月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.68 パワーハウス「ブルースの新星」

2022-07-29 00:09:04 | 日本のロック

1969年辺りは、グループサウンズのブームも下火になり始めていた頃で、

ライブでは、タイガースやテンプターズはビートルズやストーンズの曲を

好んで演奏していたようですが、ゴールデンカップスとかは、

ホワイトブルースに注目していたようです。

 

ゴールデンカップスが「ブルースメッセージ」を発売後に連続して

ヘルプフルソウルやブルースクリエイションがブルースのカバーを

中心としたアルバムを出していますが、パワーハウスもその一つです。

パワーハウスはゴールデンカップスの弟バンドという感じの存在です。

元々、竹村栄司さん、陳信輝さん、ルイズルイス加部さんでバンドを

組んでいたのが、加部さんがゴールデンカップスに参加、

代わりにミッキー吉野さんが参加します。

ミッキーさんもカップスに参加することになり、その代わりが

柳ジョージさんです。その後、レコードデビューが決まり、

パワーハウスと改名しています。

 

先行シングルはビートルズのカバーで「オブラディ・オブラダ」と

「バック・イン・ザ・USSR」のカップリング。

「オブラディ・オブラダ」は無理やり歌わされた感のある感じですが、

「バック・イン・ザ・USSR」はブルース風のアレンジになってます。

 

ゴールデンカップスは、サイケデリック色を加えようとしていたのに対し、

パワーハウスはあくまでブルースを基調にした曲を

演奏するという感じですか。

確かにカバー曲ばかりですが、自分達なりの演奏にしようと

「スプーンフル」や「グットモーニング・リトルスクールガール」では、

長時間のインプロビゼーションに挑戦しています。

 

流石に一般受けする内容ではなかったため、あまり売れませんでしたが、

一部では高く評価されたため、オリジナルLPは、かなりのプレミアが

付いています。この時代、興味深いアルバムが多々ありますので、

少しづつ紹介していこうかなと思います。

 


NO.67 タージマハル旅行団「LIVE STOCKHOLM 1971」

2022-07-26 00:51:14 | サイケデリック

オリジナルの「OZ DAYS」からカットされたタージマハル旅行団とは

一体どんなグループなのか?

実に謎めいているというか、裸のラリーズよりも実体が掴みづらい

のではないかと思ってしまいます。

たまに名前は聞く事があっても、アルバムも昔は入手困難でした。

2種類のアルバムは、それでもCD化はされています。

(今はダウンロード販売もされていますので、音自体は昔よりも

簡単に聴くことが出来ますが)

まとまった記事で自分が見た事あるのが、昔、古本屋で見つけた

「日本フリージャズ史」という本での記事ですね。

フリージャズとはちょっと違うと思うのですが、

タージマハル旅行団をどのように分類するかは難しいのです。

小杉武久さんという現代音楽家のメンバーもいたのですが、

半分素人みたいなメンバーもいたりします。

大量の楽器類を持ちこみ、気が向くままに演奏したりしていました。

 

 

環境音楽?宗教音楽?ロック?フリージャズ?サイケデリック?プログレッシブ?

特に盛り上がりを見せることもなく淡々と演奏される音楽は、

確実に聴く人を選ぶと思われます。

70年代初めにヨーロッパを回りながら演奏してきたといいますが、

このアルバムは、その時の演奏を録音したものです。

海外で発売されたようなので、正規盤かどうかも不明ですが、

貴重な演奏を2枚組で収録してあります。

 

youtubeには、70年代の記録映像も画質が悪いながらもアップされていました。

これはなかなか貴重な記録だと思いますよ。

Taj Mahal Travellers On Tour 1972 - YouTube


NO.66 OZ DAYS LIVE '72-'73 Kichijoji The 50th Anniversary Collection プレオーダー開始

2022-07-23 23:25:27 | アラカルト

夏ぐらい発売とアナウンスされていた

OZ DAYS LIVE '72-'73 Kichijoji The 50th Anniversary Collection

ですが、9月23日ぐらいに店頭に並ぶ予定だそうです。

プレオーダーも開始されています。

 

V.A. / OZ DAYS LIVE '72-'73 Kichijoji The 50th Anniversary Collection[3CD]DRFT02 | Tuff Beats (tuff-beats.com)

 

