月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.79 ブルースクリエイション「白熱のブルースクリエイション」  

2022-08-30 21:30:35 | 日本のロック

「悪魔と11人の子供達」のアルバムの発売の直後、

ブルースクリエイションの強力なライブ音源が残っています。

1971年8月、岐阜県中津川で行われた

第3回全日本フォークジャンボリーにおけるライブ音源です。

1969年に始まった全日本フォークジャンボリーは、

年々規模が大きくなり、第3回に至っては、フォークのみならず

ロックやジャズのアーチストも参加し、メインステージに加え、

フォークとロックのサブステージも設置されました。

サブステージで吉田拓郎さんが「人間なんて」を2時間近く演奏したという

伝説もありました。そして聴衆の一部がステージを占拠したりして

後味の悪い終わり方をして、フォークジャンボリーは終焉を迎えます。

全日本フォークジャンボリーに関しては、URCレコードが秘蔵音源を

大量に保管しているようで、販売権が移る度に少しずつ発表されています。

フォークジャンボリーに関しては、またいずれ記事にしたいです。

 

話がそれましたが、この時のブルースクリエイションの音源ですが、

「悪魔と11人の子供達」からはタイトル曲のみ、後はカバーと

アルバム未収録曲になります。冒頭の「ROLLING STONE」は

マディーウォーターズのカバーになりますが、ヘヴィーなロックアレンジで

なかなか聴きごたえあります。最後に収録されている「TABACCO ROAD」も

カバーですが、好んで演奏されていたようですね。後のクリエイションでも

演奏されています。

 

 

そして特筆すべきは、ゲストでカルメン・マキさんが参加している曲が

ある事です。カルメン・マキさんは、「時には母のない子のように」の

ヒット後のアイドル的な活動に嫌気がさしていたようで、

ロックの世界に飛び込むことになります。

ブルースクリエイションとはよく共演したとの事です。

そしてアルバムを作る事にもなるのです。

ブルースクリエイションとカルメン・マキさんの貴重なライブ、

このアルバムでは、マイナーなグループのカバー曲である

「アンダースタンド」のみですが、シャウトするマキさんの

ボーカルとギターを弾きまくる竹田さんに圧倒されます。

 

 

ここには収録されていませんが、この時のマキさんがゲスト出演した

音源は、これもブルースのカバーである「セントジェイムス病院」が、

「ニューロックの夜明けURC編」等に収録されています。

 

 

70年代初期の日本のロックのライブ音源はなかなか少なく、

良質な音質で演奏も優れたこの音源は、なかなか貴重で価値があるかと。

この手の音源は、もっと発掘されるといいですね。


NO.78 ブルースクリエイション「悪魔と11人の子供達」

2022-08-26 23:37:03 | 日本のロック

学生時代、あるレコード店で見かけたレコードは、

悪魔が描かれたジャケットで非常にインパクトがありました。

帯は無かったですが、それでも数万円の値が付いていたと思います。

これがブルースクリエイションの「悪魔と11人の子供達」

との出会いでした。いつかどんな音か聴いてみたいと思っていましたが、

後にCD化していることを知り、大型店まで買いに行ったものでした。

 

1stがブルースのカバーばかりだったのに対し、

メンバーを一新して作られたこのアルバムは、ハードロック寄りの

英語詞のオリジナルナンバーばかりとなります。

すべてギターの竹田和夫さんによるものです。

 

1曲目から「原爆落とし」なる物騒なタイトルの曲から始まりますが、

これはプロレスの技からとったものです。

B面の「脳天杭打ち」もプロレス技からです。

昔のプロレス技の日本語名は何か物騒な名前が多いですね。

ジャーマンスープレックスホールドが原爆固め、

ムーンサルトプレスが月面水爆など。今は殆ど使われませんが、

使ったら批判浴びるでしょうね。 

また有名な話ですが、竹田さんが後に結成するクリエーションが

アメリカの兄弟タッグのファンク兄弟の入場テーマ曲である

「スピニング・トゥ・ホ-ルド」を手掛けることになります。

 

日本ロック史に残る名盤とは思いますが、残念なのは、ボーカルが

所々発音があまりよくなく、カタカナ英語に聴こえる部分がある所ですか。

曲がいいだけに惜しいですね。竹田さんのギターが縦横無尽に

引きまくっているだけに勿体ない。

ではボーカルが別の人だったらどうなっていたか?

