週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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鬼灯 (ほおづき)

2011-08-14 01:55:57 | ひとりごと

お盆2日目です。

昨日、墓地のゴミを片付けに行くと、お墓にお供えされた仏花の中にある、ほおずきの色鮮やかな赤色が目に飛び込んできました。

         (画像データベースより拝借)

ほおづきの漢字を調べると、「鬼灯」という漢字が出てきます。

ほおづきの形を見ると、どことなく提灯(ちょうちん)を思い起こしませんか?
そして、中には赤い実が一つ…。

これを、死者の霊を導く提灯に見立てて、お盆に飾るという習俗が残っているため、この時期のお花屋さんにはほおづきが置いてあるのです。

その様子を思い浮かべると、「鬼灯」という漢字にも納得がいきますね。

しかし、こんな小さな灯火では正直心もとない気がしてきます。
阿弥陀さまの放つ光は、お盆の時期に限らず、常に照らし導いてくださっています。
亡くなれば、それこそ迷う余地もなく仏とならせていただきますので、私たちが亡き人のために、ほおづきの提灯を用意する必要もありません。

もし、そういう心配をしてほおづきをお供えされたのでしたら、それは取り越し苦労というもの。
お供えされた方は、暗闇で迷っているのは亡くなられた方ではなくて、習俗にとらわれてしまっている自分自身なんだという気づきをいただく機縁を、お参りされた仏さまが下さったと思い、そのご縁を大切に受け取って下さったら幸いです

もちろん、綺麗だなと思ってお供えする分には、問題はありません。
私もほおづきには、幼い頃、実の中を出して笛にして吹いてもらった母との思い出があります。
それは、「ほおづき」を「鬼灯」と表現するにはそぐわない、とっても温かな思い出です。

そしてまた一つ、植物にまつわる素敵で温かな思い出が増えました。

        

副住職が、私の誕生日にと贈ってくれたピンクのカーネーション。
花言葉は・・・恥ずかしいので秘密です(笑)