月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.243 さだまさしローカル線コンサートの思い出

2024-03-25 00:45:02 | 思い出のライブ

以前、実家に行った時、懐かしいものを見つけました。

捨てられているかと思っていたパンフレットのようなもの。

自分が初めて自分の意志で出かけたコンサートの記憶のカケラ。

色々なものが捨てられていた中で、よく残っていたなと感心する。

(虫食いの後があるのは仕方ないか)

 

まだJRが国鉄だった頃、もし民営化されたら、赤字が溜まる一方の

ローカル線は廃止になっていくのではないか?

利益が最優先なら、そこに住む人の利便性はどうなってもいいのか?

恐らくそういった議論もされていたのであろう。

そんな中で行われてきたのが、さだまさしさんのコンサート。

国鉄労働組合(国労)のキャンペーンソングとなったのが

「それぞれの旅」という曲です。

コンサートのタイトルにも使われています。

 

当時は高校受験直前だった自分。

近くに新設されたばかりの高校にするか、

比較的近い距離の高校にするか迷っていました。

偏差値的には、新設校なら余裕があり、近隣校はギリギリと言ったところ。

迷った挙句に近隣校を目指すことに。勉強は当時は好きではなかったけれど、

まぁ適当にはやっていましたね。

 

そんな中、近所に貼ってあったポスターに目がいきます。

アイドルとかには興味が無く、ニューミュージック系の曲が好きだった頃、

好きなアーチストの一人だったさだまさしさん。

比較的近くに来るというだけでなく、事前に申し込めば無料で見る事が出来ると。

当時のお小遣いの状況からして、コンサートを見に行くという選択肢は

全くなかったので、見れるものなら見ておきたい。

日程的にも、高校受験が終了しているから問題ないはず。

 

しかしながら、電車で1時間以上かかるような距離はあったため、

少しばかり躊躇します。友人となら色々な場所に行ったけれど、

そこまで離れた所はありませんでした。さあどうしようかと。

でも折角見れるチャンスがあるならそれを活かしたいと考えをまとめ、

申し込みをしたのでした。

 

そしてまずは片付けなければならない高校受験。

自分は元々プレッシャーに弱いので、果たして実力を出せるかどうか?

でもプレッシャーに打ち勝てれば、ちゃんと実力を出せて来れたという事も

経験してきました。普段通りやれば大丈夫だろうと。

 

しかしながらそんな自分に試練が立ちふさがる事に。

受験の2日前に緊張のあまりか熱を出してしまい、受験前日には

大事を取って休むことに。本当に大丈夫なのかと、

不安で満ちていたのを思い出します。

ダメで元々と開き直ったのがよかったのか、受験は無事にクリア。

これで一安心でした。

 

そしてコンサートの当日。初めての体験に緊張しながらも

ワクワク感が止まらなかったとの記憶が。

しかし、とんでもないミスをしてしまった事に気づきます。

「時間は大丈夫なの?」

と聞かれてもう一度確認したら、殆ど余裕がない。

家から駅まで行く時間をしっかり考慮していなかったという、痛恨のミス。

大急ぎで駅に向かうも、乗るはずだった電車は、もうとっくに出発していました。

次の電車だと、少々時間が空いてしまうので、開始時間には間に合わない。

当時は小遣いも少なく、早く行って遊んでいながら待っているという

発想もなかったなぁ。意気消沈しながら、次の電車で会場に向かったのでした。

 

駅から会場は、歩いて行ける距離だったのは幸いでした。

コンサートは始まっていましたが、案内の人の誘導で中に入れてもらえました。

初めて見るさだまさしさんは、かなり遠くからだったので、

よく印象には残っていないですね。大昔の事なので、何を歌ったのかは、

殆ど覚えていませんが、トークで加山雄三さんの「君といつまでも」に関する

考察についての話をしていたのは、微かに覚えています。

旅についての歌は、「きみのふるさと」を歌っていたのは記憶の底にあります。

 

 

鉄道ではないですが、車でふるさとへと向かっていく。

恋愛相手のふるさと。それを爽やかに歌っています。

 

そして先に書いた「それぞれの旅」。当時、さださんはFMで番組を持っていて、

その番組のタイトルも「それぞれの旅」でした。

自分にとっては、忘れられない曲ですね。

 

 

もう大昔となる子供の頃の記憶を頼りに書いたので、

このような形になりましたが、

自分にとっては、大切な一歩だと思ったので、

歪なものですが残してみました。

 

 


NO.185 2023.9.1 PANTAライブ葬

2023-09-02 08:45:40 | 思い出のライブ

2023年9月1日、PANTAのライブ葬が行われました。

頭脳警察・PANTAさん「生きたい、歌いたい、音楽がやりたい」 お別れ会で明かされた2年におよぶ闘病の日々

仕事の都合で現地に行く事は叶いませんでしたが、

ファンとしては、最後となるだろう頭脳警察の雄姿は見たい。

という事で、ライブ配信の購入をしてライブを見る事にしました。

(ただ配信が見れるのが9月3日までと短いのが残念です)

ライブ配信というと、昔、映像が止まってばかりで敬遠していたのですが、

よく考えたら、普段からABEMAとかで映像を普通に見ているんだから

問題なかろうと。

仕事が終わって家についたら、もうライブは終わっている時間でした。

まだ購入は可能でしたので、急いで申し込みの手続きをしました。

 