今回はCDでの発売で、裸のラリーズに関しては、

先に発売されたアナログ盤に加えて限定発売された12インチ音源を

プラスしたものになります。

気になる未発表音源に関しては、アシッドセブンのみとなりそうですね。

タージマハル旅行団の音源がすべてカットされているのは痛いですが、

50年目にしてOZDAYS音源が正式に再発されるのは意義があると思います。

音質的にも良くなると思われますので、その辺りも期待したいです。  

100ページにわたるブックレットが付属されますので、

入手したら貴重な資料をしっかり読んでみたいと思います。

特設サイトでの限定特典は付かないようですが、

とりあえず予約は取りたいです。


NO.65 フラワートラヴェリンバンド「SATORI」

2022-07-19 23:52:51 | 日本のロック

頭脳警察の「会心の背信」の発売時におけるPANTAのインタヴューで

フラワートラヴェリンバンドの話が少々出ていまして、

当時はロックは日本語で歌うか英語で歌うかの論争があって、

フラワートラヴェリンバンドは英語派の代表格でした。

実際、一時期カナダにて活動していたことがあるのですが、

聴き飽きたブルースやロックのカバーでなく独自の音を聴かせてくれと

言われても、その時は聴かせられる音が無くショックを受けたという

逸話があります。歌う言語がどうこうよりもオリジナリティの方が

大切ではないかという事ですね。

そして彼らなりの答えの一つが「SATORI」になるわけです。

 

日本的な音というより、東洋的なイメージを感じさせますが、

後にシタールとギターを合体させたような楽器のシターラを考案した

石間秀樹さんの色が強く出たからと思います。

うん、今聴いてもインパクトは強いですね。

ただ、気軽に聴けるタイプの音楽ではないので、

好みは分かれると思います。やはり「SATORIパート1」と

「SATORIパート2」の出来がいいですね。

 

余談ですが、フラワートラヴェリンバンドは70年台に惜しくも中止になった

ローリングストーンズの来日公演の前座に起用の予定だったらしいです。

もしストーンズの来日が予定通りだったら、もっと注目されていたかも。

 

Satori Part II - YouTube


NO.64 頭脳警察「会心の背信」

2022-07-17 01:08:43 | 頭脳警察、PANTA関連

6月に発売されていた頭脳警察のライブアルバム「会心の背信」、

発売されていたのを知らなかったので、今更ながら注文して聴きました。

2020年9月に長野で行われた無観客のシークレットライブ、

本来は長野のライブハウスで行われる予定でしたが、

ライブハウスがコロナの影響で閉鎖される事態に。

急遽、都内で無観客で収録される事になったのですが、

PANTAの現地で収録したいとの強い希望で、長野で収録、

ライブ配信されました。

PANTAとトシとサポートに澤竜次さんの最低限のメンバーでの演奏、

まるで学園祭に出演するような気持だったという事です。

実際、1990年の復活の時に朝霧の米軍基地跡でライブ収録した翌日、

世間では即位の礼が行われている中、同志社大学での集会で

ライブを行っています。

その時に使っていたグレコのセミアコレスポールをあえて意識的に

使ったとの事です。

 

選曲は、冒頭から革命3部作に「ふざけるんじゃねぇよ」と

かなり尖ったものです。おそらく、多くの人が望んでいる

頭脳警察の曲が並んでいるとは思います。

ミスもあるものの、まだまだ歌い続けるぞという気迫を感じられます。

 

頭脳警察最新アルバム「会心の背信」2022年6月10日発売! - YouTube

 

何故、ロシア情勢がまだ落ち着かないこの時期に、

革命3部作を演奏したライブ盤なのか。

コロナ過の中で、まともなライブ活動が出来ない状況なので、

PANTAが病気療養中の今、頭脳警察について総括したいのではないか

と思っています。

おそらく、PANTAの復帰は来年以降になりそうなので、

頭脳警察としての最終章があるかもしれません。

PANTA自身、曲単位でダウンロードされる現在、

もう「クリスタルナ八ト」のようなコンセプトアルバムは

作られることは殆どなくなるだろうと思っていますし、

コロナ過でライブもまともに出来ない状況なので、

一度音楽は原点に戻るべきだと考えているようです。

それこそ、レコードが発明される以前にリセットされるべきだと。

音楽はタダで聴ける状況に危機感を感じているようですね。

先の事は誰にもわからない。もしかしたら

未来はAIが新しい音楽を作っているかもと。

来年の復帰後に何をしてくれるかを楽しみにしています。

う~ん、全然感想になってないや。

 

頭脳警察 - 日本語ロックの革新者がその真髄を凝縮させた、配信というライブに対する背信行為の実況録音盤 - インタビュー | Rooftop (rooftop1976.com)