月。

今夜は、中秋の名月。

日本には、たくさんの月の呼び方がある。

13 十三夜
14 小望月(こもちづき)
15 望月、十五夜
16 十六夜(いざよい)
17 立待月(たちまちづき)
18 居待月(いまちづき)
19 寝待月(ねまちづき)
20 更待月(ふけまちづき)

満月のまわりだけでも毎日呼び方があるんだよね。

ほんの150年くらい前までは、人は月を観て今の時間や季節を感じたんだよね。
街灯も家の電気もない時代。
月の存在は、とてつもなく大きかったんだろうな。

そんな中で育まれた感性。

月を観て、大切な人や大切な時間を想う。
もっと時間も空間も広かったんだろうな。

本当に美しい感性だよね。


今夜の満ちた月は、かかる雲の間からでさえ溢れるエネルギーをこぼしていく。

月に守られた夜。
いにしえの人々と僕たちを、想いを通して繋げる夜。

ふと、20代前半のころ、月明かりの溢れた夜に書いた楽曲、「月の光満ちて」を思い出す。
今では僕の代表曲のひとつになってる。

“今夜なら届かない想いが伝えられるのではないか。不可能なことが可能になるのではないか。
満ちた月の力を借りて…。”

こんなことをかつての人々も感じたのだろうか。