月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.253 加橋かつみ「パリ1969」

2024-05-04 00:50:07 | グループサウンズ&カルトGS

最近、ふとしたことでグループサウンズ関係の曲を聴いたりしました。

モップス、そしてタイガースの関連も。沢田研二さんもまだ現役でライブを

していますし、そういえばタイガースのメンバーも近年集まったなぁと。

そしてタイガースといえば、ジュリーと並んで人気があったのは、

トッポこと加橋かつみさんですね。派手ではないですが、その優しい歌声には、

ファンも魅了されたでしょう。

タイガース当時から、ビージーズの曲はよく歌っていたようで、

「ホリディ」とか得意だったようですね。

 

 

そして加橋さんのボーカルと言えば、最大のヒットとなった「花の首飾り」。

やはりこの曲は、加橋さんの歌声が一番しっくりくる感じですね。

 

 

加橋さんは、タイガースの人気絶頂期に失踪の形で脱退します。

そしてパリに渡り製作されたのが、この「パリ 1969」です。

ビートルズの「ホワイトアルバム」を思わせるような真っ白なジャケットが

印象的です。

タイガースの「ヒューマン・ルネッサンス」でもクラシカルなサウンドを

聴かせていますが、このアルバムでもオーケストラが取り入れられ、

アレンジは、ジャン・クロード・プチが担当しています。

シングルカットされた「花の世界」から、

タイガースとは違った世界を見せてくれますが、残念ながら、Youtubeには

上がっていなかったです。いい曲ですけどね。

「雨上がりと僕」、オーケストラとの相性がよい曲です。

 

 

また、カバー曲の「バイバイシティー」、珍しく少々ハードな歌い方ですね。

 

 

加橋さんは、このアルバム以外にも数枚ソロアルバムを出していますが、

いずれも現在入手困難です。自分は「パリ1969」しか持っていないので、

また再発してほしいですね。

 

そして最後に、80年代のタイガースの同窓会的復活の時の加橋さんによる、

「生きてることは素敵さ」という曲。

その時の新曲の中でも印象的だったのを覚えています。

 

 

                                                                                                                                                                    

                                             

 

 

 


NO.193 水谷公生さんのお仕事 GS編

2023-09-22 00:18:39 | グループサウンズ&カルトGS

最近、色々調べている水谷公生さん関連。

まずはGS時代の事を書いていこうかと思います。

 

最初は、ブルーエースというインストグループに参加していた水谷さん

(当時は水谷淳名義)ですが、アウトキャストというGSに参加します。

アウトキャストは、渡辺プロ所属第1号のGSで、

タイガースの先輩にあたります。実力はあったのですが、

人気面に関しては、後輩のタイガースに大きく水を開けられます。

 

一日だけの恋

曲としては悪くないですが、スター性はなかったですね。

 

電話でいいから

やけっぱちなボーカルがやけに印象に残る曲です。

こういうの、嫌いじゃないです。

 

のっぽのサリー

アルバム「君も僕も友達になろう」収録。

スピード感こそないですが、日本初のガレージパンクとも言われてます。

「電話でいいから」と並んで、80年代半ばに欧米のマニア層に

注目されていたそうです。

 

アウトキャストはアイドルを目指して挫折しましたが、

ボーカルの轟健二さん(松崎 澄夫さん)はプロデューサーとして

キーボードの穂口 雄右さんはアレンジャーとして、

そして水谷さんはギタリストとしてキャンディーズを育てることになります。

 

キャンディーズ「春一番」

この印象的なギターは水谷さんです。

 

アウトキャスト解散後は、アダムスというグループに参加します。

オーケストラを効果的に使った「旧約聖書」という曲でデビューします。

「第2のタイガース」を目指していたらしいですが、ヒットはせず。

 

旧約聖書

てっきり、すぎやまこういちさんが関わっていたと思っていましたが、

作詞・山上路夫さん、作曲・村井邦彦さんでした。

大袈裟なオーケストラが好きな人には気に入るかと。

カルトGS屈指の名曲だと思っています。

 

にくい時計

水谷公生さんの作詞作曲の曲です。切なくなる曲ですね。

タイガースの映画「ハーイ!ロンドン」で演奏しているシーンがあるとか。

 

こちらは作詞・北山修さん、作曲・すぎやまこういちさんです。

最後は結局、歌謡曲っぽくなりましたね。

 

アダムス解散以降のソロアルバムやグループ参加については、また次回に。

 

そして完全に余談となりますが、アダムスの音源が収録されているこの編集盤に

作曲家の馬飼野康二さんが所属していたというブルーシャルムという

グループの音源も収録されています。

ゾンビーズの「二人のシーズン」の日本語カバーもやっていますね。

 

 


NO.182 タイガース「A-LIVE」

2023-08-24 08:13:49 | グループサウンズ&カルトGS

自分にとっての本格的なGSとの出会いは、

タイガースの同窓会再結成でした。(当時、瞳みのるさんが

芸能界を引退していて参加出来なかったので同窓会なのだとか)

