月の裏側〜reprise〜

捻くれ者が音楽を語ったらどうにも収拾がつかなくなった件。マニアックな作品紹介と自分自身の音楽関係の思い出話を中心に。

NO.27 ジャックスその他の音源

2022-03-29 22:13:10 | 日本のロック

ジャックスの音源に関しては、40周年記念ボックスを入手出来れば、

タクトレコードから発売されたシングルや未発表のシングル音源、

バイタリスフォークビレッジに出演時のラジオ音源等を網羅出来ますが、

公式扱い以外の音源も多少ありますので、書いていこうかと思います。

 

・アンダーグランド音楽祭(1968.3.27 大阪サンケイホール)

「ベストオブソリッドVOL1」に全3曲収録。

複数のアーチストが出演したイベントのため、全3曲のみで

15分にも満たない短い音源ですが、

水橋春夫さんが演奏していて、しかも正規に録音されていて音質も良く、

演奏も素晴らしいので、是非聴いてもらいたいCDですが、

残念ながら現在は入手は困難です。

なお、五つの赤い風船のライブにゲスト出演した早川義夫さんの音源も

2曲ほど収録されています。

 

「腹貸し女」音源(1968.2.3 目黒スタジオ)

「ジャックスの世界」録音以前に、若松孝二監督の「腹貸し女」という映画のサントラ音源を

録音しています。映画自体は、エログロナンセンス的なものですが、

早川さんも少々出演しているようです。昔、ビデオで発売されていたと思いましたが、

入手はしませんでした。

音源としては、「リアリゼイション」、「リメインズ」等、タイトルや曲数を変えて

発売されてきましたが、「若松孝二傑作選 腹貸し女」が決定版と言えます。

タクトレコード盤のシングルの録音の前に収録されたもので、

サントラとはいえ、ここでしか聴けない曲もあり、これも貴重な音源かと。

 

1969年3月から4月にかけて、高石事務所主催で短期集中的に開かれたイベントが

「あんぐら音楽祭」ですが、ジャックス関係もいくつか音源が残されています。

1969年3月21日の大阪厚生年金会館でのジャックスショウは、

ジャックスCDBOXに2枚組で収録されています。未だこのBOXでしか

聴けない音源となっています。単独での再発希望ですね。

 

1969年3月26日のオープニングコンサートは、

「あんぐら音楽祭」で一部聴く事が出来ます。

 

キティレコードが販売権を持っていた時に発売された音源で、その後は再発されていません。

DISC1がオープニングコンサートで、DISC2が3月22日の渋谷公会堂と4月1日の大阪サンケイホールでの

プロテストソング大会の音源となります。

オープニングコンサートからは2曲、プロテストソング大会は3曲収録されています。

プロテストソング大会の方には、浜口庫之助さんを皮肉った「ロールオーバー庫之助」が収録されています。

「ジャックスの奇蹟」には歌詞の一部とタイトルを変更してますので、オリジナルの歌詞は貴重です。

ちなみに岡林信康さんのアルバム「見るまえに跳べ」には、オリジナルのままで収録されています。

今思えば、ジャックスの作品をはっぴいえんどが演奏して岡林さんが歌うという、

何だかとんでもないことになっていますね。

 

この時の演奏は、更に追加で「ニューロックの夜明け URC編」に「明日なき世界」が収録されています。

 

 

流石に「ロールオーバー庫之助」は収録されませんでしたね。

 

3月31日の東京厚生年金会館でのジャックスショウは、「からっぽの世界」1曲のみですが、

80年代に自主製作でのシングルで発表されています。流石に入手は難しいですね。

 

まあ、こんな感じでしょうか。とりあえずジャックス関係は一段落で。

休みの国の音源が入手出来たら、何か書こうとは思いますが。

後は、90年代に復活して以降の早川義夫さんの関連で何か書くかもです。

 


