月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.214 ブラックジャックAIを使った新作「機械の心臓~HEARTBEAT MARKⅡ」

2023-11-23 00:10:02 | アラカルト

NO.162でも触れたAIとの共同作業による「ブラックジャック」の新作、

発売されましたので、早速週刊少年チャンピオンを購入しました。

 

冒頭に今回の作品がどのように製作されたかの解説も書かれていまして、

なかなか興味深い内容となっています。プロットに関しても、

5チームが担当して最もよかったものを採用。

シナリオもAIによる案を人間側が修正していく形で。

作画もAIが作製したものを元に新キャラも作られましたが、

今回はAIのものは、あくまで参考程度だったとの事。

これは読み切りで終わっていますが、

連載をするのはかなり難しいでしょう。

かなり時間や労力がかかった作業だと思いますが、

週刊誌の連載をしている漫画家の方々は、これを毎週続けているんですよね。

改めて大変な作業だと感じました。

 

『ブラック・ジャック』新作がチャンピオンに掲載 AIと制作した32ページ「どこからどこまでが人間なのか?」難題に挑む物語

 

さてここまで音楽関係の話がなかったので、少々音楽の話も。

AIを利用したビートルズの「ナウ・アンド・ゼン」以外の話でも。

非公式のもので恐縮ですが、考えさせられた事がありますので。

 

ジョン・レノンの「ミルク&ハニー」に収録されている

「Grow Old With Me」という曲。

 

2019年のリンゴ・スターのアルバムで、ポールも参加してカバーされています。

 

これをAIを使ってビートルズらしくしたらどうなるかという事を

やってみた人がいて、このような感じに。

 

AIと人間の関わり方を考えさせられますね。

まだまだAIに関しては進歩するでしょうが、

行き過ぎた進化は、また問題が出てくるのでしょうね。

 


NO.213 裸のラリーズ「BAUS’93」

2023-11-22 00:51:36 | サイケデリック

NO.130でも書きました、93年のバウスシアターのライブ。

こちらもCD化されています。思い入れのあるライブですので、

購入してすぐに聴いています。

まあ何回となく聴いているのですが、やっぱり感想は書きづらいです。

ラリーズのファンは、何というか癖の強い人が多いので、

下手な事は書けないんですよね。

 

70年代、80年代のライブと比べると、90年代のライブの評価は高くないです。

しかしながら、このライブと4日後のクラブチッタでのライブは、

そこそこの評価があると思います。

音質に関しては、悪くないですね。ライブでは爆音ですが、

そのままだと音が歪みますし、小さすぎると迫力が無くなります。

その辺りを考慮したものにはなっていると思いますが、

全てのファンを納得させるのは難しいというか、無理ですね。

それでもライブでは聴き取りにくかった歌詞がかなり聴きやすくなったのは

嬉しいとは思います。

 

予めわかっていた事ですが、今回は前半の部分しか

マルチレコーディング音源がないため、中途半端な感じです。

一部、演奏曲順も入れ替えてありますが、完全収録ではないので、

まぁその辺りは聴きやすく編集してあるからいいでしょう。

 

個人的に、ライブで体験した曲の中で一番好きなのは

「DARKNESS RETURNS」ですが

(これが正確なタイトルかどうかはわかりませんが)

それがいい音質で完全収録されているのは、自分にとって嬉しいです。

 

初回盤に付属しているDVDですが、「DARKNESS RETURNS」の後半部分と

CDには収録されていない「THE LAST ONE]の最後の部分の演奏で

構成されていました。フラッシュが激しいので、

何度もじっくり見るものではないですが、わずかでも当日の演奏が

収録されているのは嬉しいものです。

 

さて別件ですが、近日、裸のラリーズの詩集が限定発売されるそうです。

 

『The Last One〈Poésies : Les Rallizes Dénudés〉裸のラリーズ詩集』

 

しかし特典CDが付くとはいえ、この値段は厳しいなぁ。

それも公式3種の作品から中心に選んでいるみたいで、

未発表のものは期待出来ないかも。

(特典CDは、未発表の音源みたいですが)

値段に見合うものになる事を期待します。


NO.212 LOVE LIVE LIFE+1「Love Will Make A Better You」

2023-11-17 00:19:40 | 日本のプログレ

水谷公生さんの関連作品を色々紹介していますが、

最もアグレッシブと思う作品の事を書こうかと。

 

1971年に発表されたのが、LOVE LIVE LIFE+1の

「Love Will Make A Better You」です。

キング・レコードが企画した

「NEWS(ニュー・エモーショナル・ワーク・シリーズ)」の中の

1枚としてリリースされました。当時のキングレコードは、

前衛的なジャズに力を入れていたようで、このグループも

ジャズ系のミュージシャンが中心となっています。

メンバーは、

市原宏祐さん– サックス/フルート
横田年昭さん – フルート/サックス
水谷公生さん – ギター
直居隆雄さん – ギター
柳田ヒロさん – オルガン/ピアノ
寺川正興さん – ベース
チト河内さん– ドラム
川原直美さん – パーカッション 

となっており、水谷さん、柳田さん、チトさん以外は、ジャズ畑の人です。

チト河内さんは、GSのハプニングスフォーやトランザムでも有名ですね。

そして+1の人ですが、なんと参加しているのは、

若い頃の布施明さんです。どんな経緯で参加したのは不明ですが。

 