 

元々、日劇が取り壊されるという事で、いくつかのGSが再結成されて

最後のウエスタンカーニバルが開催されました。

その中でもタイガースは期間限定ながら、新曲も出したりしていました。

CMにも採用された「十年ロマンス」とか「色つきの女でいてくれよ」とか、

GSを知らなかった当時の自分にとっても、いい曲だなと思えて

好んで聴いていましたね。

 

更にFMとかでも盛んにGS特集をやったりしていたので、

有名な曲は殆ど覚えたものです。

自分の世代だとGSとはまるで合わないですが、

就職したての頃、カラオケでGSのメドレーを歌えると言ったら、

上司と無理やり一緒に歌わされたこともあったなぁと思い出しました。

 

まだカルトGSを知らなかった時期ですので、

好きなグループは、やはりタイガースでした。何といっても

沢田研二さんがボーカルでしたからね。ヒット曲を連発していた人が

昔やっていたグループですので、興味を持ったわけです。

 

同窓会の時のライブもテレビで放映されたこともあって、

その時は食い入るようにテレビを見ていたなぁと思い出されます。

この当時は家庭用ビデオデッキはまだ一般的ではなく、

ライブビデオも1万5千円とかしていた時代ですので、

保存するという概念はなかったですね。サブスクで、ある程度のものは

無料で見る事の出来る今の時代は、何とありがたい事か。

 

後年になって、その時のライブアルバムが出ていることを知り、

偶然にも入手することが出来ました。

堂々のLP3枚組で、大半のヒット曲も網羅されていますし、

ライブで演奏していた洋楽のカバーも、ストーンズやビートルズ、

ビージーズといった得意のナンバーも収録されています。

 

その時のメンバーは、沢田研二さん、加橋かつみさん、森本太郎さん、

岸部一徳さん、岸部シローさんで、瞳みのるさん以外のメンバーが

参加しているのは嬉しいですね。

瞳みのるさんに関しては、十数年前にBSフジでインタビュー番組に

出演していて、保存している映像をまた見てみました。

タイガース時代の蟠りから、解散と同時に地元に帰り、何をすべきか

自問自答をしていたのですが、タイガース時代に出会った

「眠狂四郎」で有名な作家の柴田錬三郎さんからの言葉もあり、

中国語や中国文学の学問を頑張る事に。そして大学に入学し、

大学の教授にはなれませんでしたが、高校の国語の教師として、

定年直前まで勤務していたとの事です。

頑なに復帰を拒否していた瞳さんですが、徐々に和解していき、

2013年に40数年ぶりにオリジナルメンバーで復活することに。

 

タイガースは、行き違いやメンバーの対立とか色々ありましたが、

少なくても「A-LIVE」のアルバムの中ではのびのびと演奏を楽しんで

いるかのようです。こういうのっていいなぁと。

 

レコードは、1982年3月17日の日本武道館と

4月4日の大阪フェスティバルホールの音源が使われていますが、

映像は日本武道館のみで構成されているようです。

なかなか貴重な映像かと。

 

 

余談ですが、

慶應高校が100何年振りの甲子園優勝で盛り上がりましたが、

実は瞳みのるさんが教師を務めていたのが慶應高校だったりします。

しかも仙台育英の校長先生は、嘗ての教え子だったとの話も。

前回のストロベリー・パスの成毛滋さんも慶應高校の出身だとか。

いや、狙って記事にしたんではないですけどね。


NO.177 タイムスリップグリコ グループサウンズ編

2023-08-06 09:55:18 | グループサウンズ&カルトGS

前回、GSの事を書いている時に、昔こういうのを買っていたなぁと

思い出したのが、食玩の「タイムスリップグリコ」のGS編でした。

一応、中にチョコレートが2粒ほど入っていましたが、当然メインはオマケです。

「タイムスリップグリコ」は面白い玩具が入っているシリーズもありますが、

CDがおまけについていたシリーズもあり、

これはグループサウンズを集めたものです。

発売されていたのは20年近く前ですが、スーパーの片隅に半額になって

売られていたので、何回かに分けて大人買いしたものでした。

(いつまでたっても残っていたので、買わないといけないと謎の使命感が…)

確か定価は300円ぐらいだったので、半額ならいいかなと。

 

箱を開けて出てくるのは、当時のシングルレコードを復刻した

8インチCDで、収録されているのはA面のみながら、

ジャケも忠実に再現されていますし、もちろん音源もオリジナルです。

 

ジャケ裏の解説とか歌詞も、注意書きとか多少加わっていますが、殆ど忠実に再現されています。

 

 

更に当時のレコードの中袋までしっかり再現されているとは

芸が細かいですね。ポイント高いです。

 

 

CDの方も、当時のシングルのレーベルを再現しています。

 

 

それに加えて、独自の解説書も付属しています。

食玩でここまでしっかり作ってあると集めたくなりますね。

 

 

