月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.291 映画『ヒプノシス レコードジャケットの美学』公開予定

2025-01-29 01:00:15 | 映画

ピンクフロイドの「原子心母」、「狂気」等、レッド・ツェッペリンの「聖なる館」等、

ウィングスの「バンド・オンザ・ラン」等、70年代のロックアルバムの名作のジャケットを担当した集団、「ヒプノシス」。

彼らに関するドキュメンタリーの映画が公開予定です。

 

映画『ヒプノシス ーレコードジャケットの美学ー』

 

レコードジャケットを芸術の域に高めたとも言われる独創的なデザイン。ピンクフロイドのメンバーと出会った事から始まるという事ですが、

特にヒプノシス関連の文献は読んでこなかったので、映画にて語られるエピソードには、興味津々です。

時には奇抜なデザインをしてきただけの事はあるので、アーチスト達との衝突も多々あったでしょう。その辺りの話は、なかなか面白そうですね。

まぁマニア向けの内容ですので、上映館数は少ないですが、幸いにも地元には来るみたいです。

ただいつものように、ロードショーの最後の方になるので、観れるのはかなり遅くなりそうですが。

70年代の特にブリティッシュロックが好きな人には、馴染みのジャケットが沢山出てきますので、楽しめるとは思います。

しかしながら、インタビューに応じてくれているアーチストは、もう高齢の人ばかりです。かなり年を取っているので、

往年のヒーローからは遠くなった風貌ばかりです。でも、それでもライブをし続けている人もいるのは、あっぱれだとは思いますね。

 

 

そして参考映像として、よく拝見している「みのミュージック」より。知らないジャケも多いけど、知っているものも多々あって、

本当に名盤率が高いと思いますよ。

 

 

 


NO.283 映画「ミスター・ジミー  レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男」公開決定

2024-10-15 09:34:56 | 映画

ここ暫くの間、碌にインすら出来ていませんでした。

精神的というかモチベーションの問題ですが、

気持ちの整理がつきつつあるので、

少しづつ復帰はしていきたいとは思っています。

ただ、これから仕事が忙しくなると思うので、

多少時間はかかるかもしれませんが。

 

そんな中でも、自分にとって嬉しい出来事が、ミスター・ジミーの映画の

日本公開決定のニュースです。日本公開は無いかなとも思っていただけに、

これは本当に嬉しいです。(公式HP

NO.230でも書いていましたが、ジミー・ペイジが好きすぎて

ジミー・ペイジになり切ってライブをしていた人が、ペイジ本人にも認められ

アメリカにて活動していくドキュメントですね。

このブログにて登場する事は少ないですが、レッド・ツェッペリンは、

自分にとって最も影響を受けたグループの一つです。そんな偉大なるグループの

メンバーにも認められた日本人のドキュメントですので、

例え地元で映画が公開されなくても、遠征してでも見に行こうと思っています。

 

“世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男”ジミー桜井のドキュメンタリー映画『MR. JIMMY』日本公開決定

 

 


NO.272 映画「シド・バレット 独りぼっちの狂気」

2024-08-08 00:03:38 | 映画

いつもの映画館、今週は音楽関連の映画が集中していまして、

どれにしようか迷いましたが、やはりピンク・フロイドが好きな身としては、

この映画は見なければと思い選びました。

 

シド・バレットは、ピンク・フロイドの初期メンバーで、

グループに大きな影響を与えています。ちょうどサイケデリックのブームで、

デビュー曲の「アーノルド・レーン」や「シー・エミリー・プレイ」の

独特な曲調は、シドの色ですね。しかしながら「アーノルド・レーン」は、

女性の下着に執着している男の歌だったりで、シドの感性は

普通の人とは違っているのが分かります。

 

 

ピンク・フロイドの「夜明けの口笛吹き」は、サイケ色の強いアルバムで、

聴く人を選ぶものでしょうけれど、サイケなものが好きな自分としては、

やはり外せないですね。ただアクが強いものなので、一般受けはしないですが。

「天の支配」は好きな曲だったりします。

 

