:16 | Weblog
セーレン・キルケゴール著、桝田啓三郎訳、ちくま学芸文庫

「死にいたる病とは絶望のことである」から始まる本書は、
とてもとても読みごたえがあった。
つい先日、なぜか大マジメに「絶望」について考えたところだったし、
その中で、かなり自分自身のことも整理したつもりになっていた。

でも、私が考えるようなことなんて、キルケゴールはとっくにお見通し。
自分でも、頭の片隅で「単に、おろかなだけじゃないか?」と思っていたことを、
バッサリと切って捨てられたように思う。
ここまでやってくれると気分がいい。

でも、後半、絶望とキリスト教の関係に話がうつってくると・・・、
正直なところ、ほとんど実感をともなわなかった。
キルケゴール自身が19世紀の人だし、当時の倫理観や宗教観で書かれているところが、
キリスト教徒でも、ヨーロッパ人でもない私に、そうそうわかるはずがない。

と、若干消化不良なところが残ったものの、文章全体としては、とてもおもしろかった。
やはり一度くらいは、聖書を通しで読んでみるべきかな。

話は変わって、テレビのニュースで、
中国の円明園から盗まれた像の頭部が、オークションにかけられたという報道を見た。
あるフランスの大富豪の遺品だとか。

約34億円で落札したのは中国人で、お金を支払わないと言っているらしい。
オークションに出品された時、文化財としての返還を求める中国に対して、
フランス人が、チベットでの人権問題を交換条件にして反論していた。
交換条件にはならないか。そもそも中国がのむわけはないのだし。

円明園は、明朝・清朝の皇帝の避暑地で、多くのヨーロッパ人もその建築に参加した。
当時は、ベルサイユ宮殿に匹敵するほど素晴らしかったらしい。
第二次アヘン戦争のとき、北京に攻め込んだ英仏連合軍が略奪して、焼き討ちした。

いま、焼け跡は公園となっている。私が北京の中で最も好きだった公園。
なぜなら、他のところに比べて人が少ないし、静かだったから。

円明園から持ち去ったもので人権問題を語るフランス人も、
落札しておきながらお金を払わないと言っている中国人も、
なんだか、「どっちも・・・」という気分。

ラフマニノフ 晩祷

2009-03-01 01:21:41 | Weblog
サンクトペテルブルク室内合唱団、ラフマニノフ作曲、コルニエフ指揮

「晩祷」は、やはり夜に聴くべきだろう、と思って、
お風呂から出た後、ゆっくりとした気持ちで聴いた。

最初の音から、なんだかすごかった。

ロシア正教会の素朴な旋律なんだけど、
歌っている人たちの熱気というか・・・、とても心に響いた。
人の声の力を、改めて知ったような気がする。

2月最後の日は、ひたすら音楽を聴いた一日だった。
誰とも話をせず、一歩も家から出なかった。立派な引きこもりかも。

でも、元来、そんなに人付き合いが得意ではないのに、
仕事では渉外的なことをやっているから、たまには、こんな一日が必要。
音楽を聴きながら、ひたすら自分を「開放」する時間は大切。

そろそろマズいかも、と自己分析したのは3日前。
一日を思い返してみて、まったく記憶に残っていない時間帯が
かなり長くあることに気がついた。
そして、かれこれ1ヶ月も左肩と首が痛くて、左を向けない。
歳をとったということかもしれないけど、1週間くらい休みたいな。