ちなみにノーマルが12種類、シークレットが3種類でした。

種類は少なかったので、何とかコンプは出来ました。

 

 

301 ザ・タイガース「君だけに愛を」

302 ザ・カーナビーツ「好きさ好きさ好きさ」

303 ザ・ワイルドワンズ「想い出の渚」

304 ザ・ゴールデンカップス「長い髪の少女」

305 オックス「スワンの涙」

306 ジャッキー吉川とブルーコメッツ「ブルーシャトウ」

307 ザ・ダイナマイツ「トンネル天国」

308 ザ・ジャガーズ「君に会いたい」

309 ザ・モップス「たどりついたらいつも雨ふり」

310 ズー・ニー・ブー「白いサンゴ礁」

311 ヴィレッジ・シンガーズ「バラ色の雲」

312 パープル・シャドウズ「小さなスナック」

 

そしてシークレット3種類。

 

 

313 ザ・タイガース「シーサイド・バウンド」

314 ヴィレッジ・シンガーズ「亜麻色の髪の乙女」

303B ザ・ワイルドワンズ「想い出の渚」(別ジャケ)

 

選曲としては無難な方だと思いますが、やはりザ・スパイダースと

ザ・テンプターズは入れてほしかったなぁと。

許可が下りなかったのでしょうか?

後、寺内タケシさん関連は欲しかったかな。

個人的に嬉しいのは、ザ・ダイナマイツとモップスですかね。

特にザ・ダイナマイツは、大ヒットしたわけではないですが、

後に村八分で注目される山口冨士夫さんがいたグループで、

よく選んでくれたと思います。

(モップスとダイナマイツは同時デビューでした)

どちらかというと、メンバーの要望で録音し直した

アルバムバージョンの方がいいと思いますね。

機関車を思わせるようなドラムもいいですし、山口さんのギターも

こちらの方が勢いを感じますし、最後が「鉄道唱歌」を思わせる

リフがいい感じかなと。

 

 

モップスも好きなグループで、これは吉田拓郎さんの作品を

ロックアレンジにしたものです。自分にとっては、こちらが

馴染みがあって好きですね。

 

 

シークレットは「亜麻色の髪の乙女」もカバーがヒットしたから納得、

「シーサイドバウンド」もタイガースの人気を決定させた曲で納得。

でも「想い出の渚」のジャケ違いにするなら、

ゴールデンカップスの「銀色のグラス」とか入れてほしかったなと。

 

 

タイムスリップグリコのCD編には、青春のメロディー編の

第1弾、第2弾もあり、その辺りも探しておけばよかったなと

今更ながら思いますね。まぁそれは兎も角、

またカルトGSのCDとか発掘して、書いていこうかな。

 


NO.176 GSマンダラ

2023-08-03 00:28:20 | グループサウンズ&カルトGS

某ディスクユニオンで、少し前に気になる記事を見つけました。

何でもグループサウンズに関するファンマガジンがあるとか。

それも今の時代にそぐわない、手書きの文字の記事に手書きのイラスト。

更に製作しているのは、若い女性二人組だと。

(一人は、この間、無事に大学を卒業できたとか)

オマケに内容は、なかなかディープで、カルトGSと呼ばれるものが多数。

何か、昔の同人誌を読んでいる感じで、嫌いではないですね。

 

購入はGSマンダラのサイトに直接に注文も出来ますが、

ディスクユニオンからの注文だと、2号と3号をまとめて買えば、

廃刊の1号の復刻版も付属します。送料はかかりますけどね。

なので自分は、他に欲しいものが見つかった時に一緒に注文して、

送料を浮かせましたが。(5千円以上の注文で送料無料)

 

自分はGSの世代ではないですが、モップスやゴールデンカップス、

更にカルトGSと呼ばれるものが好きなので、

もう少ししたら記事を書こうとは思います。

 

GSマンダラで紹介されていたカルトGSの一部

 

ゴールデンカップス「過ぎ去りし恋」

 

スコーピオン 「星の天使」

 

ジ・アップル 「王女の真珠」

 

内田裕也&フラワーズ 「ラストチャンス」

 

 

カルトGSだとB級感溢れるものも多いですが、かなり尖ったものも

あったりして、一度ハマると沼的な存在になりますね。

知らない曲もまだまだありますので、ちょっと調べてみたいなと。

カルトGSと一口に言っても、歌謡曲寄りのものもありますし、

テクニックが凄いものもあります。

もちろんピンからキリまで色々ありますが、ハマると沼になりますね。

 

所謂、シティポップと言われるものは、

今まで特に評価されていなかったですが、海外で評価されて

注目されたという経緯があります。

実はカルトGSも、更に以前に海外の一部で

「ジャパニーズガレージパンク」があると注目されていました。

日本でまともに評価されていなかったのは悔しいですが、

日本で普通だと思っているものでも、海外から見れば珍しいものという

事もあるのではないかなとは思います。

 

まぁそんな事で、以前買い集めたCDとか、また発掘して

聴いてみようかなと思います。