月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.179 CHAR「CHAR LIVE 1976」 

2023-08-11 00:29:29 | 厳選ライブ盤

CHARの45周年記念のイベントは色々ありましたが、

この発掘アルバムの発売も、その一つみたいです。

1976年と言ったら、CHARがソロデビューした年です。

名盤の誉れ高いファーストアルバムが発売されていますが、

その時のメンバーはなかなかの強者揃いです。

残念ながら、この時のメンバーは半年ぐらいしか続かなかったです。

メンバーは、

CHAR(g)、ロバート・ブリル(d)、ジェリー・マーゴシアン(vo、k)、

ジョージ・マステッチ(b)、佐藤準さん(k)です。

佐藤準さんはCHARの高校時代からの友人で、CHARのソロデビュー前には、

スモーキーメディスンでも一緒に演奏しています。

(今年5月の日比谷野音100年のイベントでは、スモーキーメディスンが

復活していました)

 

その時の貴重なライブ音源が今回、発掘音源としてCD化されました。

新宿ロフトでのカセット録音で、音質は完璧ではありませんが、

所々、安定しない部分があるものの、当時の熱い演奏を堪能出来ます。

「ジェフズブギ」や「ジャンピングジャックフラッシュ」のような

カバーも聴けるのも嬉しいですね。

「Rollercoaster Baby」という未発表曲も聴けます。

まだCHARも若い頃なんですけど、風格すら感じますね。

オマケとして、CHARと佐藤準さんによる対談を収録したDVD、

もしくはBlu-rayが付属しています。二人の対談はなかったので、

貴重ですね。当日のライブについてとか、色々語っています。

 

 

なお初回盤には、76年11月26日の金沢でのライブ+モンドでのライブ

2曲の入ったボーナスディスクも付くので、可能ならこちらを買えればと。

 

 

この時のライブでは、カバー曲も数曲ありますが、

charはクリームの曲とかも得意としてますね。

伝説の音楽番組「ロック鳴缶」で演奏された「クロスロード」、

メチャカッコよくて気に入っています。

トリプルギターでのソロの部分はシビれますね。

やっぱりcharはカッコいい。

 

 


NO.165 泉谷しげる「ひとりフォークゲリラライブ」

2023-07-05 21:31:04 | 厳選ライブ盤

ここ数年、嘗て活躍していたアーチストが高齢になり、

亡くなられたり病気になったり、引退を表明したりと

いう話を聞くようになりました。

しかしながら、高齢のはずなのにずっとエネルギッシュな活動をしていて

年齢を感じさせないアーチストも中にはいます。

その中の一人が泉谷しげるさんです。

今年の5月に75歳記念のライブを行っています。

2部構成で普通は演奏リストを変えないのですが、

泉谷さんは曲目の被り無しで演奏したのだから凄いというか、

サービス精神に溢れているというか。

更にリハーサルに10時間かけたとか、

そのパワーはどこから来るのでしょうか?

振り返らない泉谷しげる75歳【ビルボードライブ東京レポ】いつだって今が最高!

 

ちなみにこの時のライブの模様は、

2023年07月29日(土) 17:00〜18:30 

にCSの歌謡ポップスチャンネルで放送されますね。

うちはケーブルテレビと契約していますので、見ようかと思います。

時間的に短めなのが残念ですが。

ちなみにこの日は、岡林信康さんと共演した「ふたりのビックショー」や

番組独自に泉谷さんの楽曲の解説をした「泉谷しげるコレクション」も

放送予定で、7月29日は泉谷デーとなります。

 

前置きが大変長くなりましたが、自分が泉谷さんのライブを見たのは

何回かしかなく、それもイベントに参加した時に見たくらいです。

1993年の骨髄バンク登録推進のイベントにて見たライブの印象は

強烈でした。(このイベントには他に目的がありましたが、

また後日に記事に出来ればと思います)

これと同時期に演奏され音源化されたのが「ひとりフォークゲリラ!」です。

奥尻島を救援する為に「お前ら募金しろ!」と

声高々にライブをしていたのを覚えている方もいるでしょう。

その時の生々しい記録となりますが、最初から

「戦争を知らない子供たち」の替え歌で某角川書店の元社長を攻撃したり、

更に追い打ちで「黒いカバン」の歌詞を変えて非難したりと

まぁやりたい放題ですね。流石に大手のレコード会社から出せず、

インディーズからの発売となっています。

何というか、会場を盛り上げようとする泉谷さんのバイタリティは

凄いの一言です。もちろんおちゃらけだけでもなく、

本気の演奏もしています。CDからでも熱い熱気は感じられます。

テーマ曲ともいえる「なぜ、こんな時代に…」は会場と一体となって

みんなで歌ったりしています。こうして苦労して1000万円以上の寄付を

集めています。自分で偽善者だ、売名行為だとうそぶいていますが、

支持を得たからこその集まった金額だと思います。

 