それはまた次回に書こうかと思います。

 


NO.77 ブルースクリエイション「ブルースクリエイション」

2022-08-23 00:14:36 | 日本のロック

 少々寄り道をしましたが、日本のロックの黎明期の旅に戻ります。

(まぁ実際はCDが見つからずに探していたんですけどね)

 

ブルースクリエイションは、GSのジャガーズの弟分的バンドの

ビッキーズが発展する形で結成されました。ビッキーズ時代には、

後に乱魔堂を結成する洪栄龍さんも所属していたとの事。

そこに竹田和夫さんが参加。結局、布谷文夫さんと竹田さんが

メンバーを加えてブルースクリエイションが結成されることに。

1969年にこのファーストアルバムがリリースされます。

 

このアルバムが発売された頃、天才少年と言われていた竹田さんは、

まだ17~8歳ぐらいでしたが、非常に印象的なギターを弾いています。

ブルースのカバーばかりのアルバムですが、ブルースマンを自称する

布谷さんとギターを弾きまくる竹田さんは、いい味を出していますね。

ただ、後に結成するDEWと比べると、布谷さんのボーカルはあっさり

した感じですね。(後の方がアクが強すぎるのか)

 

竹田さんの色が濃くなってきたためか、布谷さんは脱退し、

次作はハードロック色の強いアルバムとなりました。

結局、ブルースの名に相応しいのはこのファーストだけですね。

竹田さんと布谷さんの共演が聴けるのは貴重ですね。

 

DEWに関しては、NO.2で紹介した「幻野」に出演時の音源を

見つけましたので貼っておきます。

 

 

                                                                                                                                                                                     


NO.76 裸のラリーズ オリジナルアルバム再発版 プレオーダー開始

2022-08-17 07:42:51 | サイケデリック

裸のラリーズの再発もいよいよ大詰め。

オリジナルアルバムの復刻になります。待っていました。

 

オリジナル・アルバム3タイトル再発版、国内プレオーダー開始 | Les Rallizes Dénudés (lesrallizesdenudes-official.com)

 

販売予定日は10月12日。プレオーダーも始まりましたので、

しっかり予約して販売日を待ちましょう。

今回の再発は、久保田麻琴さんによるリマスタリングが行われていて、

更に「’67-‘69 STUDIO et LIVE」に関しては、未発表の

ボーナストラックが2曲追加されているようです。

販売価格もオリジナルよりは若干安くはなっています。

それでも送料を加えたら合計12000円程度にはなります。

安い買い物ではないですが、オリジナルを買い逃して

30年間後悔した身としては、今度は確実に買わないとなぁ。

しかしながらアナログ盤の発売も匂わせているし、

これの倍以上の資金は確保しないといけないかなぁ。

 

再発関連については、これで一段落となるでしょうが、

山口冨士夫さんが在籍していた時期の正式な発売とか、

ビデオテープでしか発売されていない映像のBlu-ray化とか、

まだまだ素材は沢山あるはずです。

時間はかかってもいいので、正規版として多くの音源や映像を

発売してもらいたいものです。

 


NO.75 本日の収穫

2022-08-15 21:04:09 | アラカルト

土日に働いて本日は休日。

久々に近所の何とかオフに行ってきました。

レコード類は殆ど変化なしでしたけど、CD類を見てきたら、

ミッシェルガンエレファントが少々まとまって入荷していました。

ミッシェルガンエレファントは、90年代半ばから00年代初め位まで

活動していたグループで、ドクターフィールグッドの影響を受けた、

シンプルでタイトなロックを演奏していたグループです。

20年位前、ミュージックステーションでロシアのデュオのt.A.T.uが

ギリギリでドタキャンした時、尺を埋める為にもう1曲歌ったグループ

と言えば、わかる人がいるかもしれません。

自分としては、90年代以降のグループは殆ど聴きませんが、

ブランキージェットシティとこのミッシェルは例外で好んで聴きました。

 

本日購入したのは、インディーズ時代に出したライブ盤と、

2000年に赤坂ブリッツで収録されたライブ盤です。

どちらも昔に購入したはずですが、引っ越しのドサクサで

何処かに紛れてしまっているので、この際購入しました。

どちらも880円也。流行りものじゃなければ、

この程度の値段なんですよね。中身はいいだけに複雑な気分です。

 

 

ミッシェルガンエレファントのライブは、疾走感があり非常に盛り上がっていたものです。

2001年に行われた代々木公園でのフリーライブは、告知が当日に行われ、しかも雨の中、

2万人近くが集まったとされ、ドキュメント映像を見た時は思わず見入ってしまいました。

フジロックに出演した時も、興奮したファンが前方に集まり過ぎて中断するというハプニングも。

 

 

コロナのご時世、今はもうこんなライブは出来ないだろうなぁ。

倒れる人が続出する状態なら即中止になるだろうし。

 

そして解散ライブのラストで歌ったメジャーデビュー曲の「世界の終わり」。

やっぱりいい曲だなぁと改めて思います。

今日は入手したCDをじっくりと聴こうかな。