NO.26 ジャックス「LIVE,15 JUN.1969」

2022-03-27 00:48:05 | 日本のロック

ここにきて、まさかジャックスのライブ音源が発掘されるとは思いませんでした。

1969年に近畿放送(現KBS京都)にて放送された

「みんなで歌おうフォークフォーク」なる番組にジャックスが出演した時の

音源が見つかり商品化されたものです。

何でも当時のディレクターの蔵に保存されていたとか。

ライブをダイレクト録音したオープンリールをマスターとしているそうですが、

何故放送用音源を個人で所有していたのかですね。

しかしながら保存状態もよかったようで、こうして聴く事が出来るのは嬉しい限りです。

近畿放送の自社制作によるようで、聞く人も限られていましたので、

ジャックスの研究本である「定本ジャックス」の詳細な年譜にも記載されていません。

 

MCを含めて30分強の短い音源ですが、解散直前の最後期の演奏が聴けます。

メンバーは、早川義夫さん、谷野ひとしさん、木田高介さん、

角田ひろ(現つのだ☆ひろ)さん。司会に北山修さん、ゲストに高石ともやさん。

選曲は特徴的で、「ジャックスの世界」から2曲で、その後すぐにレコーディングされる

「ジャックスの奇蹟」からは演奏されず、代わりにジャックスの裏バージョンといえる

高橋照幸さん(カイゾク)の休みの国というグループの曲を3曲演奏しています。

(1曲は高石ともやさんがボーカル)

このライブから2か月後には解散宣言をしているので、

この時にはジャックスを続ける気がなかったかもしれません。

「からっぽの世界」は、水橋春夫さんの独特なギターはないのですが、

木田さんのフルートとつのださんのドラムがいい味を出していて、

これはこれで悪くない出来かと。

 

注目すべきは、「明日なき世界」のカバーですね。P.Fスローンの曲で

バリー・マクガイアのシングルでヒットしましたが、

それを高石ともやさんが訳詞をしたものを演奏しています。

「でもよぉ、何度でも何度でもおいらに言ってくれよ」

なんて言い回しは個人的には好きです。

色々なアーチストに歌われてきましたが、有名なのは

RCサクセションの「カバーズ」に収録されたバージョンですね。

 

最後に北山修さんの訳によるビートルズの「イエローサブマリン」が

演奏されたらしいですが、残念ながら許可が下りなかったのか

未収録なのが残念です。嘗て「イエローサブマリン音頭」が発売できたのだから、

許可してもらいたかったですね。権利関係が難しいのでしょうか?

 

(42) ジャックス/LIVE, 15 Jun.1969 - YouTube

 

次回は休みの国の発掘音源を書くつもりでしたが、まだ入手出来ていないので、

ジャックスの公式以外の音源を書こうかなと。

久方ぶりに定本ジャックスを読み直している所です。


NO.25 ジャックス「2ND JACKS SHOW JUL.24, 1968」

2022-03-23 18:01:14 | 日本のロック

1973年頃、ファン有志によって自主製作されてファンクラブを中心に

頒布されたのがこのアルバムです。200枚~400枚程度の枚数だったため、

一時期、かなりのプレミアがついていました。(今でもかな?)

これは、お茶の水日仏会館で行われた「第2回ジャックスショウ」の音源になります。

正規の音源ではありませんので、再発される事はないだろうと思っていましたが、

(海外では海賊盤CDも出回ったらしいです)

著作権等もクリアし、リマスタリングもしっかりなされて正規盤として

発売されました。

 

メンバーは、早川義夫さん、水橋春夫さん、谷野ひとしさん、木田高介さんの

「ジャックスの世界」の制作メンバーになります。

(発売はこのライブの数か月後です)やはりこのメンバーがベストだと思います。

水橋さんは、アルバム発売後に残念ながら脱退してしまいます。

それだけに、このメンバーでのライブは貴重です。

選曲も当然ながら「ジャックスの世界」からの曲も多く、シングルのみの曲や

次作の「ジャックスの奇蹟」収録の曲もあり、

演奏自体も非常に良かったとは思いますね。

長時間のライブ音源自体も少ないですので、

やはりジャックスのライブの決定版と言えますね。

 

(35) ジャックス/2nd Jacks Show, Jul. 24, 1968 - YouTube

 