なかなか開始されない中、まずマネージャーからのここ数年の

状況の説明がありました。2年前の段階で余命1年の宣告。

その厳しい状況の中で、再びライブを行おうとする姿勢には

尊敬に値すると思います。

結局、生前最後のライブとなった6月14日の演奏は、

頭脳警察東京3部作の演奏とか。その時にPANTAの指示で

曲順の変更があり、「あばよ東京」を最後にするとの事。

その時にマネージャーは最後のステージになるのではと

覚悟したそうです。

 

その後、鈴木慶一さんがお別れの挨拶をした後、

ライブ葬が始まります。メンバーは、

石塚敏明さん、澤竜次さん、宮田岳さん、樋口素之介さん、

おおくぼけいさん、竹内理恵さんの最終期の頭脳警察の面々。

それにスクリーンに映し出されたPANTA。

 

さて、どんな演奏がされるのかと思っていたら、

いきなり革命3部作の演奏。続いて「ふざけるんじゃねえよ」。

どこかで聴いたことのある展開だと思っていたら、

実はNO,64で紹介した「会心の背信」でのPANTAの映像を利用したもの。

無観客で収録されたライブですが、

この時は、PANTA、トシ、澤竜次さんの3人で収録されています。

それに演奏を重ねているわけです。その時のライブは、

選曲的にも演奏的にも、かなり納得のいくものでして、

最後の演奏には相応しいものだと思います。

「万物流転」や「落ち葉のささやき」はロングバージョンですし、

近年の頭脳警察の曲の中では一番だと思う「絶景かな」も素晴らしい。

つい夢中になって最後まで見てしまいました。

 

そして最後の曲は、偶然見つけたヘルマン・ヘッセの詩に衝撃を受け、

曲をつけたという「さようなら世界夫人よ」。

ずっと歌い続けていた思い入れのあるこの曲は、

嘗てPANTAが対談の中で「死ぬな、生き抜け」と勝手に解釈してきた

と語ったとの事です。

やはり最後はこの曲が相応しいかな。

 

PANTAが亡くなられたことで、

今後は頭脳警察としてのライブはないと思われますが、

ラストアルバムは製作中との事。

そしてPANTAの誕生日と1周忌には企画も考えられているとの事。

PANTAには膨大な数の未発表曲があると思うので、

なんらかの形で発表はしてほしいなとは思います。

恐らくお布施をする事にはなるでしょうけど。

まずはこのライブ葬、商品化でもいいから手元に残したいですね。

オフィシャルに期待しますか。

 




NO.130 裸のラリーズ 1993.2.13 吉祥寺バウスシアター

2023-02-13 08:16:13 | 思い出のライブ

今から30年前の今日、初めて裸のラリーズのライブを体験しました。

30年も昔の事ですので、流石に詳細は覚えていないですが、

記憶にある部分だけでも書いていきたいと思います。

 

確かその時は雨が降っていたと思います。この時には吉祥寺には

詳しくなくて、道に迷って行ったり来たりしていたと思います。

今と違って地図アプリもないので、かなり時間がかかっていました。

まぁ初めて行く場所でしたので、時間に余裕を持って出かけたのは幸いでした。

気が付けば開場時間に近づいてきましたが、ようやく目的の会場に到着。

しかし何か独特な感じがしたのです。普段と違う空気を感じるのです。

自分はかなり鈍感な人間ですが、それでもわかるような不思議な感覚。

恐らく待っているファン達が持っている独特な空気だと思われます。

こんな感覚を思えたのは、この時と2000年代になって2度目の復活をした

頭脳警察のイベントでのライブを見た時ぐらいでしょうか。

(イベントの最後に頭脳警察が登場したのですが、

それまでと明らかに違うような不穏な空気を感じたわけです)

 

会場に入るとすでに照明は暗く、天井にはお約束のミラーボールが

回っています。そして開演を待つのですが、時間通りに始まる事はなく、

どれだけ待たされるかわからないという事は事前に知っていましたので、

気長に待つことに。

定刻をどれくらい過ぎただろうか、ようやくメンバーが顔を出し

演奏を始めます。MC等は一切なし。そして想像を遥かに超える爆音。

誰かがジェットエンジンの中にいるみたいと表現していたが、

それも誇張には感じられないぐらい。

時には過剰なフラッシュも連続し、普通の人にとっては拷問レベルかもしれない。

しかしながら好きな人にとっては、これがとても心地よく感じるものです。

途中にはメロウな曲もあったりしますが、轟音が鳴り響く展開が多いです。

30分ぐらい続く演奏が終わった後に隣の席から聞こえた声は

未だに覚えています。「〇〇かいているみたいで気持ちよかった…。」

 

そして気が付けば最後に演奏される事の多い「THE LAST ONE」の旋律が。

ラリーズを代表するこの曲は、聴いていて頭が真っ白になっていくよう。

単純なリフの繰り返しがここまで心地よく感じるとは。

曲が終わるとメンバーはそのまま去っていきます。

アンコールもなし、MCや曲紹介も一切なく、無言で現れそして去っていきました。

 

CDを聴くだけではわからないラリーズの凄さを感じられただけでも 

ライブに行った価値はあったと思います。

会場の異様ともいえる雰囲気、耳が痛くなる程の爆音、

長く見続けたら倒れるんじゃないかと思われる位のフラッシュ。

これらが複合した結果が唯一無比の体験となったわけです。

これを体験した結果、数は少ないですが、これ以降の90年代に行われた

すべてのライブに顔を出す事になるのです。

そしてもう二度と体験できないのが残念です。

 

1993.2.13  吉祥寺バウスシアター

1.夜、暗殺者の夜

2.永遠に今が

3.黒い悲しみのロマンセ

4.白い目覚め
(~暗黒が帰ってくる~紙切れ)

5.記憶は遠い

6.Enter the Mirror

7.The Last One