月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.196 裸のラリーズ「BAUS '93」11月8日発売予定

2023-09-29 00:31:16 | 発売予定

裸のラリーズが90年代に復活しての初ライブであり、

自分もNO.130でも語るくらいに思い入れのある吉祥寺バウスシアターのライブが

CD化されることになりました。これは素直に嬉しい。

思い出となっているライブを形に残すことが出来る。

しかも初回盤には当日の演奏を収録したDVDも付くとの事。更に嬉しい。

 

しかしながら告知を見てみると…

Les Rallizes Dénudés(裸のラリーズ) / BAUS '93 (CD+DVD) TBVC-0004

 

収録されているのは、マルチデジタルマスターが残っている4曲のみ。

DVDも当時、ラリーズのヴィジュアル演出をしていた人による

当日の映像を使った20分強の映像作品との事。

「THE LAST ONE」も収録されていないなんて…。

かのジュリアン・コープも解説を書いている等、力を入れているのは

わかるのですが、せめて会場録音のテープを使ってもいいから、

ライブの完全版にして発売してほしかった。

後から完全版出すなんて事は、絶対しないでくれよと。


NO.195 NHK連続テレビ小説「ブギウギ」10月2日開始

2023-09-27 00:04:59 | アラカルト

自分はドラマは殆ど見ない人ですが、

10月2日から始まるNHK連続テレビ小説「ブギウギ」は、

ちょっと気になったのでチェックしたいです。

このドラマの主人公は、笠置シヅ子さんがモデルになっています。

当然、自分が生まれるずっと前に活躍していた人ですので、

接点はないですが、歌っている曲が当時としてはかなり面白く、

笠置さんの独特な歌い方もあって、一時期注目した事がありました。

特に「買い物ブギー」の自由奔放さは何コレと驚いたものです。

服部良一さん(当然、ドラマにもモデルになった人が出ます)も

凄いやと感心したっけなぁ。

これは知らなかったのですが、作詞者の村雨まさをというのは、

服部良一さんの作詞家としての名称なんですね。

 

 

歌詞に〇んぼという表現があるため、放送禁止になった事も。

該当部分を丸ごとカットして編集しているものが今聴けるバージョンです。

歌詞を変更して歌われる事もありますが、

オリジナルを尊重してほしいと思いますね。

更にSP時代には時間が足りなくて、おっさんとのやり取りの後の

おばあさんとのやり取りの部分がカットされています。

(今聴けるバージョンも全てカットされています)

ちなみに続きの歌詞は、

 

そんなら 向かいのおばあさん
わて忙しゅうて かないまへんので
ちょっとこれだけ おくんなはれ
書付渡せば おばあさん
これまた 〇〇〇で読めません
手さぐり半分 何しまひょ
わてほんまによう云わんわ
わてほんまによう云わんわ
ああしんど

〇くらという用語がありますので…。

ちなみに「ペ子ちゃんとデン助」という映画の中で歌われるシーンには、

この部分も歌われています。(修正なし)

若き日の黒柳徹子さんも映っているとか。

ドラマでは歌われるのかどうか、ちょっと注目したいです。

ちなみに「仁丹」という商品名も歌詞にあるのでどう処理するのか…。

う~ん、ドラマに興味がない自分が書くとこんな記事になってしまいます。

ご容赦を。

 

今回は「買い物ブギー」に注目して記事を書いたのですが、

70年以上前に作られたとは思えない独特な曲で、

服部良一さんの才能は凄かったと感じます。

よく考えてみたら、この時代の自分の知っている曲って

淡谷のり子さんの「別れのブルース」とか、渡辺はま子さんの「蘇州夜曲」

藤山一郎さんの「青い山脈」とか、服部良一さんの作品ばかりです。

「買い物ブギー」もややこしい曲ながら、

色々な人にカバーされていることからも愛されているのがわかりますね。

 

余談ですが、色々なブギを歌っている笠置さんですが、

一風変わった感じのブギが「ホームランブギ」です。

 

 

後年、吉田拓郎さんもカバーをしています。アレンジは現代風ですが、

歌詞はオリジナルのままのようです。球団名も昔のままですね。

 

 

 


NO.194 梶浦由記「空色の椅子」

2023-09-25 01:01:39 | アニメ・サントラ系

今回はCDとかではなく、書籍の話です。

 

梶浦由記さんは、アニメを中心に色々な楽曲を作り上げています。

有名な所では、「魔法少女まどか☆マギカ」「ソード・アート・オンライン」

といったところで音楽を担当しています。また「劇場版鬼滅の刃 無限列車編」

での主題歌、LiSAさんの「炎」の製作にも関わっています。

 

 

活動30周年を記念して製作されたこの書籍は、全230編の詞を収録し、

更に語り下ろしエッセイ等も収録したボリュームのある本です。

サイトで一部試し読みが出来ますが、最初は、やはりビートルズの詞に

興味を持ったそうです。しかしながら楽曲にはそれほど興味を

持たなかったとか、興味深いエピソードも掲載されています。

しかし3500円するんですよね。今月使いすぎているから

購入は来月以降になりそうです。

「空色の椅子」梶浦由記・著 飛鳥新社

 

自分が初めて梶浦さんを知ったのは、「NOIR」というアニメでした。

作中に使われた曲が、日本語でも英語でもない言葉で、

強い印象を残しています。

 

 

 

放送は2001年ですので、もう20年以上前の作品になりますが、

バックに流れる梶浦さんの音楽のインパクトが強かったのを覚えています。

 