 

更に余談ですが、泉谷さんが本気でロックをやっていた時は

本当にカッコいいのです。80年代末のルーザーは、

メンバーが吉田建さん、村上“ポンタ“秀一さん、下山淳さん、

そして仲井戸麗市(チャボ)さんという強力なメンバーでした。

今聴いても鳥肌が立つような演奏です。

 

 


NO.128 「THE COVER SPECIAL」 

2023-02-05 00:59:45 | 厳選ライブ盤

2月5日は、敬愛するPANTAの誕生日です。

本来なら、2月6日にシーナ&ザ・ロケッツとの対バンライブをやる予定でしたが、

残念ながら鮎川誠さんが亡くなったため、頭脳警察ワンマンでの

追悼ライブになりそうです。

 

さて、どんな音源を紹介しようかと考えてみましたら、

元サンハウスの柴山俊之さんと元アナーキーの仲野茂さんと

共同プロデュースをしたイベント、「THE COVER SPECIAL」思い出しました。

これは1988年の2月6日に渋谷公会堂で行われたイベントで、

柴山さんのユニット、PANTAのユニット、ジョニーサンダースのユニット、

仲野茂さんのユニットでの演奏を収録しています。

元々PANTAが出演しているというので購入したのですが、

これがなかなか楽しくてイカした演奏ばかりなのです。

 

柴山さんはいきなりドアーズの「ハートに火をつけて」を演奏。

ブルース系を選ぶと思っていたのでちょっと意外。

セルフカバーの「レモンティー」(元アースシェイカーの西田昌史との

デュエット)や「VIRUS CAPSULE」も違うメンバーでの演奏は新鮮です。

そしてPANTAユニットは、負けじとドアーズの「ジ・エンド」から

スタートし、「トゥモロー・ネバー・ノーズ」~

「ホワイトラビット」~「あなただけを」~「ジ・エンド」の

サイケデリックメドレーを演奏。PANTAは、他の番組でも

ドアーズのカバーを披露しており、影響を受けているようですね。

鈴木慶一さんのサイケなギターやボーカルもイカしてますね。

後半は、ARBの石橋凌さんの歌う「ルート66」が秀逸です。

 

どういう経緯でこのイベントに参加したのかはわかりませんが、

元ニューヨークドールズのジョニー・サンダースも参加してます。

まぁゲストみたいな感じですが、ルースターズの花田裕之さんとの

共演は、見ものです。モンキーズの「ステッピン・ストーン」が

なかなかカッコいいです。

そして一番の発起人である仲野茂さんのユニットですが、

アナーキーからザ・ロックバンドに名前が変わっての初アルバムは、

カバーを多々演奏していまして、カバーへの思い入れが強い感じですね。

フリーの「オール・ライト・ナウ」やCCRの「雨を見たかい」等は、

こんなにカッコいい曲だったっけ?と思えるような演奏で、

改めて元の曲の良さを感じました。

 

 

そしてハイライトは、PANTAの「GESANG DES SOLDATEN DER ROTEN ARMEE」の

イントロから村八分の「鼻からちょうちん」へと続くメドレーですね。

洋楽の名曲が多い中で、対抗して日本のロックを演奏。

そして一歩も引いていないのが素晴らしい。

そしてラストは、ステッペンウルフの「ワイルドで行こう」。

忌野清志郎さんや、かまやつひろしさんも参加してのお祭り騒ぎ。

聴いていて楽しいというか、気持ちよさを感じさせます。

 

この手の企画物のアルバムは、なかなか再発されないものですが、

5年ぐらい前にタワーレコード限定で紙ジャケ&リマスタリングされた

ものが再発されています。まだ在庫が残っているのが嬉しいやら悲しいやらで。

興味ある方は、在庫があるうちにどうぞ。


NO.98 タルカス クラシックMEETSロック

2022-10-29 19:10:14 | 厳選ライブ盤

TVを見ていて偶然見たCMですが、佐渡裕さんが

シエナ・ウィンド・オーケストラと共演するイベント

「ブラスの祭典2022」というイベントが県内で行われるとの事です。

そして演奏されるのが、ELPの名曲「タルカス」の

吹奏楽編曲版だそうです。これは生で見たいと思うけど、

会場がかなり遠いので、ちょっと行けそうもないな。残念。

 

「タルカス」のクラシック版に関しては、2010年に

作曲家の吉松隆さんが、「新・音楽の未来遺産~ROCK&BUGAKU」

というコンサートで披露されています。

当然ながら、クラシック用の楽譜が無かったため、

耳コピで楽譜を仕上げたといいますから恐れ入ります。

スコアが出来たのがコンサートの1か月前、

キース・エマーソンの許可の返事が来たのが1週間前だったそうで、

ハラハラしていたのがわかります。

 

