さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

さっちゃんに「出て行け!」と言われて、哀しくなった僕は何も言わずに出ていきました

2019-02-09 22:23:49 | 気分や思い
今晩のことです。
ここのところ順調だった歯磨きもこの日はまったく駄目。
ひとつも協力してもらえなくて、さっちゃんは洗面所を出て行きます。
久しぶりに僕は壁をバンバン叩きたくなりました。
叩きませんでしたけど。
ちょっとは我慢できるようになりましたから。

さっちゃんは寝巻きに着替えることもせず、布団の中へ。
僕が手伝わないと、着替えはできません。
僕は手伝う気分にもなれず、
(と言うか、こんな状況では絶対にさっちゃんは着替えようとしません)ほったらかしです。

しばらくすると、さっちゃんが起きて来ました。
ブツブツと何やら僕に文句なんだか悪口なんだか、喋ってます。
具体的内容はさっぱり分かりません。
「本当にあんたは何にもしないんだから」と非難してるよう。
他にもいろいろと僕に酷い言葉を投げつけているよう。
言葉は意味不明ですから、正確には何と言ってるか分かりません。
でも、僕に対する感情は伝わってきます。
「なんでしないの!」と、さっちゃんは声を荒げます。
僕は何をすればいいのか分かりませんから、黙って耐えるしかありません。
黙っていると、さっちゃんはますます腹立たしくなるのでしょうが・・・・

そのうち、「あんた! 出て行って!」とさっちゃんが僕に言葉を投げつけます。
その言葉には僕も耐えられませんでした。
部屋着の上から外着のズボンとジャンパーを着て、玄関から外へ飛び出しました。

この日は大寒波が日本を襲った日。
本当に出て行く気はなかったんですが、部屋の中でじっと忍耐する強さは僕にはありません。
とにかく、しばらくは外へ出て、さっちゃんとは離れたい。

玄関のカギを外から閉めると、さっちゃんが内から開けます。
再び外から鍵をかけると、さっちゃんがドンドンとドアを打ち叩きます。
僕は玄関から離れました。
さっちゃんのドンドンと叩く音が夜の空間に響きました。
エレベーターホールにしばし佇み、短時間で気分を立て直します。

・・・・部屋へ戻ろう。さっちゃんの元へ・・・・

そのまま戻るのもなんですから、1階の郵便受けまで降りて、郵便物だけ回収。
部屋へ戻ってくると、さっちゃんが玄関の外に立ってました。
「下へ行って取ってきたよ」と僕。
さっちゃんも何事もなかったみたいに、布団に戻ります。

     *   *   *   *   *   *   *   *   *   *

1時間くらい経過したでしょうか。
さっちゃんが起き出して来ました。
僕は「歯を磨こうか」と手を取って洗面所に。
さっちゃんはさっきのあの僕との間の感情のやりとりを忘れてしまっています。
素直なときのさっちゃんです。
歯磨きも寝巻きへの着替えも順調この上なく出来ました。
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