「魔法少女まどか☆マギカ」は、リアルタイムで見ていて、

最終回は一体どうなるのか等、当時からかなり盛り上がっていたのを

思い出します。エンディングのkalafinaによる「MAGIA」も

何度となく聴きいってましたね。

 

 

作中で使われる音楽も心に残るものばかりです。

切なくなってくるこの曲は特に好きですね。

 

 

また梶浦さんはアニメ以外でも音楽を担当していて、

NHKで放送されていた「歴史秘話ヒストリア」でも提供しています。

kalafinaが歌うオープニングテーマは、

聴いた事がある人も多いのではないかと。

 

 

梶浦さん自身もFictionJunctionの一員としてキーボードで演奏に参加する事も

 

 

本来なら、梶浦さんの詞の素晴らしさを紹介しなきゃいけないのに、

曲の良さばかり語ってしまい、すみません。


NO.193 水谷公生さんのお仕事 GS編

2023-09-22 00:18:39 | グループサウンズ&カルトGS

最近、色々調べている水谷公生さん関連。

まずはGS時代の事を書いていこうかと思います。

 

最初は、ブルーエースというインストグループに参加していた水谷さん

(当時は水谷淳名義)ですが、アウトキャストというGSに参加します。

アウトキャストは、渡辺プロ所属第1号のGSで、

タイガースの先輩にあたります。実力はあったのですが、

人気面に関しては、後輩のタイガースに大きく水を開けられます。

 

一日だけの恋

曲としては悪くないですが、スター性はなかったですね。

 

電話でいいから

やけっぱちなボーカルがやけに印象に残る曲です。

こういうの、嫌いじゃないです。

 

のっぽのサリー

アルバム「君も僕も友達になろう」収録。

スピード感こそないですが、日本初のガレージパンクとも言われてます。

「電話でいいから」と並んで、80年代半ばに欧米のマニア層に

注目されていたそうです。

 

アウトキャストはアイドルを目指して挫折しましたが、

ボーカルの轟健二さん(松崎 澄夫さん)はプロデューサーとして

キーボードの穂口 雄右さんはアレンジャーとして、

そして水谷さんはギタリストとしてキャンディーズを育てることになります。

 

キャンディーズ「春一番」

この印象的なギターは水谷さんです。

 

アウトキャスト解散後は、アダムスというグループに参加します。

オーケストラを効果的に使った「旧約聖書」という曲でデビューします。

「第2のタイガース」を目指していたらしいですが、ヒットはせず。

 

旧約聖書

てっきり、すぎやまこういちさんが関わっていたと思っていましたが、

作詞・山上路夫さん、作曲・村井邦彦さんでした。

大袈裟なオーケストラが好きな人には気に入るかと。

カルトGS屈指の名曲だと思っています。

 

にくい時計

水谷公生さんの作詞作曲の曲です。切なくなる曲ですね。

タイガースの映画「ハーイ!ロンドン」で演奏しているシーンがあるとか。

 

こちらは作詞・北山修さん、作曲・すぎやまこういちさんです。

最後は結局、歌謡曲っぽくなりましたね。

 

アダムス解散以降のソロアルバムやグループ参加については、また次回に。

 

そして完全に余談となりますが、アダムスの音源が収録されているこの編集盤に

作曲家の馬飼野康二さんが所属していたというブルーシャルムという

グループの音源も収録されています。

ゾンビーズの「二人のシーズン」の日本語カバーもやっていますね。

 

 


NO.192 フライド・エッグ「ドクター・シーゲルのフライド・エッグ・マシーン」

2023-09-18 00:25:37 | 日本のプログレ

1971年8月6日、ピンクフロイドの初来日のイベントである

箱根アフロディーテ」が開催されました。メインのピンクフロイド以外にも

国内、海外のアーチストが参加しています。

ストロベリー・パスの成毛滋さんとつのだひろさんは、ベースを加えて

イベントに参加します。このベースが、その時まだ18歳だった

高中正義さんです。これがフライド・エッグの始まりでした。

 

高中正義さんは高校生の時から、府中の米軍基地のクラブで

演奏してきたといいます。その頃には「BRUSH]という

自主製作アルバムもリリースしています。

 

玄人好みの実力者の集まりに加えて、当時のロックバンドでは

初となる16チャンネルでのレコーディングが行われたりと、

実験的な試みにも挑戦しています。それでいて完成度の高い

アルバムとなっています。

とはいえ、ピンクフロイドの影響を感じる曲もあったりしますが、

日本のプログレの初期の形として、重要なアルバムだと思います。

 

 

まぁピンクフロイド以外にも、ELPの「タルカス」に対抗して

「オケカス」という曲を作ったのもご愛敬か。

(「樽貸す」に対抗して「桶貸す」か。桶は樽より小さいって事かな)

 

 

次作の「グッバイフライドエッグ」というアルバムを出して

解散してしまったのが残念です。もう少し活躍してほしかったなぁと

切に思います。

余談ですが、アルバムジャケットを描いたのは景山民夫さんで

裏ジャケには、よく見るとレレレのおじさんが隠れていたりと

なかなか洒落が効いていますね。

 

 

なお、成毛さん、つのださんと柳ジョージさんによる

ジプシーアイズというグループの音源も残っています。

 

 

これは1975年に江藤勲さんを加えてのライブですが、

なかなか素晴らしい演奏ですね。柳さんが参加し続けたら、

また違う結果になっていたかもしれませんね。