月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.36 裸のラリーズ「THE OZ TAPES」

2022-04-27 23:55:38 | サイケデリック

26日に注文していた裸のラリーズ「THE OZ TAPES」のアナログ盤が届きました。

 

 

50年前に吉祥寺のライブハウスOZにて収録されたという貴重な音源。

OZ閉店時に自主製作された「OZ DAYS LIVE」の音源に未発表音源が追加されています。

(当時の貴重な写真も掲載されているブックレットも付属してます)

久保田麻琴さんがリマスタリングをしていて、かなり聴きやすくなっているとの事。

残念ながら、レコードプレイヤーの不備でまた聴けてはないですが、

これが初の裸のラリーズの公式アナログ盤ですので、期待してます。

海外でもブートレグが多数で回っている現状ですが、

今後、タージマハル旅行団を除く「OZ DAYS LIVE」のCDや

30年ぶりに再発される公式アルバム3種の発売もありますし、

今後、山口冨士夫さんが在籍していた80年代のライブの正式な音源化も期待したいです。

 


NO.35 アイランド「STAY WITH ME」

2022-04-26 17:04:21 | 日本のロック

ここしばらく、紫関連の音源を聴いていたら、

ふとこの曲も久しぶりに聴いてみたくなりました。

 

紫解散後、各メンバーは、それぞれ別のグループを結成し活動していました。

ジョージ紫さんは、マリナーやオキナワ(そこでヴォーカルをしていたJJが

現在の紫のヴォーカルです)、宮永英一さんは、サンディエゴ、ゾディアック、

イースタンオービット等で活躍。

(イースタンオービットのライブ盤については、いづれ記事を書きたいです。)

そして城間正男、敏雄さん兄弟は、アイランドというライブハウスを経営しながら

同名のバンドで活動していました。

80年代にNHK-FMで放送された沖縄のライブイベントでの演奏、

オキナワの「MAGIC MOUNTAIN WAY」と並んで印象に残っていたのが

アイランドの「STAY  WITH  ME」でした。

泣きのギターソロも良かったですが、

しっとりと歌われる正男さんのヴォーカルが大変印象的でした。

 

時は流れ、レンタルCD屋で探し物をしていた際、たまたまこのCDシングルを

発見しました。確かに昔聴いたあの曲でした。

これはCDシングルを買っておきたいと思い、色々な店を探すも見つからず、

かなり規模の大きなショップでようやく見つけた次第です。

当時は知らなかったのですが、松任谷由実さんが沖縄を訪れた際、

この曲を聴いていたく感銘し、パーソナリティーをしていた

松任谷由実のオールナイトニッポンのエンディングに採用したそうです。

その縁もあってシングル化されたと思いますが、

曲の良さもあって、大ヒットまではいきませんでしたが、

多くの人の心に残る事になりました。

 

Island - Stay with Me - YouTube

 

90年代になると、この曲を含む唯一のアルバムも発売されています。

 

 

紫のようなハードロックを期待すると肩透かしとなります。

どちらかというとAORっぽい曲が多いです。

で、見方を変えてポップスとして聴いてみるとシティポップっぽい曲もあったりで

それ程悪くないんじゃないかと思えてきました。

ジョージ紫さんも1曲提供していて、キーボードで参加もしています。

 

10年ほど前に俊雄さんが死去、正男さんは不祥事で数回逮捕。

もう最高の形でのアイランドは見ることは出来ませんが、

紫の40周年記念ライブの時は、正男さんがゲストで出演していました。

もう高音は怪しくなってきていますが、またライブ活動してもらいたいですね。


NO.34 紫「MURASAKI WHY NOW?」

2022-04-24 00:40:18 | 厳選ライブ盤

映画「ミラクルシティコザ」を見る前の予習としてディープパープルや紫の

アルバムを引っ張り出して聴いてきました。

紫は、本土デビューから短い期間で解散してしまったため、

当時残された音源は多くはありません。

2枚のアルバムと2枚に12インチシングル

(日本初の12インチシングルだとか)1枚のシングルと2枚組のライブ盤、

そして8・8ロックデイ出演時のオムニバスぐらいですね。

8・8のオムニバスは昔、中古で買ったのですが、

音飛びがしたので殆ど聴いてないです。

ライブ盤は実家に眠っているはずです。

そんなわけで、紫で一番よく聴いていたのが、

解散から5年後に、第1回ピースフルラブロックコンサートに

出演するために再結成された時のこのライブ盤です。

 

紫関連の曲の中で1、2を争うくらい好きな曲である

「MAGIC  MOUNTAIN WAY」の紫バージョンが聴けるだけで満足。

昔、NHK-FMで放送された、沖縄でのライブイベント

(録音していたけど残念ながらテープが行方不明)で

ジョージ紫&オキナワが演奏していてすごく好きだった曲です。

そのイベントは、喜屋武マリーさんとか元紫の城間兄弟が結成した

アイランドとか出ていたのを覚えてます。

 

紫解散後も殆どのメンバーは音楽関連で仕事をしていたので、

それ程ブランクは感じさせませんが、ディープパープルのカバーの

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」は、

少々危なっかしい演奏なのは残念。それでも新曲は沖縄の旋律が

印象的で、激しさはないですがいい感じです。

必ずしもベストな内容ではないですが、個人的には好きですね。

 

その後紫は、解散と再結成を繰り返し、今に至ってます。

一時期は、ジョージ紫さんの息子がメンバーだったこともありますが、

現在はジョージ紫さんと宮永英一(チビ)さんを中心になっているようです。

(前回のリンクで紹介した映像の最後の方で現在の紫のライブ映像が見れます)

ここまで来たらトコトンやってもらいたいですね。

 