自分が知ったのが、偶然見た「題名のない音楽会」で、

『タルカスがクラシックになってる』と驚いたものです。

(その時は司会をしていた佐渡裕さんが指揮をしていました)

 

 

CDも発売されていると知りましたので、すぐに買いに行くことになりました。

内容は「タルカス」、黛敏郎さんの「BUGAKU」、

ドヴォルザークの「アメリカREMIX」、

そしてオリジナルの「アトム・ハート・クラブ組曲第1番」。

何でもビートルズの「サージェントペパーズ~」、ELPの「タルカス」、

ピンクフロイドの「原子心母」をブレンドして

鉄腕アトムの10万馬力でシェイクしたというイメージだそうで。

流石、「クラシック音楽界におけるプログレッシヴロック」を

内なるテーマに作品を作るような人だなと。

 

 

久しぶりにCD聴いてみましたが、元々キース・エマーソンに

クラシックの素養がある事もあり、「タルカス」のオーケストラアレンジが

実にしっくりとくるというか、違和感がないですね。

吹奏楽版のアレンジも聴きたいです。

コンサート見れる人が羨ましいなぁ。

 

 


NO.92 MAGMA「LIVE」

2022-10-09 23:38:49 | 厳選ライブ盤

本来なら、今月は待望のマグマの来日公演があって

ウキウキしているはずでしたが、仕事の都合及びコロナの影響で

結局断念。研修とかも入ってしまいどうしようもない状態です。

しかも来月早々には受けなければならない試験もあり、

そろそろ勉強する時間も確保しないとなぁ。

 

という事で、テンションを上げる為にこの「LIVE」を引っ張り出しました。

マグマは発掘盤を含めてライブ盤を数多く出していますが、

難点はあるもののやはりベストは、1975年6月1日~5日に

パリオリンピア劇場で行われたものを編集した「LIVE」ですね。

マグマはメンバーチェンジが激しく、年代によってメンバーが総入れ替え

したりしていますが、70年代中期のこのメンバーは、

マグマ史上でもトップクラスだと思います。

 

 

 

一癖も二癖もあるこのメンバーは左から

Stella Vander(Vo)・Christian Vander(Dr)・Jean-Pierre Assline(Key)・Didier Lockwood(Violin)
Bernard Paganotti(B)・Benoit Widemann(Key)・Gabriel Federow(G)・Klaus Blasquiz(Vo)

 

特にディディエ・ロックウッドは、この時はまだ17才だったといいます。

後年になって、フランスのジャズ界の巨匠になろうとは誰が予想出来たでしょうか。

 

1枚目の「Kohntarkosz」からスタジオ版をはるかに凌駕する

テンションの高い演奏を聴かせてくれます。パート1、パート2を合わせて

30分以上の演奏ですが、ダレる事もなくテンションを保ち続けるのは

凄いの一言。これだけでも頭が真っ白になります。

 

2枚目の「HHAI」は、クリスチャン・ヴァンデのボーカルによる

バラードの名曲。怒涛の後半の前の一時の清涼。

小品を2曲挟んでからライブのクライマックスであるマグマの代表曲の

Mekanik Destruktiw Kommandoh(通称M.D.K.)」の怒涛の演奏。

ボーナストラックが入って全曲の半分が聴けるようになりました。

これが全曲収録されていたら文句なしの名盤になっていたのになぁ。

ここでのロックウッドの狂気じみたヴァイオリンは圧巻。

兎に角一度聴いてみてとしか言えません。

(残念ながらロックウッドはすぐに脱退してしまいますが)

 

 

マグマ関連の音源を入手する場合は注意が必要で、複雑な契約関係があり、

フランスでは自らのレーベルであるSeventh Recordsから発売していますが、

英米ではCharlyレーベルから発売されていて、

実はこのCharlyレーベルからのものは、売れてもメンバーには利益が

入らないとの事です。しかも「LIVE」に関しては、Charlyレーベルのものは

CD化の際には無理やり1枚にしたので、冒頭の「ハマタイ!」の掛け声も

カットされたりしています。(些細な事かもしれませんが

Kohntarkosz」に関しては、無いと中途半端に思えますので)

一方のSeventh Records盤は、ボーナストラックも入った2枚組。

更に音質も向上していますので、購入ならSeventh Records盤を。

ビクターから発売された紙ジャケはCharlyレーベル盤なので注意です。

昔、キングレコードから発売されていたのはSeventh Records盤です。

現在は輸入盤に日本語解説を付けたものが主にディスクユニオンで

扱っていますが、品切れのものもありますね。

もっと一般にも出回ってほしいですし、時に「LIVE]は

ライブアルバム史上、トップ10に入っていてもおかしくないと

思うくらいですが、やはり聴く人を選ぶ音楽性と英米のグループでない

というのがネックでしょうか?もっと評価されてもいいのにと思います。