以前からある緑内障が、目薬だけではコントロールがつかなくなり、手術を受けました。この病気は進行を止めることは出来ないので、いかに進行を遅らせるかの手術です。何年か先には、又手術が必要になることもあると説明を受けました。経過も順調で、予定通り一週間で退院できました。
病室は眼科と脳神経科が一緒でした。眼科の患者さんは短期間で退院していきますが、脳神経科の患者さんはそれぞれに大変なようです。息子と同じ年齢の人がパーキンソンで入院していました。脳梗塞の人は一通りの治療を終え、リハビリ専門の病院に転院し、言葉や記憶、歩行などのリハビリをするそうです。又、別の人は昼夜を問わずシクシクと泣いています。看護師さんに長い時間話を聞いてもらっていました。看護師さんも「ウンウン、フ~ン、ン~」と相づちを打ちながらひたすら聞くことに徹していました。仕事の一環とはいえ大変なことだと思います。
今回の入院中に、西日本では大豪雨で多くの人の命が失われ、千葉県では震度5弱の地震があり、大口病院事件、オウム真理教7人の同日死刑執行など、衝撃的な報道が毎日のようにありました。病棟では、重症の患者さんを何人も見かけ、平凡な日常を過ごせることの有難さを痛感しました。
退院の日、一週間ぶりに外に出て青空を見上げた時、4、5年前に数回読んだ、東京大学名誉教授、矢作直樹先生の著書「おかげさまで生きる」を思い出しました。医学部救急医療の第一線で、多くの命と向き合ってきた著者の言葉です。「還暦は、人生の終幕を考える時期であり、残りの人生をプランニングする年齢です。寿命は永遠ではありません。このことが理解できるのなら、寿命より余命を頭に置き、今を全力で生き、今を全力で楽しむこと。それだけで人生が変わります。」という内容です。この“何よりも今を全力で楽しむこと”がこの本の大きなキーワードになっています。
人生、悲喜こもごもで、今生きている私達も明日どうなるか分かりません。外に目を向け、少しでも社会とかかわりながら、今を楽しみ、ポジティブに生きていこうと思いました。
退院当日と同じような青空です。インターネットから引用。