なお後日、アナログ盤も発売されました。しかしながら2枚組で7000円オーバー。

後に入手困難になるかもだけど、買うのは予算的にもなかなかしんどいなぁ。

どうしたものか…。

 


NO.24 ジャックス「ジャックスの世界」

2022-03-20 01:42:52 | 日本のロック

2021年は、日本のロックの歴史的な発掘音源がいくつか発表されています。

その頃はろくでもない理由で音楽の情報は殆どチェックしていなかったのですが、

年が明けてから少しずつチェックするようになり、このブログも始めたわけです。

そんな中、ジャックス関係の発掘音源が発売されていたのを知りました。

そして自主製作で発売され、長い間レア盤として知られていた

第2回ジャックスショウの音源も正式に発売された事も。

という事で、やや遅くなりましたが、これらのCDも入手しました。

ですがその前に、やはりジャックスの代表作である

「ジャックスの世界」の事を書こうかなと思います。

 

「ジャックスの世界」は、1968年9月に発売されたファーストアルバムです。

ジャックスは、早川義夫さんが中心となったグループで、

メンバーには「神田川」、「結婚するって本当ですか」等の編曲をした

木田高介さん、横浜銀蠅やWINKのプロデュースをした水橋春夫さん、

後期には、つのだ☆ひろ(当時は角田ひろ)さんも参加しています。

この個性的なメンバーによるジャックスの音楽は、

内省的ではありますが、世界を見ても類のない独自の音楽です。

当時はグループサウンズが全盛期でしたが、その枠にも入らず、

フォークにもロックにも当てはまらない、

結局当時はアングラという言葉でごまかされた感じです。

無理やり分類しようとすればサイケデリックになるかもしれませんが。

当時ジャックスは、しばしば「ORIGINAL ONLY]とポスターやチラシに

表記していましたが、決して誇張ではなかったといえます。

冒頭のドラムが印象的で、早川さんの叫びが心を打つ「マリアンヌ」、

独特なギターが幽玄な雰囲気を醸し出す「からっぽの世界」、

それ以外の曲も暗いながらも心に残る曲ばかりの傑作アルバムだと思います。

残念ながら、評価してくれたのは一部の人だけで、

アルバムの売り上げはイマイチでした。その後も再発されることも少なく、

(「からっぽの世界」に、〇しという差別用語が使われていた事も

再発をしずらくする要因だったのでしょう)

忘れられていった存在となっていましたが、

少しずつ再評価をされていくようになり、80年代の終わりには、

CD-BOXの形でしたが待望のアルバムのCD復刻化もなされ、

90年代に入ってからは。ようやく本家からの単独でのアルバム再発もなされました。

今でも購入は可能ですが、出来れば10数年前に発売された

40周年記念BOXを探したいところです。

ジャックスの2枚のアルバムにボーナストラックが入った

高音質の紙ジャケCDに、ラジオ音源等が収録された

「エコーズ・イン・ザ・ラジオ」含まれていて、正規音源をこれで網羅出来ます。

 

 

次回は正規音源に含まれないライブ音源の紹介をしようかと思います。

 


NO.23 映画「戦慄せしめよ」が気になる

2022-03-16 08:04:06 | 映画

映画「ZAPPA」の上映館を探すために、地元の小さな映画館の

スケジュールを検索していたのですが、気になる映画を見つけました。

「戦慄せしめよ」という映画です。

 

越島 | ettō (etto.world)

 

現代音楽家の日野浩志郎さんと太鼓芸能集団の鼓童が

タッグを組んで作られた作品。

佐渡島で撮影され、雄大で豊かな自然をバックに叩かれる太鼓。

台詞のない音楽劇という話です。

鼓童の名前は知っていたのですが、創立40年にもなるのですね。

1月から全国でロードショーが行われていますが、

地元ではもう少し先になりそうです。

やはり太鼓の響きは、映画館で大音量での体感をしてみたいものですね。

もちろんライブ演奏が一番ですが。

 

それにしても、4月以降は気になる映画が目白押しです。

今まで映画を見に行くのは少なかったのですが、

今年はかなりの本数を見る事になりそうです。