 

そんな初期のフロイドに欠かせないシドですが、やはり薬物に依存していたのは

問題でした。芸術的なセンスはあったかもしれませんが、

フェードアウトしてしまいます。この映画は、古い友人やガールフレンドまで

集めてシドについて語ってもらっています。どうでもいい様な話も

あったりしますが、ロジャー・ウォーターズやデヴィット・ギルモア、

ニック・メイソンといったフロイドのメンバーの話は貴重かと。

 

ただやはり、シドは他人とは仲良くやっていくタイプではないので、

孤独に過ごすことになります。薬物の悪影響なのか、

精神を病んでいた感もあります。伝説的な人にしては悲しい晩年です。

 

元々監督は、ピンク・フロイド等のアートワークで有名な

「ヒプノシス」のストーム・トーガソンでしたが、死去のために

ロディ・ボグワナが意思を引き継いだとの事です。

シドの事を知らない人にとっては、やや分かりにくい感じだったかも

しれませんが、少しでも興味を持ってくれる人がいればとは思います。

 

 

1969年10月25日にベルギーのモン・ド・ランクリュで行われたフェス

「Music Power & European Music Revolution」の映像では

フランク・ザッパと共演している「星空のドライブ」がありました。

なかなか強力な組み合わせだなと。

 

 

 


NO.270 映画「トノバン 音楽家加藤和彦とその時代」

2024-08-02 07:59:40 | 映画

ここ最近の異常な暑さでやる気が削がれてしまっていました。

まだ暑い日が続いていますが、気を取り直して書いていこうかと思います。

 

公開開始からかなりの時間が経ってしまいましたが、ようやく地元でも

「トノバン」が公開されました。感想は色々な人が書いているので、

ここでは割愛させていただきます。関係者の方々のインタビューが

淡々と並べられて、時折流される映像に唸るという感じですか。

 

個人的には、初期のアシッドフォーク的なものも

取り上げてもらいたかったですが、まぁ一般的なウケはよくないと思いますし、

その辺りは仕方ないかなと思っています。

遠藤賢司さんのデビューシングルのB面の「猫が眠ってる」では、

加藤さんがタブラで参加しています。このシングルバージョンは当時、

カバーをしたりしていたジャックスの早川義夫さんも演奏に参加していますね。

(A面の「ほんとだよ」は、木田高介さんが参加)

時代を先取りし過ぎた感があるような。

 

 

アルバム「スーパー・ガス」に収録されている「児雷也冒険譚」も

アシッドフォーク的な曲ですが、この曲をメインとした2枚組は却下されて

「ぼくのそばへおいでよ」となったわけです。

 

 

サディスティック・ミカ・バンドも最初は評価されてなかったですが、

大物プロデューサーのクリス・トーマスと関わる事で

評価もされていくわけです。(解散の原因ともなりますが)

ミカさんのボーカルは、好みが分かれる感じかなと。

「塀までひとっとび」で聞き比べてみます。

 

 

映画では、再結成のサディスティックミカバンドは触れられてなかったですね。

自分自身は再結成の方もあまり聴いてなかったので、聴きたかったなと。

映画で使われた演奏でもインパクトあったのが、高中正義さんですね。

 

 

