新装版 わたしが・棄てた・女 (講談社文庫) | |
遠藤 周作 | |
講談社 |
若い頃、弧狸庵先生の作品にどれだけ励まされ勇気付けられたかわからない。貪るように読んだのは高校の頃。内容もさることながら、読みやすい文も魅力的だった。有名な作品が、ごまんとある遠藤周作さん。小説も好きだが、エッセイも素晴らしい。
「君、弱くてもいいじゃあないか、、。なあに、きみだけじゃない、人間誰しも弱いものなのさ、、」優秀で素晴らしい文才の持ち主である弧狸庵せんせいが、優しく自分に話しかけてくれているようで、当時劣等感の固まりのような自分を静かに励ましてくれた。愛とはなにか、人間とはなにか、、。様々な、人間にとり永遠のテーマを弧狸庵先生は、作品を通し自分に説いてくれた。
で、この作品である。膨大な数の先生の作品のなかで、一番印象深く、忘れられない一冊だ。タイトルがこれなので、読み始めるまで、なんだろな、なんだろな、この奇抜なタイトルは、、と思いページをめくり始めたが、読み終えたあと、多分自分は珍しく泣いたのではなかったかな。内容は、書きませんが、先生が、様々な作品のなかでテーマとしてきた、「愛とは、、」を深く考えさせてくださる一冊です。