余談ですが、1997年の再結成時にニュースステーションで

特集が放送されたのですが、この83年の再結成は無視して

20年ぶりの再結成と言ってました。

これだからマスコミってやつは…。

 

紫 再結成 ドキュメント:1997年10月27日ニュースステーション - YouTube

 


NO.33 映画「ミラクルシティコザ」

2022-04-20 23:09:48 | 映画

沖縄復帰50年直前のこのタイミングで、近所にロードショーがやってきました。

沖縄ロックの雄である紫が全面監修という事で、音楽面では期待していました。

 

「ミラクルシティコザ」は、未完成予告編大賞というまだ撮られていない映画の

予告編を作って競い合うという企画でグランプリを取ったといいます。

しかしながらコロナ過による悪影響で撮影は延期、なかなか苦労したようです。

 

ストーリーは、怠惰な日々を過ごす主人公の祖父が交通事故で突然の死去。

しかし未練のある祖父が主人公の体を乗っ取り、代わりに主人公の魂は

50年前の沖縄で伝説のロッカーとして活躍していた祖父の体に宿る事に。

当然ながら祖父のような才能もないので、上手くいかずに悩むことに。

まあ、よくある異世界転生ものの亜流のような感じですか。

 

オープニングから「ダブルディーリングウーマン」のインストから始まり、

途中では、主演の桐谷健太さんが歌う「ドゥームズデイ」といった

紫の名曲、更にほんの少しですが、コンディショングリーンをモデルにした

バンドも。ラストでは紫が演奏するシーンもあり(時間的に短いのが残念)

その辺りはまあ満足出来ました。

 

残念ながら、ストーリー的には、もう少し深みが欲しかったところです。

コザの再開発の話がもう少し深く関わって来ると思っていましたがそうでもなく。

グダグダな展開が続いたのはマイナスですかね。

それでも、時代考証は合っているかわかりませんが、

当時のコザの様子を表現しているのは評価したいです。

ベトナム戦争中で気の立っている米兵や、ヤクザな人達も当時の不穏を感じる

空気を感じられたかなと。

それにしても、解散と再結成を繰り返しながら未だに現役で活動している

紫、オジサン達はエネルギッシュだ。

 

(9) 桐谷健太「沖縄の想いと笑顔を!」伝説のロックバンド“紫”のライブも収録!映画『ミラクルシティコザ』完成披露舞台挨拶【トークノーカット】 - YouTube


NO.32 ディープパープル「ライブインジャパン完全版」

2022-04-19 23:10:15 | 厳選ライブ盤

日本公演のライブアルバムは色々なアーチストが出していて

名盤も多々ありますが、自分にとってはやはり

ディープパープルの「ライブインジャパン」がいの一番に思い浮かびますね。

 

ディープパープルに関しては、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」ぐらいしか

知らなかったのですが、80年代半ばに黄金期のメンバーによる再結成があり、

確かそれに合わせてFM放送の「ソニービックスペシャル」で特集されたと

記憶しています。(うろ覚えですが)

「ソニービックスペシャル」は、土曜の深夜2時間、1ヶ月間にわたり

ピックアップされたアーチストのアルバムを

ノーカットで放送していたプログラムです。

レコードのレンタルも一般的でなく、当然ながらネットもない時代でしたので、

高いレコード代も出さずにアルバムが聴けるありがたい番組でした。

(FM等のエアチェックに関しては、昔録音したカセットを発掘して

いつかは記事を書きたいです)

「マシンヘッド」等の名盤も聴きましたが、やはりインパクトがあったのが

この「ライブインジャパン」でした。

何といっても「ハイウェイスター」の疾走感がスタジオ盤とは段違いで、

後半のリッチー・ブラックモアのギターの速弾きに興奮しましたね。

 

CDも比較的早く廉価盤が発売されました。

CDの収録時間ギリギリまで1枚に収められたため、よりお得感を感じましたね。

買った当時はよく聴いてました。

 

93年頃、奇妙な輸入盤が販売されているのを見つけました。

「ライブインジャパン」のジャケにディープパープルとカタカナで書かれた文字を

含むブートレクっぽい雰囲気をした3枚組、

実はオランダのEMIが製作した正規盤です。

来日公演を3日分収録したという本作は、買おうか迷っているうちにいつの間にか

消えていました。そんなことを忘れていたのですが、

3年後にようやく日本盤が発売されました。

タイトルに完全版と表記されていますが、これは大嘘で、

アンコール曲を収める為にオリジナルに収められていたバージョンの

「スモーク・オン・ザ・ウォーター」と「ミュール」はカットされていて、

最終日のみにアンコールで演奏された「ルシール」も収録されていません。

更に海外でミックスされたためか、若干音質が劣るとの事。

こういった欠点もありますが、やはりこの来日公演をほぼ聴く事が出来るのは

非常にありがたいです。本当の完全版を聴くには、

後日発売されたスーパーデラックスエディションを聴くしかないですが、

2万円以上の定価では手を出しにくいです。

(今となってはどれも入手困難ですが)

まあ今、「ライブインジャパン」を入手するなら、オリジナルに

アンコール曲を集めたディスクが付いたデラックスエディションを探すのもいいかと。

 

元々、パープル側はライブアルバムの製作に乗り気ではなかったようで、

出来が良かったら日本のみでの発売を認める程度しか思ってなかったようです。

しかしながら、ショボいと思っていた日本製の機材が

なかなか高性能だったようで、素晴らしい演奏が記録されていたのです。

結局、日本のみの発売のはずが

「メイド・イン・ジャパン」として世界で発売されました。

それにしても、黄金期のメンバーとはいえ、リッチー・ブラックモアと

イアン・ギランの仲がかなり悪くなっていた時期なのに、

これだけ素晴らしい演奏が素晴らしい状態で記録されていたのは奇跡的だと思います。