内容的には、ジャズロックにプログレッシブロックを加えて

サイケ風味に味付けした音楽といった感じでしょうか。

1曲目から18分にわたるセッション的な曲から始まりますが、

フルートやサックスも入っていたりして、キングクリムゾンの匂いが

する感じですね。しかしながら、クリムゾンの「太陽と戦慄」の

発売前に発表されています。そういう点では、このアルバムは

もっと評価されても良かったんじゃないかと思います。

そして布施明さんのボーカルがいい味を出しています。

 

 

 

圧巻は、タイトル曲の「Love Will Make A Better You」。

実は1971年7月に収録された、布施明さんのライブアルバム、

「日生劇場の布施明」ではLOVE LIVE LIFEのメンバーも参加していて、

「Love Will Make A Better You」を演奏しているのですが、

布施明さんもはっちゃけていて興味深いです。

布施さんもこんな若い頃があったんだなと。

 

 

まぁ当然と言えば当然かもしれませんが、当時は殆ど売れなかったようで、

オリジナル盤の帯付きはまず見かける事はないです。

なかなか再評価はされにくいジャンルですが、海外では一部で

高い評価はされているようですね。

その後、2枚程アルバムを出していますが、残念ながら

プログレッシブな部分は無くなっています。

 

余談ですが、Youtubeで「LOVE LIVE LIFE+1」で検索すると

ゲーム等で有名な「ラブライブ!」ばかり出てきてしまいます。

まぁ仕方ないですね。           


NO.211 映画「リバイバル69 伝説のロックフェス」

2023-11-13 00:48:04 | 映画

本当に今年はミュージシャンが多く亡くなっています。

先日もHEATHさんが亡くなったと思っていたら、

大橋純子さんも亡くなったとの報道が。気分が滅入ります。

そんな今年ですが、ローリングストーンズが久々のアルバムで

現役をアピールしたり、ビートルズが最後と言われる新曲を出したりと

嬉しいニュースもあったりします。

しかも54年ぶりの全英シングルチャート1位とか。

 

そんな中、今回の映画を見に行くことになりました。

「トロント・ロックンロール・リバイバル」というイベントの

ドキュメントで、プラスティック・オノ・バンドの

実質デビューライブが行われた重要なイベントでもあります。

ジョン・レノンが単独での行動をした事で、

ビートルズの解散が見えてくる事になります。

この時の演奏は、「平和の祈りをこめて」というアルバムで聴けますが、

後半のオノ・ヨーコさんの色が強い前衛的な演奏は、

なかなか理解しずらかったでしょう。

 

このイベントについては、あまり詳しく知らなかったのですが、

チャック・ベリーやリトル・リチャード、ボ・ディドリーといった

ロック創成期のレジェンドが登場したり、

シカゴやアリス・クーパーが参加していたりと見どころは多いですね。

ただレジェンドと言われた人達もこの当時は時代遅れとされていたようで、

当初はチケットがまるで売れなかったと。ここからどう逆転していくのか?

その辺りのエピソードは、なかなか面白く、見入ってしまいました。

今では考えられない破天荒さだと。

当時、人気だったドアーズまで参加させることに成功し

(残念ながら撮影は拒否されたとかで演奏シーンがないのが残念)

でもそれでもダメで、ギリギリになってジョンを参加させる事が出来たのは

奇跡に近いかも。そして当日、ドタキャンになりそうな所はハラハラさせます。

 

演奏シーンは、もっとじっくりと見れればよかったですが、

エピソード自体が面白いので、退屈さは感じなかったですね。

何より、チャック・ベリーやリトル・リチャードのレジェンド達の

カッコよさを再確認出来たのがよかったです。

 

 

余談ですが、ビートルズ関連の番組では、NHK総合にて

11月16日(木)午後10時~午後10時45分に

THE COVERS ザ・ビートルズナイト が放送されますね。

見てみようかな。

 


NO.210 X JAPAN「アート・オブ・ライフ」 HEATH死去

2023-11-08 00:30:55 | 墓碑銘

またしても急な逝去の報が入ってきました。

X JAPANのHEATHが10月下旬に亡くなられたとの事です。

まだ55歳という早すぎる死にショックです。

 

X JAPANベース・HEATHが55歳で急死、死因は…メンバーも闘病知らず、YOSHIKIは緊急帰国し無言の対面

 

X JAPANに関しては、日本のハードロック、ビジュアル系にとっては別格の存在、

自分も初期の頃はCDを買っていたりしました。

初期の頃は、自分達を売り込むために「天才たけしの元気が出るテレビ」

とかにも出演し、汚れ的な仕事もしたりしていましたが、

実力もピカイチだったと思います。「紅」とかのインパクトも強かったです。

 

自分がX JAPANを評価していたのは、プログレッシブロックにも通じるような

ドラマチックな展開もあった事からですね。

特に好きだったのは、1曲30分近くにもなる大曲

「アート・オブ・ライフ」ですね。これは初回盤を手に入れてます。

YOSHIKIの半生を描いた曲とも言われていますが、途中のYOSHIKIの

ピアノソロが圧巻でした。それをライブでも再現していたのは

凄いの一言です。フルバージョンなので30分の映像ですが、

これは見ておきたいですね。

 

 

元々「「アート・オブ・ライフ」は、「ジェラシー」とセットで

2枚組となる予定だったとされています。色々な経緯もあり

「アート・オブ・ライフ」は難産となりました。

グループ名がXからX JAPANへの変更、ベースがTAIJIからHEATHへと変わったり。

でも曲の価値は変わらないでしょう。

ご冥福をお祈りします。