大学時代の恩師の訃報が届きました。
水のような心を持ちなさい。
丸いお盆の中では丸く、四角いお盆の中では四角に。
それぞれの形に合わせて形を変える水のように。
自分の心をやわらかくして、人と会いなさい。
そう先生に言われたのは、何年前のことでしょうか?
そうありたいと思いつつも、私の心はあの時と変わらず、怒り、嘆き、悲しみ、そして愚痴を抱いて放しません。
その心のまま人と会い、人と会うことでまたその心が生じています。
お盆の中で波打つ水の表面に、私の歪んだ心が映っています。
先生の言葉の境地に近づこうとすることで、私は自分の心の醜さを知りました。
先生は、そういうことも伝えたかったのでしょうか?
確かに歪んだ心をやわらかくするのは難しいことかもしれないけれど…。
けれど、先生が身をもって示してくださった、人に対してやわらかくあろうとする、その思いと決意を、私は決して忘れません。
合掌