さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

3月15日、天覧山の岩トレに参加しましたが、さっちゃんは多峯主山までのハイキングをしました

2020-03-21 23:57:01 | クライミング
K野さんが天覧山での岩登りトレーニングを計画してくれたので、さっちゃんとともに参加することにしました。
しかも、遅れての参加も許可してもらいました。
デイサービスのある日などと同じ時間に起床、朝ご飯も同様に食べて、いつも通り家を出る。
そんな風に家を出発すると、みんなの集合時間より1時間半ほど遅れることになるんです。
さらにこれはいつものことなんですが、さっちゃんはすぐに帰りたがりますから、周辺の山を歩きに行くことも許してもらいます。
そんなこんなで僕とさっちゃんは11時ころに天覧山最下部の岩場に到着。
でも、実際は最下部までは行かずに、そのすぐ上の鏡岩と蛇岩へ行きました。
というのも、最下部の岩場にはプロガイドの講習会らしきグループでいっぱいだったからです。
親切な方たちだったみたいで、スペースを開けてくれて、最下部の岩場でも基礎練習は出来たようですね。


▲11:08。天覧山にはボルダーチックな岩場が多いのですが、その中でも易しい岩がこの鏡岩。写真の女性はホールド、スタンス豊富な部分を登っていますが、本来の鏡岩はその手前(右)で、デシマルグレードで5.7。僕にとっては昔通いこんだ岩場ですから、ちょっとだけでもアドバイスだけは出来ます。


▲11:29。鏡岩の左上にある蛇岩にもトップロープが張られていました。鏡岩が小さなホールド、スタンスを使いこなす課題なのに対して、この蛇岩は全身でのバランスの取り方が要求される垂壁です。グレードは5.8。名前の由来ですが、この岩場に青大将が棲んでいて、よくこの岩場で日向ぼっこをしていたからです。僕もその青大将を見たことがありますが、最近は見かけないですね。

さっちゃんにいきなりこんなグレードの岩を登らせるのは無理ですし、
平らな場所は狭くて、周囲は崖になっていますから、さっちゃんに長居はさせられません。
というわけで、早々に山歩きに行くことにしました。


▲11:36。登山道に戻って、ちょっと歩くと天覧山の山頂です。今日は多峯主山(とうのすやま)まで歩いてくる予定です。


▲11:42。天覧山山頂からは北西面の長い木の階段を降りて行きます。途中、椿の花が足元に多く落ちていました。少し上を見上げると、まだまだ多くの椿が咲いていました。


▲12:01。麓の湿地を越えたあたりで、そのまま多峯主山方向へ進むのですが、時間にも余裕がありますから、右側の高麗峠方面への登山道を歩くことにしました。すると、奇妙なオブジェが。1mほどの高さの切り株を彫ったものです。何を表現しているのかはさっぱり分かりませんね。


▲12:02。まだ3月中旬だというのに、モミジイチゴ(キイチゴ)の花が咲いていました。しかも、あちこちにたくさん。少し早過ぎるような気がします。


▲12:08。高麗峠はもう少し先のようなので(帰って地図を見ると、1時間以上先にあるんですね)、気持ちのいい広場にベンチがたくさん並んでいましたから、お昼をいただきました。ここからは少し戻って多峯主山へ向かいました。


▲12:30。冬枯れの林に春の日差しがたっぷりと入り込んで、最適な暖かさの日和でした。登攀用具は僕のザックの中に置いてきましたから、さっちゃんのザックを僕が背負って、さっちゃんは空身です。


▲12:24。キブシの花が咲き始めていて、花穂がたくさん垂れていました。僕はキブシの花の咲く雰囲気が大好きです。とりわけ、キブシには光が当たって、背景が暗い森とかだと最高に美しいですよね。


▲12:51。多峯主山が近づいてくると、階段の急坂が長く続きます。石の階段が現れると山頂もあと僅か。


▲12:55。多峯主山270.7mです。割と広い山頂にはハイカーがたくさんいました。

ここまでの道すがらもそうなんですが、さっちゃんはすれ違うハイカーによく挨拶をします。
まあ、この時間ですから「こんにちは」なんですけれど、何やら意味不明な外国語のような挨拶を投げかけることが多いですね。
もちろん、1回だけですが正しく「こんにちは」と言えた時もありました。
ちっちゃな子供が歩いていると、そんな子供に語りかけることも多いですね。
おそらく「可愛いねぇ」とか「頑張って歩いてね」とか声をかけてるんでしょう。
声をかけられたハイカーは一瞬「えっ?」と不思議な気分になるんじゃあないでしょうか?

この山頂でも、さっちゃんは一人の女性に話しかけていました。
僕にもさっちゃんがどんな内容のことを話しかけているのか、想像がつきません。
話しかけられたその女性はなおさらでしょうね。
女性がどう対応すればいいのか困っている様子でしたから、僕は彼女に「認知症なんですよ」と告げました。

認知症になる以前のさっちゃんは人見知りで、知らない人に気楽に話しかけることが絶対に出来ないタイプでした。
認知症になってそんな人見知りな性格は変わったようですね。
この変化は良い変化だと僕は思っています。

山頂は人が多いので、休憩せずに早々に立ち退くことにしました。


▲13:30。山頂直下のトイレに寄りましたが、おしっこはせず。さっちゃんは家でして以降、一度もおしっこをしていません。雨乞池のほとりに建つ東屋で休憩しました。


▲13:55。再び天覧山麓の湿地に戻って来ました。


▲14:02。この木の階段を登ると、天覧山山頂です。


▲14:09。天覧山山頂を南側に下ります。獅子岩の天辺が見えて来ました。この仕切られている鎖を潜って右へ入り、下っていくと、鏡岩や蛇岩です。

みんなのところへ戻ると、僕とさっちゃんはハーネスを装着しました。
さっちゃんはうろうろすると崖から落っこちてしまいそうですから、長めのシュリンゲでセルフビレイを取っておきました。
さっちゃんのことをよく理解してくれている山仲間がそばに付いていてもくれます。
そんな中で、僕も鏡岩を1本、蛇岩を2本攀らせてもらいました。
なんとかギリギリ登ることが出来ましたけれど、クライミング能力の低下は目も当てられませんね。


▲15:56。プロガイドの講習会も終了したので、僕たちは空いた最下部岩場へ移動しました。その中央部の小ハングルート4級+にみんなでチャレンジ。


▲最下部岩場のトラバースにもチャレンジ。20代の新人青年はムーヴを教えると、すぐに出来てしまいますね。(K野さんが撮影し、会員に公開した写真をコピーさせていただきました)

この後、一瞬小雨がぱらついたりして(その時だけでしたが)、時間もちょうどいいのでこの日のトレーニングは終了。
さっちゃんにも最下部の岩場を1回くらいは登らせてあげたかったんですが、登らずに終了。


▲17:25。まだ居酒屋さんが開く時間ではなかったので、いつもの蕎麦屋に入りました。そこでみんなの写真をパチリ。Y根君が気を利かして撮ってくれました。左からK野さん、W泉さん、S野さん、S藤さん、S上さん、さっちゃん、僕。

Y根君はここのところ毎回手伝ってくれています。
そこまで熱心に手伝ってくれなくてもいいのですが、これが彼の性格なんでしょうね。
本当にいい奴です。
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