個人的に思ったのですが、色々な人のインタビューがありますが、

その人がどのように加藤さんと関わってきたのが

分かりづらいなとは思いましたね。加藤さんの事をよく知らずに

映画を見た人には、ちょっと不親切かなと。

つのだ☆ひろさんは、ジャックスからの付き合いがあったと思いますし、

最初の頃のサディスティック・ミカ・バンドのドラマーでしたし、

泉谷しげるさんは、「春夏秋冬」とか「80のバラッド」とかの

プロデュースをやってもらったといった関りがあるし、

坂崎幸之助さんは、復活フォークルとか和幸とかでの関りが強かったのに、

その辺りも触れてないのはどうかとは思いました。

そして安井かずみさんとの事も淡白だったなと思ってみたり。

加藤さんと安井さんとのコンビの曲は、いい曲が沢山あるのに、

もっと紹介してほしかったとは思います。

有名なのが竹内まりやさんの「不思議なピーチパイ」ですが、

何故か印象に残っていた、伊藤つかささんの「夕暮れ物語」とか

「劇場版・超時空要塞マクロス」で使用されていた飯島真理さんの

「愛おぼえていますか」もこのコンビの曲とは知りませんでした。

この曲は、後の「マクロス」のシリーズでも何度となく使われていて、

アニメファンにも思い入れがある人が多い名曲ですね。

確かに映画の中では、20代半ばでロールスロイスを購入したエピソードも

紹介されていましたが、もっと上手くまとめられたらなぁとは思いました。

 

 

 

多少は不満が残る部分もありましたが、加藤さんの事をもっとよく調べようと

思うきっかけとなりました。加藤さんの再評価に繋がる事にもなりましたので、

有意義な映画だと自分では思っています。

 

 


NO.251 映画「モンタレー・ポップ」

2024-04-27 01:05:21 | 映画

ここ暫くの音楽映画三昧。見たいと思っていた「モントルー・ポップ」、

何とか上映期間内に間に合いました。

 

1969年のウッドストックの2年前、

モンタレー・ポップ・フェスティバルが開催されました。

この時期は、ビートルズの「サージェントペパーズ・ロンリーハーツ・クラブ・バンド」が発売されています。

今までシングルの寄せ集めだったアルバムですが、この「サージェント~」以降、

アルバムの曲目や曲順に大きな意味を持つようになります。

そしてモントルーのフェスですが、60年代終わりに相次いで亡くなる

ジミ・ヘンドリックスやジャニス・ジョプリン、

そしてオーティス・レディングが出演している重要なフェスとなっています。

 

この映画は、モンタレーのフェスの記録映画として製作されましたが、

日本では劇場公開はされず、今回、レストアされた4K・5.1CH版という

最良の状態での初公開となります。

兎に角、50年以上前の映像とは思えないほど画像が奇麗です。

まずそれに感動。ママス&パパス、キャンド・ヒート、

カントリー・ジョー&フィッシュといった

通は喜ぶようなグループも参加していますが、

やはりジャニス・ジョプリンの熱唱は心を打ちます。

 

 

最初見た時に「え?」と思ったのが、エリック・バードン&アニマルズの

「黒くぬれ」ローリングストーンズのカバーですが、

冒頭のバイオリンから圧倒されました。こんなにカッコいいグループだっけ?

 

 

そしてジミヘン以外にもギターを破壊していたのがTHE WHO。

最後にはドラムセットも倒されて、収拾がつかない状態に。

でも「マイ・ジェネレーション」はカッコいいです。

 

 

そしてモンタレーと言えば、ジミ・ヘンドリックスの演奏。

「ワイルドシング」は、映画「メジャーリーガー」でカバーされ、

今も聴く機会が多い曲ですが、ジミ・ヘンドリックスもカバーしています。

この時の演奏は、ギターを背中にまわして演奏したり、

マイクスタンドにギターを擦り付けたり、そして最後にはギターに火をつけて

更には破壊するというパフォーマンスを見せています。

今やったら、即退場でしょうね。

 

 

そして映画の最後を飾ったのは、意外にもラビ・シャンカール。

当時のサイケデリックカルチャー全盛期には、

インドの音楽は神秘的と感じられウケていたのでしょう。

まさか20分近くの演奏が流れるとは思っていませんでした。

今は聴く機会が少ないので、シタールやタブラ(太鼓)

に触れられるいい機会だったと。

因みに、ノラ・ジョーンズは、彼の娘だと初めて知りました。

 

 

全体的に編集が雑で

観客や周りの様子の割合が多いのが気になりましたが、

当時のファッションとかも見ることが出来て、

それはそれでよかったのだと思いますね。うん、見れて良かったです。