3月20日に山口県柳井市で行われた、
京大原子炉実験所の小出裕章さんの講演会
「原子力の専門家が原発に反対するわけ」の資料から。
ちなみに「閾値(しきいち)」とは
「これ以下なら大丈夫、という値」のこと。
***以下、講演会資料より抜粋***
「いわゆる「許容量」と呼ばれるものも
「安全量」ではなく、「がまん量」に過ぎません。
さらに、今日の原子力利用においては、
利益を受ける集団と危険を押し付けられる集団が乖離していて、
実際には「がまんさせられ量」になっています。
原子力を推進している人たちは
被曝量が少なければ安全であるかのように装っていますが、
放射線の物理的な性質そして生物の細胞の構造・機能からして、
どんなに微量の被曝であっても影響はあります。
原子力を推進する人たちも、
微小な被曝でも危険がゼロとは言えないため、・・・
被曝には「容認できるレベル」があると言うようになりました。
しかし、自分に加えられる危害を容認できるか、あるいは、
罪のない人々に謂われのない危害を加えることを見逃すかは、
何処かの専門家が決めるのではなく、一人ひとりが決めるべきことです。
「ヒバクシャ」というレッテルを貼られたそれらの人々を
60年以上調査してきて、どんなに少ない被曝量であっても、
癌や白血病になる格率が高くなることが明らかになってきました。
低レベル放射線の生物影響を長年にわたって調べてきた
米国科学アカデミーの委員会は、2005年6月30日、
彼らが出してきた一連の報告の7番目の報告を公表しました。
その一番大切な結論は以下のものです。
「利用できる生物学的、生物物理学的なデータを総合的に検討した結果、
委員会は以下の結論に達した。
被曝のリスクは低線量にいたるまで直線的に存在し続け、
しきい値はない。
最小値の被曝でもっても、人類に対して危険を及ぼす可能性がある」。」
(小出裕章『原子力の専門家が原発に反対するわけ』)
http://stop-kaminoseki.net/shiryo/20110320yanai.pdf
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