週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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地球儀

2011-08-25 00:02:18 | ひとりごと

前の記事にも書きましたが、龍くんの今のお気に入りは地球儀です。
小さな手で地球儀を抱きかかえて来ては、私や坊守(母)に指を差した国の名前を聞いてきます。

       龍くんの地球儀     私の地球儀

私も9歳の誕生日に、両親から地球儀をプレゼントしてもらいました。

赤道・緯度・経度・時刻変更線。
9歳の私は、その線が地球に直接引かれていて、目に見えるものだと思っていました。
でも、赤道に赤い線は引かれてないし、緯度も経度も時刻変更線も、肉眼でみえるものではないことを、少しずつ把握していきます。

それでも、国境は肉眼で確認できる線で分断されていると思っていたし、それらが消えたり動いたりするとは、考えてもいませんでした。
けれど実際には、地図上にしか見えないその線のために、多くの人々が争い、命を落とながら、線が書き換えられてきたという歴史があったことを知っていきます。

見上げた空は、どこまでも果てなく続いていて、そこには線など引かれてはいないのに、宇宙から見ているような青い地球を模した地球儀には、数え切れないほどの線が大陸の上に引かれている。
人類の誕生以来、その線の数だけ争いが起き、数え切れないほどの命が消えてきたことに気づいたとき、窓辺に置いた地球儀が悲しい色に染まって見えたことを、今でも鮮明に覚えています。

私の地球儀では、ベルリンの壁はまだ破壊されずに、ドイツは東西に分かれたまま。
ソビエト連邦もまだ崩壊していない世界がここにはあります。

20年以上の時が経ち、その間に線は何度も書き換えられてきました。
それはより良い方向への変革によるものでもあるのでしょう。
けれど、どんな理由によるものであろうとも、それは私たち人間の都合で引かれた線でしかないという事実に変わりはありません。

幾重もの線に分断されようと、地球は一つ。

地球儀を見る上で、それ以上に大切なことはないんだと、龍くんに伝えることができるのは・・・さてさて、いつになることやら(笑)